おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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いくら東博の常設展示といっても、日本絵画なら、寺院の寄託作品も合わせれば、京博も負けてはいないし、仏像は奈良博の方が見応えがある。多くの文化財に囲まれた古都の博物館の強みというもの。しかし、東洋美術のコレクションとなると、東京はかつて帝都だっただけあって、古都の博物館ではかなわない。

画像のような中国西域(シルクロード)の仏教壁画の展示品は、壁画の一部をはがした物なので、結果として不定形な画面とトリミングが、仏教美術の構図を変容させ、抽象的なイメージを形成する。それがとても新鮮でカッコ良かったので、かつて、キャンヴァスにわざわざ石膏を塗って、このようにはぎ取った壁画のような下地をつくり、その上に模写を描いたものだった。

“菩薩シリーズ” <http://sugaft.com/bosatsuseries.html>の元ネタも、この画像と同じくベゼクリク石窟壁画の供養菩薩のひとつである。いろいろな壁画をサンプリングした結果、ベゼクリクの屈鉄線(鉄線描)と呼ばれる線描による、幾何学的でありながらも写実的な艶かしさを持つ精緻な造形感覚が、構成単位として最適だった。

ベゼクリク石窟は現地では撮影に何千円か取られるが、東博ではこの壁画も含め、常設なら一部展示品を除いて撮影自由なのがいい。まあ、所蔵品は共有財産なのだから当然といえば当然か。京博などは寄託品が多いから、こうはいかないのかもしれない。

それにしてもベゼクリクの壁画は、こうした小品まで手抜き無く丁寧に描きこまれているので驚く。ところで、菩薩の髪の毛は群青が塗られていたのを意図的に削り取ったように見えるが、金箔や金泥による彩色以外でも、わざわざそんなことするのだろうか。

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