おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

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端正で親しみやすい良い子系の “その1” のデヴァターとは対照的なこの2体は、神秘的な雰囲気がとりわけ印象的だった。

均整のとれた表現様式が確立されると、その均整を崩すことで神秘的な表現が可能になる。マニエリスムは意図的にそうすることで異様な雰囲気をつくり出しているが、この2体はどうなんだろう。単に下手で均整が崩れているのか、それとも確信犯なのか?

写実的な再現力の不足と、保存状態の悪さからくるイメージの曖昧さが幻想的な雰囲気をつくり出した左画像は、ポーズのあどけなさも加味されてフェアリー系といったところ。頭飾の尖塔が、まるでシダかなにかの生きた植物みたいで、頭と一体化しているように見えるのも、精霊的イメージに貢献している

右画像は、縦に長く引き延ばされたプロポ−ション(オッパイも縦長)と、口元と目尻が大きく裂けた顔がいかにも凶悪そうな魔女的イメージ。右手に持った造花が魔法の杖に見える。さらに両サイドに垂れる頭飾が蛇のように見えてきて、メドゥーサをも彷彿とさせる。技術的に周到なだけに、こっちは確信犯的な造形だろう。

アイテムとしては、オーソドックスなアンコールワットのデヴァターのものと全く変わりはないのに、ちょっと均整を崩すことでこうも雰囲気が変わる。同じ制服姿の優等生と不良の違いみたいなものかもしれないが、なかなかどうして、触った人々の手あかと脂で黒光りする胸部を見ればわかるように、不良も良い子に負けない根強い人気があるのだ。

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