おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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ミサの時間になるとマリア像のケースの廻りの薄暗い空間に数カ所小さな電飾が灯り、何ともいえない荘厳かつレトロフューチャーな感覚におそわれる。蝋燭でもネオンでもないその薄蒼い光は、この祭壇衝立をよりメカニカルなイメージに近づけた。

そもそもこの衝立の装飾にはバロック様式につきもののソロモン柱と呼ばれるねじれた柱もなく、植物文の有機的な形も抑制された硬質でメタリックな印象が強い。聖人や天使の彫刻はかなり写実的なので無機的な装飾部分とははっきり区別がつく

本尊のマリアは8頭身でプロポーションが他の人体彫刻より頭が小さく作風が異なるように見えるが,天使像とは顔が似ている。祭礼で山車に乗って町を練り歩く本尊は、室内装飾との関係によるプロポーションの制約(この場合頭でっかちになっている)から無関係でいられるのだ。

印象的なのはいかにも古めかしい装飾のガラスケースの天蓋とは対照的な星形デザインの光背だろう。衝立の後にはカマリンと呼ばれる小堂があり、その部屋の窓からの光がガラスケース背面を明るく照らしている。そうして出来た星形のシンプルなシルエットは異質で、ゴチャゴチャした衝立装飾に囲まれた聖母をシャープに引立てている。

マリアが紅白歌合戦の某演歌歌手にも見えたりするし、ガラスケースが大きな水槽にも見えたりするアトラクティヴかつ神秘的な演出は、見世物小屋の持つ如何わしさがある。この祭壇衝立を埋め尽くす装飾の金色にしても成金趣味の卑俗なイメージがあるし、電気仕掛け,機械仕掛け的感覚は宗教を俗物化しているように見えるが、それは欧米文化的近代社会に生きる人間の偏見に過ぎない。むしろその卑俗なイメージに何か本質的な聖なる異臭を強く感じないだろうか。

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