おるたな美術館

旅先で出会った東洋美術、西洋美術

ネパール編

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スワヤンブナートその3

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カトマンドゥ盆地の2つの大きな仏教寺院、スワヤンブナートとボーダナートはとても対照的だ。

前者は山上の境内に、数多くの仏塔、土産物や供物を売る店、祠堂、僧院、博物館等が所狭しと並ぶ雑然とした雰囲気であるのに対し、後者は小高い丘の広い敷地中央の巨大な仏塔が曼荼羅構造をなし、その他の施設は広い空間を隔て、周囲を取り囲むようにして建てられているという整然とした配置。

中心に“ブッダの眼”が描かれた巨大な仏塔があるという基本的な構造は変わらないのに、その景観は大きな違いがある。スワヤンブナートは現在の伽藍配置に至るまでの、紆余曲折の歴史を伺わせる。

写真左下は、寺院の山を越えた裏側。経文や仏像が描かれたタルチョと呼ばれる旗が、万国旗のようにはためく。その長さは百メートルを有に越えているようだが、一体何メートルあるのだろうか。

スワヤンブナートその2

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長い石段を上ると、正面には境内の中心に位置する大きな仏塔の西正面に出る。参拝者はこの仏塔の周りにずらりと設置された、筒状のマニ車を回しながら右廻りに一周する。マニ車は一回転させるだけで、中に入っているマントラ(真言)が書かれた経文を全て唱えたことになり、それらを順に回しながら仏塔を一周することは、大変な功徳を積んだことになるらしい。

普段、仏像の写真は撮るが、手を合わせない不信心者の私も、これはお得とばかり一周してしまう。それにしても、不信心な衆生のこすい欲得心を逆手にとり、信仰に引きずり込む密教のバイタリティーはすごい!?

仏塔を半周回った東側は灯明やお香の煙でいつも煙っている。左の写真は、そこの祠に祀られたターラー(多羅菩薩)。手前の六芒星は、男性原理(火、上向きの三角)と女性原理(水、下向きの三角)の合一を示した密教のシンボル。最もポピュラーなマントラ “オーム・マニ・パドメ・フーム” の “マニ・パドメ” も同じく、“蓮華(女性性器)の中の宝珠(男性性器)” を意味し、宇宙の真理をあらわしている。

この六芒星越しに見る菩薩のたたずまいが気に入って、今年も会いに行ったのだが、あいにく今回は灯明のすすで覆われていて、4年前の面影は微塵もなかった。信仰が篤いと仏像は真っ黒になるのだ。この写真を撮った前回は、たまたま掃除した後だっただけなのだろう。

右の写真は、丁度一周回り終えたところ。右下に見えるのがマニ車。最後は真鍮製のネパール国旗が締めくくっている。さすが金工の盛んなネワール文化、旗まで金属製か。しかも鳩除けなのか、ただでさえ鋭角的な形の旗なのに、トゲトゲまで付いて強烈な存在感。

スワヤンブナートその1

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スワヤンブナートは、カトマンドゥ盆地西の山上にある大きな仏教寺院。

ここの境内に足を踏み入れると、妙に懐かしい気分にさせられる。子供の頃、祖母に連れられて、長い石段を上って参った日本の寺を思い出すからだ。ところが、具体的に何処の寺なのかは思い出せないし、また、スワヤンブナートが日本のどの寺に似ているのかといわれても困ってしまう。

“幼い頃、祖母に連れられて行ったお寺” としかいいようがない、何か私をなごませる、雑多で活気に満ちた子供の頃の “日本の寺のイメージ” がここにはある。

写真上、長い石段の中腹のすぐ脇でくつろぐ猿の親子。人に餌をせがむわけでもなく、人間とのスタンスがうまく取れているように見えた。

写真左下、私は数ある仏陀の図像中、東南アジアでよく見られる仏陀がとぐろを巻いた蛇の上に座し、蛇の7つの頭が仏陀の背後を覆っている “ナーガ上の仏陀” が一番好きで、そのせいか、この仏塔に彫られた四仏の内、その “ナーガ上の仏陀” に似た不空成就如来にどうしてもシャッターを切ってしまう(しかも眉毛のある蛇にピントが合ってるし)。

“ナーガ上の仏陀” は、釈迦が瞑想中に雨が降ってきたので、ナーガ(蛇)族のムチリンダ龍王が鎌首をもたげ、釈迦の傘がわりになったという仏伝中の逸話から来ている。従って本来は、禅定印(座禅する時の手のポーズ)を結んだ釈迦如来なのだが、ネパールの仏塔に彫られた金剛界の四仏では、不空成就如来のみが後頭部に七頭の蛇を従えている。

それにしても、通常7つの頭は首を広げたコブラで表されるところ、こちらは芋虫みたいになっているのが、いかにも “お地蔵さん” 的な民間の作らしくてかわいい。

写真右下は、銘文の刻まれた石碑。白い絵具による “ブッダの眼” がおちゃめで、“ぬりかべ” か “いったんもめん” みたいな妖怪に見えたりする。

パタンその5

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パタン王宮から南へ少し歩いた所にある、通称ゴールデンテンプルと呼ばれる仏教寺院。レンガの壁以外の建造物や装飾品が、全て金メッキや真鍮製の金色の金属でおおわれているのでこの名がある。

仏教の不殺生の教えから革製品の持込が禁止されてるようで、中庭へは革製品を身につけて入ってはいけないと、ガイドブックでは書かれているが、警備員に聞くと”No problem.”。そこで革製のサンダルを履いたまま数分間、中庭をうろうろしていたら、さっきの警備員が“ボーサン、ボーサン”と小声で囁きながら小走りに近寄って来た。

何の事かわからず警備員の視線の先を見ると、僧侶が中庭に向かってくるのが見えた。彼は“坊さん”と日本語で言っていたのだ。ようするに、坊さんに見つかると怒られるからサンダルを脱げということらしい。それなら最初からサンダル脱がせろよ!と思ったが、面倒な事はさせたくないという、警備員なりの観光客への心使いだったのかも。

ここでは彫刻も、建材と同じく金属製の物ばかり。いろんな種類の動物や仏像を建造物の至る所に見ることが出来て飽きない。

鷲と獅子を合成した、西アジア起源といわれるグリフィン系の神獣が、襲いかかるようなポーズで、日本の寺社での狛犬にあたる役割を果たし、その背後でサイボーグのような菩薩(ポーズは持蓮華菩薩だが、守門神かな?)が控えている。また、真鍮製の屋根では仏陀の頭部らしきものが、鬼瓦役を努めていた。

パタンその4

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パタン美術館の収蔵品でシッディラクシュミーとともに好きなのがこのハヌヴァイラヴァ。ヴィシュヌ神の化身とされるラーマの魔王退治を助ける猿神ハヌマーンと、シヴァの畏怖相ヴァイラヴァの合体神。

確かに普通のハヌマーンより凶暴そうで、シヴァ神の額にある第3の目もある。頭頂のハヤグリーヴァ(馬)は、やはりヴィシュヌの化身。これらの特徴は日本の変化観音の一つ、馬頭観音の図像とも共通している。

最も気に入ったのは、ハヌヴァイラヴァを足下で支える像。密教神(尊)に踏みつけられる人間は、たいてい小さく弱々しい感じで表される中、頭蓋骨杯を片手に、かなり無理にからだをひねったこの像は独創的で、しかも主神と同じ体格を持ち、堂々としている。

踏みつけられているというよりは、下で支えるという力強さが感じられ、バランスをとる為に添えられた草葉も洒落たアクセントに。そして、それらが全体に独特のテンションを創り出している。

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