おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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“その1”とおなじくベジャス・アルテス2Fの回廊にあるシケイロスによる第二次大戦終結の年の作「ヌエバ・デモクラシア」(新しい民主主義、)。狭い廊下にあり、離れた距離から壁画全体を見ることは不可能。吹抜けを挟んで反対側の廊下から眺めてもアール・デコとアステカのミクスチュア様式の装飾をした柱に隠れて全体を見ることが出来ないし、これもまた最初から客観的な鑑賞など意図していないのだろう。鑑賞者は火山口から飛び出して覆いかぶさるような巨大な女性像を、のけぞりながら眺めることになる。

それにしても何でヘッドギアしてるのかと思ったら、これってフリギア帽らしい。ようするにドラクロワの「民衆を導く自由の女神」の女神が冠ってる解放奴隷の象徴で、従ってこれも自由の女神ということになる。なるほど衣服をはだけて上半身を露にしているドラクロワの自由の女神のその衣服を火山に置換えると……振りかざした握り拳といい、似てくるな。ドラクロワと大きく違うのは大地という地母神的属性の有無だろう。

ファシズムの台頭でボールチェーンの手枷を付けられ抑圧されていた自由の象徴が、ファシズム(右下で倒れるドイツ兵らしき像)を打ち倒して新しい民主主義として大地から生まれ出るという超劇画的わかりやすさ。その表情は産みの苦しみを表しているようにも見える。それに、この極端な短縮法で飛び出してくる表現は、ウルトラマンの変身シーンみたいでもあるし。

画材はフレスコではなくピロキシリンというシケイロスが独自に開発したものらしい。確かにフレスコのマットで淡白なテクスチュアはこの画風にはふさわしくない。テカテカの脂ぎった艶がぴったりくる。

こういうのって、日本人の感覚からは遠いように見えてその実、画面からはみ出る大胆な構図に障屏画と共通するものを感じる。短縮法はともかく、これが女神でなく龍や大樹、奇岩や道釈人物であればさほど違和感無いのでは。

また、これだけオッパイが目の前にドカーン!という構図も珍しい。乳房が公の場に出ることを不快に思う北隣の某合衆国ではあり得ない。しかもここはメキシコで最も格式の高い劇場の廊下、ホールではクラシックコンサートやオペラ、メキシコ民族舞踏が上演されるが “その1”と同様画面からはヘヴィなロックが轟音で鳴り響いてくるようだ。

セクシーでワイルドなダイナミズムと大衆性、ロックミュージック誕生以前のロック的表現はメキシコにあった。

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