酔月亭

ブログを引っ越しました! 今後ともよろしくお願いします。

U2とアフリカ

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2008年5月、ボノが日本へやってきました。
TICAD(アフリカ開発会議)に出席するために。
なぜボノがアフリカのために?
わかっているようでわかっていないような認識を改めるため、
ちょっくらお勉強しています。
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とりあえずの答え

ワタシに今できることって何だろうと考えた。
それはまず、知ることから始まる。
だから勉強しようと思う。
本を読むだけじゃなくて、動きながら勉強しよう。

ワタシはここまで、ボノの見ている世界を知りたいと、ボノの感じていることを知りたいと思っていた。
それで充分だと思ってたわけじゃないけど、それがワタシのしたいことだった。
でも、ボノが来日して、「私たち」に向かって話してくれる言葉を聞いて、それじゃ足りないと思った。
ワタシはもっと、様々なことを知らなければならない。
たとえばボノと、日本とアフリカについて話せるように。や、英語力の問題はおいといてだ。

まずは目先に迫っているG8サミット。
ワタシはサミットについて、何にも知らない。
これじゃボノと会話できない。
「あなたは今回のサミットに対するあなたの国の政府の姿勢についてどう思う?」って聞かれたとき、返す言葉がない。そもそもの「姿勢」すらわかってない。
これは、困った。

そう思ってたら、一通のメールが舞い込んだ。
G8メディアネットワーク(G8MN)という団体が、サミットに関するボランティアを募集しているんだって。



 「紹介」のページから
 G8メディアネットワークは、2008年に日本(北海道の洞爺湖)で開催予定の
 「主要国首脳会議」(G8サミット)に向けて結成したメディア・ネットワークです。
 2007年7月以来、貧困・開発、環境、人権・平和など地球規模の課題に取り組んでいる
 NGOなどと連携を取りながら、G8に関連する様々な声や動きを広く内外に伝えようとする
 個人やグループが参加しています。
 2008年3月25日の段階で、次の団体がG8メディアネットワークの呼びかけ団体になっています。
 (以下略)



募集内容を読むと、どれもワタシの手に余るようでピンと来なかったけれど、きっと会場運営の雑務みたいな仕事もあるだろうし、とりあえず説明会に参加してみようと思った。
で、土曜日、急な休暇をもらって水道橋まで行ってみました。

話を聞いてみると、想像以上に垣根が低くて、これはワタシにも出来ることがあるみたい。
や、つか、酔月亭でやってるようなことでもいいのか? テーマがボノからサミットにシフトするだけで、自分の興味の持てることを、自分の視点で書いちゃっていいのか?
やや、それどころか、場合によっては80パーセント酔月亭でもいいの?

自己紹介、他の参加者の皆さんは語学が堪能だったり、メディアが専門だったりで、すごく頼りがいのありそうな方々ばかり。参加の動機も明確だ。
なのでワタシも、勇気を出して本当の理由を言ってみた。

U2のファンで、ボノのネット追っかけをしています。
TICADで来日していたボノの影響で、サミットについてもっと勉強したいと思って参加しました。
U2ブログで3年ちょっと、1200本くらいの記事を書きました(ちょこっとアピール)。

やー、ドン引きですよね。
と思ったら意外にも、ちょっと受けた。
調子に乗ったワタシは、記事は本名以外で書いてもいいか、自分のブログとダブルポストでもいいかと聞いてみる。OKなんだって。でね、ボノのことも書いていいんだって。ひゃー。
フツーに本名で、一個人として参加するつもりだったけど、U2ブロガーの満月でいいんだって。これは考えてもみなかった。
すごく興奮してしまったよ。
なにが出来るかわからない、曖昧な見通しで行ったのに、こんなにぱっきりくっきり、しかも負荷の少ない形で出来るとは思わなかったんだもの。

でね、考えてみれば、ワタシは散々マスコミのボノを取り上げるやり方に文句をつけてきたわけじゃないか。その面からしても、オルタナティブメディアに関われるのは、とても重要だ。
これは、ワタシにとって大きな経験になる。

そんなわけで7月上旬、札幌に行ってきます。
もう休みも確保した。飛行機チケットも押さえた。4泊5日の寝袋生活が、楽しみでなりません。
バカだなーと思うよ。そこまでやるか?って。
でも一方で、これはワタシにとって全然「そこまで」のことじゃないとも思う。今まで自分に科していたリミッターを、ほんの少し外すだけ。自分で限界を決めるのを止めるだけ。
やりたいことをやる。これがオレの基本だぜ。

もし万が一、参加してみたい人がいたら、G8MNに問い合わせてみてください。ボランティアは今でも募集中だそうです。
社会人も学生もいます。

ボノ@TICAD IV

ボノの日本滞在は5月26日から約1週間。や、いつ帰ったのか知らないんですが。
その間、様々な場所、様々な人と話をしていますが、当然大きな目玉はアフリカ開発会議でした。
外務省がWEB中継していたんだけど、見られなかった。
いつかどこかでスクリプトを見られないかなと思ってたんですが、WEB検索したらありました!
小笠原環境メッセンジャーの南瑠衣さんという方のブログ。ボノのTICADにおけるスピーチ(5月29日)の全文を聞き取り&日本語訳してくださっています。
ありがたや……。


記事冒頭で南さんもおっしゃっていますが、TICAD期間中は会議もさることながらアフリカ関係の報道が予想以上にメディアに載り、おかげでボノの露出度が高くて嬉しかったのですが、一方でTICADの本質の部分は見えてこないと言うか。
や、ワタシがボノしか見てないから、当然といえば当然なんですが。

で、南さんの記事を読んで、ワタシもやっとボノが議場で何を言ったかを知ったわけです。
別に、他のところでは言っていない大切なことを話したわけではないようですが、逆に言えば、私たちに話してくれていることを日本・アフリカの首脳陣にも訴えたと言うことです。
次は福田×ボノの40分間の会談詳細が出てくれると嬉しいのですが。
あとTNnet。

ボノ出演番組 再放送

6月1日にNHK BSで放送されたボノが出演した番組が、明日再放送されます。
BS環境のある方、ぜひご覧下さい。

    新BSディベートスペシャル「アフリカの声にどうこたえる」(再放送)
    2008年6月7日(土)第1部 15:10〜16:00 第2部 16:10〜17:00
    https://www.nhk.or.jp/bsdebate/index.html
    今月のデータファイル

ボノはたっぷり発言している模様。
番組を見た人の中には「ボノの発言にはリアリティーがありました」とおっしゃっている方もいます。
まったくU2ファンではない方。
なんか嬉しいな。

ワタシにはBS環境がないため、じっと我慢の子です。

参考文献&ウェブサイト

原稿を書く際に参考にした書籍・雑誌と、ウェブサイトのまとめ。
思い出したら付け加えます。

【書籍・雑誌】
U2 BY U2
¥ 6,300
U2 (著), 前 むつみ (著), 久保田 裕子 (著)
出版社: シンコーミュージックエンタテイメント(2006/11/1)

ボノ インタヴューズ
¥ 2,625
ミーシュカ・アサイアス (著), 五十嵐 正 (翻訳)
出版社: リットーミュージック (2006/3/24)

On the Move: A Speech
Bono (著)
出版社: W Pub Group (2007/4/3)


【ウェブサイト】
Wikipedia
 ボノ(日本語)
 Bono(英語)


続いて取り上げるのは、アルバム『How To Dismantle An Atomic Bomb』の2曲目、"Miracle Drug"。
この曲を語る時に、ボノはよく高校の後輩の話をします。
生まれる時のトラブルで体中の筋肉を動かせなかったクリストファー少年の話です。
周りで起きていることがわかっているのかどうかさえ定かではなかったクリストファー少年のことを、彼の母親だけは信じていました。
彼が11歳の時、やっと見つけた薬のおかげで、首の筋肉を1インチだけ動かせるようになりました。
クリストファーは、額にユニコーンのような角をつけ、タイプを覚え、言葉を操れるようになりました。
意識や感覚があるのかどうか、世界を認識しているかどうかわからないと思われていた間中ずっと、クリストファーは頭の中で詩を書いていました。
彼の最初の詩集のタイトルは『Damburst Of Dreams』。ダムを決壊するほどの、夢の奔流。
奇跡の薬によって溢れ出したクリストファーの世界そのものです。

イメージ 1

Vertigo Tourでは、演奏前のMCで、ボノはたびたびエッジを話題にしています。
ボノによれば、ある日、ボノとラリーとアダムの前に、宇宙船が現れました。そこから降りてきた宇宙人がエッジだったというのです。
しかも、ただの宇宙人ではなく、未来から来たというエッジに、「未来はどんな感じ?」と聞くと、彼は「今よりもいいよ」と答えたそうです。
このMCに、ボノはエッジと、彼の娘さんへの思いを込めています。
小児白血病と闘うサイアンちゃんのために、未来がよくなっていますように。彼女のための「Miracle Drug」が現れますようにと。

ボノは『U2 BY U2』の中で、「この曲はエイズやそれに対抗する薬の曲だともいえる」と語っています。
抗HIV薬の開発が進んだおかげで、今ではエイズは死の病ではなくなりつつあります。
HIVに感染しても、薬が発症を押さえ、普通の暮らしを送ることができるようになりました。
薬による治療を受けさえすれば、学校に行くことも、工場で働くこともできます。
しかし、残念ながらそれはまだ一部の話でしかありません。
HIVはアフリカの貧困層に広がっていますが、彼らの多くが暮らす農村地帯には、医療施設そのものが不足しています。彼らにとって抗HIV薬はまだまだ夢の薬なのです。
HIVだけでなく、結核やマラリヤという、日本においては過去のものとなった病気についても同じことです。
既に対抗手段が存在しているというのに、救えない命が数えきれないほど存在している。
助けられる命を見殺しにしているのです。
慈善ではなく、正義の問題です。

さて、"MIRACLE DRUG"に、「The Songs in your eyes」という歌詞があります。直訳すれば「君の瞳の中にある歌」となりますが、Kyokoさんはこれを「お前の瞳はオルゴール」と訳しました。
それを読んでワタシが真っ先に思い出したのが、ボノの講演録である『on the move』という小さな本です。

イメージ 2

これは2006年、ワシントンで行われた「THE NATIONAL PRAYER BREAKFAST」祈祷朝食会での、ボノの講演を記録した本です。
ムスリム、ジューイッシュ、クリスチャンと、ボノが「CoeXisT=共存」を訴える3者 それぞれから代表的な立場の人が集うのがこの「朝食会」です。
収録された講演も素晴らしい内容ですが、ワタシにとってはそれよりももっと待ち望んだものがこの本におさめられていました。
1985年、エチオピアを訪れた際にボノが撮影した写真です。

"Miracle Drug"の冒頭の歌詞は「I want a trip inside your head」、あなたの頭の中を旅したい、そこで何日も過ごして、あなたが聞くものを聞いて、あなたが見るものを見たいというものです。
これはそのまま、ワタシの望みでもあります。
ワタシはボノが見る世界が見たかった。

エチオピアで撮影した写真を、ボノは1988年に一冊の写真集「A String Of Pearls」にまとめました。
その存在を知った時に、これこそ望みの一端を叶えてくれるものだと思いました。
写真というのは、その人が見た世界を切り取るものです。
ボノが撮った写真を見るということは、ボノが見た世界を見ることに他なりません。
残念ながら「A String Of Pearls」はたった2500部だけの出版で、唯一ネット上で流通している1冊には、500ポンドという値がついていました。
『on the move』はもっと簡単に、ワタシの望みを叶えてくれました。

ボノはエチオピアにカメラを持っていったものの、目の前の現実の厳しさに、はじめのうちは写真を撮る気にはなれませんでした。
滞在も終わりに近づいた頃やっと、健康状態の良い人たちの写真を撮ったのです。
ボノ曰く、彼らの顔には威厳があり、確かにシバの女王の面影があるそうです。

イメージ 3

『on the move』には何枚かの、子どもたちの写真が掲載されています。

Kyokoさんの訳詞「お前の瞳はオルゴール」に、ワタシはこの子たちのカメラを見つめる瞳を思い出しました。
もちろんそれはボノが見つめた瞳、ボノを見つめる瞳です。

イメージ 4

この瞳の中に、歌があった。
この子が瞬きするたびに、オルゴールのふたが開いて音楽が流れ出したのだと思いました。

イメージ 5

"Where The Streets Have No Name"、あの力強い歌は、この瞳から生まれたのかもしれません。

イメージ 6

自分の中にある歌に、産声を与えてくれた美しい瞳の数々が、今でもボノを動かしているのだと、そう思いました。

アフリカ問題の中でも、ボノが最も力を入れているのが、子どもたちを感染症から守ることと、子どもたちに教育を与えることです。

イメージ 7

1985年にボノが見た瞳の持ち主たちの生死は定かではありませんが、これから出会う瞳の持ち主たちは、一人たりとも死なせない。
そのために、彼らを殺す極度の貧困を、なんとしても終わらせたい。
ボノにとって、歌の生まれる理由と、アフリカを助ける理由は、同じところにあるのだと思いました。

イメージ 8

私はボノを通してアフリカ問題に興味を持ったに過ぎません。そんな私にアフリカ問題そのものを語ることは到底できませんが、ひとりのU2ファンとして、ボノの来日をきっかけに、アフリカについて考えることはできるのではないか。
そう思ってこのイベントに臨んだ次第です。

イメージ 9

2006年の来日公演で、ボノがステージの上から私たちに投げかけたメッセージは、「We’re so much more powerful when we work together as one./もっとすごい力が出せるんだ、君が傍にいてくれれば」というものでした。
私はボノの傍にいたい。ボノの力になりたい。強くそう願っています。

長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。

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