おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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シカラといわれる高い塔を本殿に持つ北インド型のカジュラーホの寺院は、メール山(須弥山)を中心としたインドの宇宙観を造形化したものといわれる。そうした象徴的な意味は別としても、カンダリヤ・マハーデーヴァには“山”を強く感じさせられる。

ラクシュマナ(954年、右下)が大型寺院としての形式を完成させ、ヴィシュヴァナータ(1002年、左下)をへて、このカンダリア・マハーデーヴァ(1025年、上)が最も大きな寺院であることから、つまり、より大きいから“山”を感じさせるというだけではないようだ。

三つの画像を見て、下の2つはあまり“山”という感じがしない。バーダ(基壇)、開口部のバルコニーを含むガンディ(側壁)、シカラを含むマスタカ(屋根)の三層の構造が明快で、家(建築物)的イメージが比較的強いのだ。しかもガンディとマスタカの間のバルコニーが大きく、寺院中央部のアクセントとなり、屋根と側壁の区別をはっきりさせている。

それに比べてマハーデーヴァは各部のつながりがなだらかだ。アクセントとなるバルコニーが小さく、また小さいシカラがより多く集積するようにして大きなシカラを構成し、その結果、寺院全体として一塊の山並みに見え、上昇性の強い外観になっているのだ。

これが人に、“天高くそびえる山”という実感と感動を与えるのだろう。

また、カンダリヤ・マハーデーヴァは、屋根が高くなったからといって内部の天井が高くなるわけではなく、シカラをもつ本殿は高い吹き抜けなど無くて狭い。寺院入口から奥行き深く続く堂内は、石を積み上げた建築というより、岩山を穿った洞窟の感覚に近い。

中世ヒンドゥー教寺院は、完成の域に達したこの寺院において、古代の石窟寺院に先祖帰りしたかのように思える。その石窟の在処は現実の岩山ではなく、また山を象徴した建築物でもなく、山という実感を伴う巨大なオブジェの内部なのである。

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