杉原 桂@日本小児東洋医学会評議員のブログ

日本小児東洋医学会を通じて、代替医療と西洋医学のバランスを!

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新小児科学大系14B p139
(iii)夜驚 night terror, pavor nocturnus:睡眠中急に起き上がって助けを求めるような叫びをあげ、ふとんの上で暴れるか、走ったりする.顔はおびえた強い不安感を示し、呼吸の閉塞感があり、心拍数、呼吸数は増大する.発汗が起きる.なかなか覚醒させがたく、覚醒させても、こわかったとしか内容を思い出すことはない.これは睡眠の第3・第4段階に起こるという.夜驚はある時期に集中的に起こり、やがて消失する.昼間のできごと、不安、葛藤などとの関係は見いだされていない.たぶん成長過程の中枢神経の成熟障害であろうと考えられている.59)

59) 大熊輝雄:睡眠の臨床.医学書院,東京(1977)

前の二つと比べると、使う言葉が少し科学らしく?なってきました(^^ゞ
夜驚症ではなく、「夜驚」という言葉で使われています.
私たちは概念をとりあつかうとき、言葉でやりとりしていますが、実はおたがいに違うものに同じ言葉をあてはめたり、同じものに違う言葉をあてはめたりして情報のやりとりをすることが多いようです.
言葉は通じない.言葉はコミュニケーションの手段としてまだまだ未発達のようです.
その点、数学の言葉(=数式)はわりと間違いがないように情報伝達できますね.
言葉でも言語によって厳密性が違うようです.国際条約などがフランス語でかかれるのは、英語よりも言語としての厳密性が高いからだ、とどこかで聞いたのですが本当かな???

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新小児科学大系14B p131
b.泣きcrying
1)日暮れ泣き
2)夜泣き
夜級に目ざめて激しく泣きだす減少.抱きあげることで泣きやむこともあるが、抱いて揺すらなければいけない、戸外にでなければ泣きやまないといった激しい例もある.
 松島は34)夜泣きの139例を調査し、生後6ヶ月ごろより急に増加し、満1歳ごろまで存在するといい、誘因として不明28%、過剰養護(かまいすぎ)28%、外気浴不足14%、特別の経験11%、離乳の遅れ8%、暑さ6%などの数値をあげている.
 また竹内らは35,36)38人の夜泣きをくわしく調べ、重症が約40%であり、23時から3時のあいだに多く、父母と子ども1人の構成に多く、おんぶやだっこのさい揺することが多い郡に発症していると述べている.
 症状が消失した理由と思われるものを一般誌37)の記事からとりあげてみると、はいはいがはじまってから、ハリを行ってみた、家族全員同室で寝てみた、抱き上げずに叩いていた、放っておいたなどがあった.夜泣きの原因を探すのはなかなかむずかしいが、つとめて反省を行ない、昼間は戸外での刺激を十分に与え、生活の流れをととのえることが大切なのであろう.

34) 松島富之助ほか:乳児期の夜泣きの調査研究.小児科診療 31:64(1968)
35) 竹内政夫ほか:夜泣きについての1調査.小児の精神と神経 22:73(1982)
36) 竹内政夫ほか:小児の睡眠異常とくに夜泣きと夜驚について.臨精医 4:1085 (1975)
37) 泣く子、寝ない子.主婦の友社, 東京(1980)



今度は夜泣きという単語で見つけました.
残念ながら、きわめてエッセイ的な文章にみえます.
松島の分類もMECEの分類になっておらず、この時代の平和な小児医療が微笑ましくも思えます

「MECE(ミッシー)」とは"Mutually Exclusive collectively Exhaustive"のことで、「 それぞれが重複することなく、全体集合としてモレがない」という意味です.詳しくは書籍「ロジカルシンキング」を参照されたし.

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新小児科学大系13E p294
f.夜驚症 night terror, pavor nocturnus および夢中歩行 sleep walking, somnambulism
いずれも成人より小児によくみられ、睡眠障害によるものである.同様の状態が複雑部分発作(精神運動発作)にみられることがあり、鑑別を必要とする
1)夜驚症
徐波睡眠期 stageIVにみられる.47,48) 夜間突然に寝床の上に起き上がり、恐ろしい幻影を見ているかのように恐怖の表情を見せて大声で泣きわめいたり、泣き叫びながら家の中を駆け回ったりする.持続は1〜2分以内である.発汗、瞳孔散大、頻脈、多呼吸などの強い自律神経症状がみられる.はっきり覚醒せず、ふたたび入眠する.翌朝になっても夜間の発作をほとんど記憶していない.年齢は5~7歳に最も多く、また男児に多い.成人にもみられるが、本質的には小児のものと同じであり、少数例であるが4〜6歳の小児期にはじまり20〜25歳までつづいた症例があるという.夜驚症と夢中遊行が同一人にみられることも多い.48)
発作時のポリグラフによる観察によると47 48)、脳波は徐波睡眠から突然筋電図を混じた arousal pattern に変化し、眼球の動き、頻脈、不規則な多呼吸が観察される.発作時および発作間欠期ともにてんかん性発作波の出現はない.
 夜驚症と同様の症候を示すものに、悪夢、夢魔 nightmareがある.賦活睡眠期 rapid eye movement sleep(REM)に起こり49,50) 不安、恐怖の夢の体験であり、そのためしばしば覚醒し、またその悪夢をはっきり記憶していることが多い.小児、成人の全年齢を通じてみられ、夜驚症より多い.自律神経症状はきわめて少ない.
 夜驚症、悪夢ともに精神障害を伴っていることはまれであり、成長とともに数年内には消失するので、特別な治療は必要としない.親に十分説明して安心させることが大切である.成人では心理学的対応が必要になることがある 50). また成人の夜驚症においてジアゼパム diazepamの投与により、stage IV の睡眠期を減らし有効な場合があるという.

47) Gastaut, H.&Broughton,R.J.:A clinical and polygraphic study of episodic phenomena during sleep. In ; Recent advances in biological psychiatry (ed. by Wortis,J.), vol.7,p.197~221,Plenum Press, New York (1965)
48) Fisher,C.,Kahn,E.,Edwards,A.& Divis,D.M.:A psychophysiological study of nightmares and night terrors. I. Physiological aspects of the stage 4 night terrors. J.Nerv.Ment.Dis.157 : 75(1973)
49)Broughton,R.J.:Sleep disorders; Disorders of arousal ? Science 159 :1070(1968)
50)Kales,A. & Kales,J.D.:Sleep disorders ; recent findings in the diagnosis and treatment of disturbed sleep. N. Engl. J. Med. 290:487 (1974)
51)Fisher,C., Kahn. E., Edwards, A. & Davis, D.M. : A psychophysiological study of nightmares and night terrors, the suppression of stage 4 night terrors with diazazepam. Arch. Gen. Psychiatry 28: 252(1973)


まだ、引用文献を全て読んでいないのですが、5~7歳に多いとありますね.
はたして、私たちは夜驚症という言葉ひとつとっても、同じ病気、同じ状態のことを議論できるか怪しくなってきました.

ここでの疑問
夜泣きと夜驚症はどう違うのか.
研究のターゲットは夜泣きにしたいが、同じならば夜驚症でもOK.
問題はどうやって病態としての「夜泣き」を定義するか.夜にないたら何でも「夜泣き」というのではなく、他の痛み、苦しみを伴う合併症を除外する必要があります.

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僕らワーキンググループの目的は何でしょう?

大目標としては世界中の医師に漢方という道具を広める事.
中目標としては日本人小児科医に漢方処方という道具を与えること
小目標としては、インフルエンザへの麻黄湯投与を日本の標準治療にしていくこと、夜驚症について漢方処方が標準治療にしていくこと

などと勝手に考えました.(^^ゞ

今のテーマは麻黄湯をインフルエンザに、活用していくこと(これまでのデータでは、タミフルと同等の効果がでています.もしかしたら、鳥インフルエンザにも効くかも!)
もうひとつは夜驚症、夜泣きという西洋医学では手段をもたない病態について、小児科医が漢方と言うツールを活用できるようになること
を考えております.

漢方薬の特性を生かした臨床検討について議論中です.
背景として、証にもとづく臨床検討を支える知見が必要だというところまでは合意に達しています.
しかし、これがまたうまくいかない.

まずは、太陽病期というものの定義づけなのですが、

西洋医学者からの反論としては
・発熱初期とはいつまでなのか
・発汗のあるなしはどこで境目にするのか
・元気があるとはどう定義するのか
といったことが予想されます.

完璧を目指す必要はまだないのかもしれませんが、
あくまで西洋医学の土俵で勝負するというのなら、この部分の理詰めが
不可欠でしょう.

とりあえずの方策として
・発熱初期とはいつまでなのか
発熱が発見されてから12時間以内(???議論の余地あり!)

・発汗のあるなしはどこで境目にするのか
室温23度、湿度Xにコントロールされた、診察室内で、視診にて発汗を確認した場合.

・元気があるとはどう定義するのか
自分の足で歩いて診察室に入れる患児(??曖昧だなあ)

などといった指標も考えられます.

といった苦しい説明になってしまいました...
これではRCTはまだまだ遠いな..

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