おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

日本編

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“その1”と共に、大谷探検隊が持ち帰ったこの画像の作品もまた、小品の為か同じべゼクリク石窟壁画の中でも、とりわけ繊細な画風を示している。シルクロードの壁画で、これほど緻密な表現は珍しいと思う。ここまで来ると壁画というよりミニアチュアに近い。

この作品の状態は“その1”ほど“抽象的”にはなっておらず、切れ長の眼を持つ端整な顔立ちの人物描写が魅力的だ

両画像の人物は、装飾帯(右画像左側のもの)を中心に背中合わせに描かれているが、この装飾帯は2つの「誓願図」の境界にあたり、本来はそれぞれ別の画面で、その中央に仏陀(釈迦以前に解脱した過去仏)立像が大きく描かれていたはずだ。左画像左上にある-大きな手や、右画像右上の光背がそのなごりである。

「誓願図」というのは本生譚(釈迦の前世の話)を主題にしたベゼクリク石窟の一連の壁画で、大きな仏陀立像を中心に、その廻りを菩薩や比丘、貴人が囲む構図。左画像では甲冑に身を固めたハンサムな貴人が、前世の釈迦なのかもしれない。過去仏に向かって座して合掌し、後に控えた比丘(剥落して見えなくなっている)に自分の長い髪を剃髪させている。

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いくら東博の常設展示といっても、日本絵画なら、寺院の寄託作品も合わせれば、京博も負けてはいないし、仏像は奈良博の方が見応えがある。多くの文化財に囲まれた古都の博物館の強みというもの。しかし、東洋美術のコレクションとなると、東京はかつて帝都だっただけあって、古都の博物館ではかなわない。

画像のような中国西域(シルクロード)の仏教壁画の展示品は、壁画の一部をはがした物なので、結果として不定形な画面とトリミングが、仏教美術の構図を変容させ、抽象的なイメージを形成する。それがとても新鮮でカッコ良かったので、かつて、キャンヴァスにわざわざ石膏を塗って、このようにはぎ取った壁画のような下地をつくり、その上に模写を描いたものだった。

“菩薩シリーズ” <http://sugaft.com/bosatsuseries.html>の元ネタも、この画像と同じくベゼクリク石窟壁画の供養菩薩のひとつである。いろいろな壁画をサンプリングした結果、ベゼクリクの屈鉄線(鉄線描)と呼ばれる線描による、幾何学的でありながらも写実的な艶かしさを持つ精緻な造形感覚が、構成単位として最適だった。

ベゼクリク石窟は現地では撮影に何千円か取られるが、東博ではこの壁画も含め、常設なら一部展示品を除いて撮影自由なのがいい。まあ、所蔵品は共有財産なのだから当然といえば当然か。京博などは寄託品が多いから、こうはいかないのかもしれない。

それにしてもベゼクリクの壁画は、こうした小品まで手抜き無く丁寧に描きこまれているので驚く。ところで、菩薩の髪の毛は群青が塗られていたのを意図的に削り取ったように見えるが、金箔や金泥による彩色以外でも、わざわざそんなことするのだろうか。

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