おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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写真の像は、クリシュナがアルジュナ(右側で合掌している)に自らの神としての姿(多面多臂のヴィシュヌ)を顕現させるという「バガヴァッド・ギーター」の有名な場面を描いたもの。このテーマとしては、カトゥマンドゥで最も知られた彫刻だそうだ。

こうした、通常なら博物館に納まっているような重要な文化財が、現役の神像としてチャングナラヤンの境内にはごろごろしている。

ということでこのヴィシュヴァルーパ(宇宙神)としてのヴィシュヌもまた、例によって赤と黄の色粉で盛んに供養がなされている。その結果、この像もまた独特の色彩効果を生んでおり、誇張が無く、彫りも浅くておとなしめのこの時代(8~9世紀)の造形に、表現主義的な迫力を与えている。

特に美しいのが、中央でヴィシュヌの両足を両手で支える地の女神(ラクシュミー?)を取り囲む暈しの効いた赤。勿論偶然こうなったのだろうが、まるでオーラのような光彩に見える。

この男神の立像を女神が両手で支える形式って、どこかで見たことがあるなと思えば、平安時代に唐から請来した兜跋毘沙門天(東寺蔵)の足下と同じなのだ。

この形式がどこで生み出され、どのように中国に伝わったのか全く知らないが、とにかくカッコいいので印象に残っており、ここネパールでお目にかかれたのはうれしい驚きだった。

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