おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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サンフランシスコ教会は、カテドラルを中心としたプエブラ市歴史地区の東端にある。私が行った時はファサードの前で、教会に併設された学校の生徒達が10メートルを有に超える細長いマットを敷いてマット運動をやっていた(服装は日本と変わらず紺と白のトレーニングウェア)。

祭壇衝立風のファサード両脇にはレンガの壁にイスラム風タイル装飾が施され、そのタイルで十字架まで象られている。混交様式というより、レンガを媒介として、スペインバロックとイスラム様式が併存したままプエブラに持ち込まれている感じで、これがけっこうおしゃれにまとまっていて違和感が無い。

ファサード中央には、聖フランチェスコが山中で祈っていると、六枚羽根のセラフィム(熾天使)の姿をとったイエスが現れ、聖痕を授けるという、有名な奇跡譚のレリーフが目を惹く(左下画像)。

このテーマで代表的なジョットの絵画などでは、イエスは十字架のポーズをとっているだけだが、ここでは十字架にはりつけられた姿のまま六枚の羽根をまとっている-。また植物や鳥が南国風で、雲の表現が唐草文みたいなのが面白い。

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春信見立蝶類図譜其の七「夕立」大陸型変種

“其の三”の変種です。配色が繧繝彩色で使われた大陸伝来の紺丹緑紫だったり、麻の葉文様の振袖がチャイナカラーだったりで、“大陸型”などとしました。錦絵の時代の江戸ではあり得ない配色は、“元禄型”でもよかったかもしれません。“壱”と“弐”の組み込み方は、いろんなパターンが考えられます。完成図を参考にアレンジしてください。


プリンタ用紙は0.2㎜以上の厚手のものか、#130〜150の薄手ケント紙あたりが適当だと思います。

プエブラ/カテドラル

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 プエブラの中心にあるカテドラルはさすがに正統スペインバロックの建造物で、内部装飾も幾何学的で控えめなもの。近郊の教会に見られるような装飾過剰でデフォルメされた要素は見当たらない。

聖堂の周囲を巡る柵には天使達の像がならんでいてメルヘンチックだ。灰色の塔も夜はライトアップで美しく輝き、町のシンボルにふさわしい偉容を誇る。

しかしこの聖堂にも過剰なオーラを放つアートがしっかり存在していた。端正な内装の堂内に置かれた瀟洒な棺型のケースに、これでもかのむごたらしさ。焼けたようにただれて黒く盛り上がった傷口と、体を覆うおびただしい流血の後。遺骸を棺に安置しているのだから傷口を洗浄していても良さそうなものだが、信仰心をあおる為にはイエスの犠牲の重さをアピールするこの見せ方が効果的なのだろうか。

顔の方も、メキシコの教会でよく見かけるマネキンのような端正なイケメンではなく、悲劇的な表情にデフォルメされて、白目の向き具合なんか笑えるくらい強烈だ。

高揚した信者の宗教感情に対して、荘重な堂内の雰囲気だけでは応えきれない何かを一身に引き受けるような特異点。まあ、それはいいとして、なんで髪が茶髪で、しかも縦ロールなわけ?

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サントドミンゴ教会入口から天上界のようなロサリオ礼拝堂にたどり着くには、まず、これらキリストの死体に向かわなければいけないのは、約束された天国にいたる道程への関門として死があるからかもしれない。

アステカをはじめメソアメリカが抽象的な表現で、カトリック美術が写実的な表現と対照的ではあっても、どちらも偶像表現が生贄と関係していることは共通している。かつて、世界を維持するためにおびただしい生贄を必要としていたのが、キリスト教ではイエスがその役を一身に引き受けてくれることになったのだろうか?

植民地時代のお仕着せとはいえ、独立後もこうしてカトリック教会に熱心に人々が詰め掛けるのは、贖罪という意識よりも、民族的な情念や存在の不安、死生観の文脈にキリスト教の教義や美術が読み込まていったからかのように思える。

このむごたらしい死体と向き合えば、儀礼に於いて実際の殺戮を目の当たりにしなくても、平穏な日常を約束された気分になれるのだろうか? いずれにしても教会が、地元の人々の心のよりどころとして機能しているのは、宗教が単に困った時の神頼みや、縁起担ぎではなく、義務や慣習でもなく、かといってファナティックなものでもなく、人々の人生に溶け込んでいる様で理解出来る。

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ウルトラバロックの教会で最も有名なプエブラのロサリオ礼拝堂(上画像)は1611年竣工のサント・ドミンゴ教会の聖堂に増設する形で1690年頃に完成を見たらしい。

八角形のクーポラがケーキみたいで、プエブラ料理のチョコレートソースや生クリームを思わせる甘いテイストの外観にふさわしく、堂内もまた聖母子や聖人、天使たちのかわいい造形と金や白を基調としたクリーミーな色彩による過剰装飾で知られるが、あいにく修復中(誰も修復作業してなかったけど)。堂内に直接入ることは出来ず、礼拝堂と連結したサント・ドミンゴの聖堂内から眺めるだけだったのが残念。

それでも礼拝堂に向かってシャッターを切った時に、広場の鳩が礼拝堂天井の中心に表された聖霊としての鳩と同じポーズをとってくれたのは嬉しい驚きではあった。

その本堂であるサント・ドミンゴはロサリオ礼拝堂のような土着化した様式ではなく、まだ厳格なスペインバロック様式が残り、堂内に入るといきなりリアルな十字架上のキリスト像が迎えてくれる(下画像)。クリーミーな天上界イメージのロサリオ礼拝堂とはえらい違いだ。

身廊奥には黄金の大型祭壇衝立があり、さらにその両脇にも同じ規模の祭壇衝立がある。ロサリオ礼拝堂内は、この厳格な堂内を奥まで進み左に曲がったところから柵越しに眺めるのみだった。


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