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宮女としてのコスチュームフル装備の左4体と、楽屋の一幕といった雰囲気の右2体の対照的な組み合わせのコーナー。
直角にそれぞれの壁面が交わる形ながら、これら4体と2体はそれぞれ同じくらいの背丈で肩の高さもきれいに並んでいる。そんな中、その4体の内右から3体目だけ少し体を浮き上がらせるかのように右肩をいからせ、この4体の水平に並んだ肩のラインにアクセントをつけているのが目につく。
型からはずれたポーズなので、人体表現としてこの1体だけ稚拙さが目立つが、単調な画面に変化をつけるという趣向なのだろう。
右側のペアの内の左側の1体も頭飾を付けない髪に手をやる変則的なポーズ、身体の線にそうように下げた右手は意味をなさないし、左右の肩幅が極端に違う。やはり習熟した類型的なポーズでないものだと、いきなりデッサンが狂ってしまうようだ。
このペアの表情からすると、いじける左側に対して右のデヴァターが励ましているように見える。それにしても、肩にかけた手の親指だけが立っているのはスゴく気になる(画像下中央)。きっと何かのサインに違いない。
こうした意味深なポーズは、宗教図像学的に解釈出来ない当時の人でないとわからないジェスチュアなのかもしれない。
いずれにせよこのエリアの彫工達は、こうした人体表現の均整が崩れるような危険を冒してでもオリジナルなアイデアを競い合って、内庭を訪れる人々の目を楽しませたようだ。
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