おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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東側北翼のかなり念入りな仕上げと、未完成で、かなりラフな仕上がりに見えるデヴァターの対照的な2体。


左画像は北東角の隅塔の外壁で、主要な場所のデヴァターと少しも引けを取らないゴージャスな出立ちなのに、何とも愛想のない表情とポーズが笑える。殆ど棒立ちで、申し訳程度に大きな花の蕾を持つ。しかもこのデヴァター、こんな格好しているのがよっぽど退屈なのか、だらりと下げた左手の中指を無意味に折り込んだりして、なかなか小技が効いている。

アンコール・ワットの典型的な一揃えの衣装を身にまといながら、その正装に見合った公的な笑顔や振舞いを止めたような、楽屋裏でボーっとしている踊り子の様子を描写したような、プライベートな雰囲気が漂う。


右画像は “その2” 左画像と同じく正装とは正反対の半裸状態だが、こっちは発達した顎といい,乳房のない胸といい、男みたいで、回しをした力士に見えてしまう。髪の毛や腰布の細部の彫りが一部だけなのを見ると,やはりまだまだ未完成でこれから女性的に可愛くなってゆくところだったのかもしれないが、胸にかざした左手のとんでもない指の表現はどうやったて直せそうにない。

この指の表現は、味方によってはピカソの先取りに見えないこともないし、単にヘタなのではなく確信を持ってこのように表されたのかも知れない。とすると完成したらどれだけアヴァンギャルドなデヴァターになっていたか見てみたかった気もする。

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