おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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メキシコ国立人類学博物館のテオティワカン室には、胴部に穿たれた四角い穴に小さな土偶を内蔵した不思議な像があるが、テオティワカン遺跡にある博物館のそれはもっと奇妙だった。

頭は後頭部が無く、お面のように目がくり抜かれ、手首、足首から先も元から無いようだ。あぐらではなく女座りで、おまけに内蔵土偶は四角い穴ではなく蓋というか扉側にある。

メキシコ国立人類学博物館の “土偶を内蔵した土偶” を、より一層複雑で深化させたアイデアによるこの小さな像には、引き込まれそうな魔力がある。

胴部がパックリ開いて中から何か飛び出すという、ロボット的シチュエーションでありながらそのように見えないのは、メカニカルな解体操作ではなく、人体を解体、加工する文化を持つが故のリアリティーがそこにあるからなのかもしれない。

だからこの像も、生贄で剥がされた生皮のイメージをそこに見てしまい、生理的なショックを受ける。外皮を残して人間の中身を空洞にし、外皮に包まれた自己意識を取り払うことによって立ち現れる、日常では意識しないもっと本質的な存在のイメージ(=内蔵土偶)を表現したのだろうか。

凄惨な儀式から立ちのぼる人間存在のリアリティーは、漫然と日常を過ごす現代の私達には計り知れない何かを訴えかけてくる。

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