|
震災の俳句をまとめてみました。
――東日本大震災――
〇被災地を見守り支援する立場から
今瀬 剛一氏 「俳壇六月号」俳壇時評 ―震災と自問他答の形式―
「震災翌日から茨城県内を取材―悲壮感に陥らずまた、相手を傷つけず、心かk
の見舞いと勇気を与える切っ掛を作ることを心がけた。自問自答の形からー
自問他答の形へ、多くの読者が答えるように呼びかける。俳句はその意に適う
形式である。」
彼岸墓参父を踏み母を踏み 今瀬 剛一(俳壇七月「ふるさと」より)
神は手をこまねいてをり落椿 〃
春窮や復興は船叩き割り 〃
水を出し葦の角なり希望あり 〃
○「励ましの一句」俳句五月号特集より
津波のあとに老女生きてあり死なぬ 金子 兜太(埼玉県)
たんぽぽやかき消えし日の甦り 深見けん二( 〃 )・
被災、避難、ボランテアの話に心痛し励まされる。俳句は眼の前にあるものをそのまま詠み、被災地のために祈りを捧げるしかない。
たんぽぽや水も傷つく大津波 落合 水尾( 〃 )・
言葉もない、水さえ傷ついてしまった。命を希望の灯として進まなければならない。歩一歩、不屈の一歩に復興の光を、そう念ずるのみ。
救助ヘリ少年を吊り春空へ 奈良 文夫( 〃 )・
テレビ情報から、人間の生きる力、助け合う姿、危険を顧みない救助な ど、余震に怯えつつこれらの人々にむしろ励まされ続けた。
冴返るこの合掌を如何せん 廣瀬 直人 (山梨県)・
これだけしか言えないと言う今の気持ちです。亡くなった方への追悼、被災者の日常が一日も早く戻ることを切に願います。
日本列島祈り一つにさくら待つ 渡辺 恭子 (武蔵野市)・
避難所から双葉町の会友は息子に電話で投句を依頼してきた。土壇場に置かれた人間の不屈の気力を支える俳句に心が震えた。
身ひとつ命ひとつの温みかな 山上美樹雄 (大阪府)
大阪大空襲で家を失い、温かく迎え入れてくれた親戚の顔を思い出す度に感じるのは、災害から救われた人間の命の自覚であった。
〇被災地の作品
宮城県― 高野ムツオ氏(小熊座主宰)
「ユートピアを取り戻すために、何をするか、何を表現しようとするかの 問題 たった十七音の俳句だが、盛り方は無限にある。その自由と可能 性を模索」
四肢へ地震ただ轟轟と轟轟と 俳句五月号「春の虹」二十一句より
春光の泥ことごとく死者の声 〃
車にも仰臥という死春の月 〃
鬼哭とは人が泣くこと夜の梅 〃
陽炎より手が出て握り飯摑む 〃
瓦礫みな人間のもの犬ふぐり 〃
ヒロシマ・ナガサキ・そしてフクシマ花の闇 俳壇六月「以後」
かりがねの空を支える首力 俳句十二月「首力」
めつむれば見えてくるもの冬怒涛 俳句十二月
・青森県 津波寄せくる山底の冴えかへる 辻 桃子 俳壇六月
・宮城県 この廃墟日本にあらず春満月 菅原 鬨也 〃
・福島県 火を創るは神の領域萬愚節 八牧美喜子
永瀬十悟 角川俳句受賞作品「ふくしま」より
雁風呂と名付けて六日振りの風呂
牛虻よ牛の泪を知ってゐるか 〃
騒がねば振り向かぬ国ひきがえる 〃
避難大事恋も大事やチューリップ 〃
その他
肉を出て肉声となる声涼し 宇多喜代子 俳句九月
夏夕焼授乳の母を円心に 〃
立ち上がるひとの力や雲の峰 西宮 舞 俳句七月
断崖に身を反りてわが列島は 〃
十万年のちを思へばただ月光
忘れ雪などとは言へぬ大津波 山崎 十生 俳壇八月 ハマオカになるな疾走する舟虫 〃
もろもろの命の瓦礫青焚火
雀隠れの雀よそこは気を付けて 正木ゆう子 俳句九月
帰路歩む人々の黙春大地震 星野 光二
叫ぶ名の絆重しや除夜の鐘
|
全体表示
[ リスト ]




転載させていただきたいと思うのですが。
よかったら転載可にしていただけますか。
OKのとき、ゲスブへ連絡いただくとありがたいです。
2012/2/10(金) 午後 7:19 [ moriizumi arao ]
多くの方に読んでいただきたくブログに掲載しました。転載可に設定してありますので、ご自由に転載してくださって結構です。留守にし返事がおくれて申し訳ありません。
2012/2/11(土) 午後 11:21 [ 星を見ながら ]