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君が80年代初期のことをよく考えたっていうなら、それは本当のことなんだろう。でも君たちが今の15歳とか20歳のファンにどう理解されているかってことについてはそう思うわけじゃない。彼らにとってU2は、100万枚以上のレコードを売り上げる、巨大なショウをする巨大なバンドだ。
ああ。でも、彼らが夜、ライトを消してヘッドホンでぼくらの音楽を聴いたら、どでかい思想のように聞こえるとは思えないな。親しみを感じるように聞こえると思うよ。
君たちの音楽を聴くことについてはよくわからないけど、同じレベルにいるんだと感じられるのかもしれないね。
もちろんまったくの真実だというわけじゃない。
ぼくらはロック・スターとしてうまいことやれるようになってきた。でもそれはぼくらが誇らしいと思うことじゃないんだ。
ぼくらは不誠実であることも得意になったけど、自分たちを守るためにだけ、ぼくらの仕事の上では誠実であり続けることができるんだ。
いいかい、今がMTVの撮影だとしようか。ああ、神よ、あちこちからカメラが君の顔に向けられてる! こういうことはうまいことできるようになったんだ。でもまったくのロック・スターかっていうと、そうじゃない。
きみがロック・スターであることに苦労しているように見えたのは、奇妙だよね。幾人かはプリンスみたいにグラマラスになり始めたものだけど。君はそうじゃなかったし、そうなりたいとも思ってなかった。むしろ逆だったね。2、3年後に、変化がやってきたけど。
10年後だったね……
ある時点で、熱狂的な「システムに対抗するぼくたち」という態度は薄れたね。
アナクロなやつだね。
そしてきみは学校に戻ったように見えた。『Rattle and Hum』でやったように音楽の深いルーツを見つけるためにではなく、ロック・スターになるやり方を学ぶために、学校に戻った。
そりゃいいね。
まったくZoo TVはそうだった。ぼくがぼく自身にまとわせたロックスターは、モンタージュ写真だった。エルビス・プレスリーの革ジャケット、ジム・モリスンの革パンツ、ルー・リードのフライ・シェイド、ジェリー・リー・ルイスのブーツ、ジーン・ヴィンセントの動作。ロックンロール・アイテムが欲しいかい? ぼくがあげられると思うよ。
フリー・マーケット(蚤の市)みたいだ。
(笑)フライ・マーケット(蠅の市)だよ!
きみに言ったとおり、ぼくらは本当にはロック・スターだとは信じられてないって思ってるわけさ。それが得意にはなったとしてもね。どうしてそれがわかったかを教えよう。つまり、今でもぼくは世界中をセキュリティなしで旅して歩いているからさ。ぼくは自分の面倒は自分で見られるんだ。
でもそれだけじゃない。ぼくは人々と触れ合うのが好きだし、彼らはぼくに近づきやすいと思うだろう。
みんなぼくに話しかけるし、ぼくに向かって歩いてくる――彼らはぼくの現在だとか影響力だとかを気にかけているようにはぼくを扱わないね。
ぼくの顔は10年前ほどにはオープンじゃないにしても、レコードでぼくのことを知っているから、こっちに向かってまっすぐに歩いてくる。で、話しかけることができる。
ニューヨークでさえ、ぼくはストリートを歩くし、みんな「調子はどうだい?」って言うよ。ぼくを恐れずにクラクションを鳴らしたり、近づいてきたりする。たぶんぼくはロック・スターとして失敗したんだろうね(笑)。
一方でぼくを自分同様に扱うセレブリティの奇人もいる。ぼくは通り過ぎるだけだ。
ぼくらの音楽を知っている人たちは、ぼくらのことも知っているんだ。彼らは暗い部屋の中にいて、親友よりもぼくらのことを知っている。なぜならぼくは親友に対するようには歌わないし、彼らの耳の中で歌うわけでもないからね。
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