|
目次 緒言 第1部 根 1−ケルト人とは?/2−偉大な神々の死/3−詩人たちの世界/ 4−現実の社会 第2部 幹 5−基本的対立/6−ノルマン人の贈り物/7−宗教的対立 第3部 六つの枝 8−新農民/9−アングロ・アイリッシュ/10−反逆者/ 11−司祭/12−作家/13−政治家 「中間報告」の記事を確か書いたはずだと思って探したら、日付が4月29日。 実は2,3週間前に読み終えてはいたのだが、あまりにも時間をかけすぎたためにどうにもならなくなってしまい、付箋をしながら読み返していた。 この本によって得た最大の知識は「アイルランド人はもはや存在しない」ということだろうか。ケルトが入り、デーン人が入り、ノルマン人が入りという歴史の中で混血が進み、民族としてのアイルランド人の純潔性が保たれるはずもない。 私が「民族意識が高い」という認識を持っていたのはひとえに英国の支配に対する現代アイルランドの愛国意識のせいらしいということがわかった。 本書は緒言に「本書の主題は歴史的事件ではなく、知的精神である」と記されており、ゆえに(英国を含めた)他民族の侵略に対してもそれをアイルランドが被った悲劇としてではなく、侵略によって何がもたらされたかという視点で描かれている。 また、アイルランド人の国民性に対しては時に辛辣なほどの記述がされているが、これはアイルランド人だからこそ書けるのだろうと思う。 先に付箋をしながらと書いたが、最もその数は多いのは「10−反逆者」の項である。特にウルフ・トーンについては、読みながらその人物像をボノと重ねることが多かった。いわく、「ウルフ・トーンほど陽気な反逆者はいなかった」。 アイルランドは小さな島国であり、その点から日本と比べることもあるが、本書の中に書かれていることで、これは二つの国の共通点ではないかと思うことがある。 「唯一の輸出品は詩人」といわれるほどに世界的な詩人や作家を多く輩出しているアイルランドだが、彼らの多くは諸外国での生活を経験している。 ウィリアム・バトラー・イエイツは南仏での暮らしが長く、ジェイムス・ジョイスもアイルランドを離れた。スウィフトに至っては「いやいやダブリンに帰った」という。 どうも彼らはいったんアイルランドから外に出ることによって、自らのアイルランドを獲得したのではないかとさえ思える。 また、本書の初めの頃には国外で活躍し、名を残した修道士が何人かあげられている。 いずれの場合も故郷に帰った人間も帰らなかった人間もいるのだが、どうもこのあたり、国外で活躍する日本人の姿がだぶるのだ。やはり島国には島国特有の閉塞感があるのだろうか、と思う。 ところで、先に「アイルランド人はもはや存在しない」と記したが、同様に純粋なノルマン人もほぼ存在しない。とはいえ「ノルマン人的特徴」というのは風貌にも性格にもあるらしく、いくつか列挙されている。
その外見は「丸いずんぐりした頭、色白、がっしりした体格、四角張った顔、鷲より鷹に似た細い鼻」。 U2にもこんな人がひとりいたような気がする。 ところがその性格の特徴はというと「感情の抑制が利き、エネルギーを無駄にせず、理想主義に走らず、少し堅苦しく、投機的というより安全志向」だそうだ。 |
読んだ?
[ リスト ]





ウルフトーンは「ウルフトーンズ」の名前の由来になった人ね、ぐらいの認識でしたが(恥!)猛烈に知りたくなりました。「感情の抑制が利き・・・」ボノが語る亡きお父様の性格という感じがします。もしかしたらボノの隠れた性格で、反動でああなったのかも?
2005/6/8(水) 午前 9:26 [ Kyoko ]
このあとの性格についての記述には、お、と思うところもあります。でも実は、「ところが」なんて書き方をしてますが、ここに書かれてることもかなり当たってるんじゃないかと思ってたり……
2005/6/8(水) 午後 2:01