おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

チャウ・サイ・テボーダには、アンコール・ワット壁面に夥しい数見ることの出来るニューモードのデヴァター(女神)と、それ以前の寺院に見られるトラッドなデヴァターの両者が併存する。

画像はそのチャウ・サイ・テボーダのデヴァターたちで、両端が新型で中央のが旧型。一目で新型はゴージャス+セクシー系にヴァージョンアップしているのがわかる。特に上半身の豪華な装飾性が目につくが、上半身は基本的に旧型と同じで,旧型のコスチュームにデコレーションをゴチャゴチャくっ付けたに過ぎない。

むしろ、本質的な違いはデヴァターのプロポーションと、下半身のコスチュームにある。

左と中央の画像は、顔つきや特徴的な肩の表現から見て、よく似た作風であることがわかる。だから、それだけにバストサイズの違い(2サイズくらい?)と、旧型=約6.5頭身、新型=約7.7頭身という1頭身以上のプロポーション差が目立つ。

これは日本でいうと、高度成長期に育ったお母さんと、豊かな時代に育ったその娘ぐらいの体格差だろう。いや、実際にカンボジアは11〜12世紀にかけて、それだけ急速に豊かになったということなのかもしれない。

だからこれって、母娘二世代のデヴァターを表しているのかも。

下半身のコスチュームにしてもそうだ。今時中央画像のような、プリーツの細かく入った厚手の生地のスカートなど制服以外では見かけない(基本的には前時代のバプーオン様式に近いが、このプリーツの厳格な直線性にはもっと古い印象を受ける)。かたや左画像は、フリルのついた足が透けそうな花柄入りの薄手の生地(実際アンコール・ワットのそれは足のラインがはっきり見える)。やたらとフェミニンで現代でも通用しそうだ。体格だけでなくモードまで戦後ニッポンの変遷と似てないだろうか。

そして、造形上決定的なものは、そのニューモードのスカートから左右に垂れる、それぞれ形状の異なる帯である。左側の折り畳んで垂らした,膝までの長さのものと、右側の、腕に掛けないと地面につく程細長いもの(左画像では欠損)。この両社の形状の違いは、それまでのデヴァターの左右対称な直立スタイルに、非対称な要素を持ち込むことになった。

つまり、旧型の直立で厳格な守門神的ポーズに、柔らかでフェミニンな表情が加味されたのだ。右画像の新型は、そうした方向をより発展させたものだ。保存状態が良くないにもかかわらず、左画像のそれより洗練されて見えるのは、非対称なスタイルにふさわしく、身体をわづかにS字にくねらせた柔らかいポーズをとっているからだ。これは左手に帯を掛けているため、自然に左肩が下がり,腰の左側が上がるからで、コスチュームとポーズの関係の密接さを示してもいる。

直線的でスクゥエアな造形から曲線的で優美な造形への移行。彫りも、左の2点に比べて右画像は若干浅くなり(その分、顔の彫りも浅く、乳首の先が立体的に表されていない)、彫像的なモニュメンタリティーから絵画的な動勢と軽やかさへと移行しており、ここにあのフェミニンでゴージャスなアンコール・ワット型デヴァターの基本型が完成されたといえそう。

全1ページ

[1]


.
sug**uto
sug**uto
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
検索 検索

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事