酔月亭

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Review:NLOTH

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No Line On The Horizone//U2 私感
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NLOTH 雑感めいたメモ

NLOTHを訳していて思ったこと。とりとめはない。

「水平線に線はない」というのは、そのまま言葉の工夫なんていらないんじゃないかと。
地球は丸いから線に見えるけど、じっさいに空と海が接しているのは線なんかじゃなくて無限に広がる面だし、あくまで接しているのであって隔てられているわけじゃない。
アルバムのジャケ写にあの写真を選んだのは、本当に単純に線がないからなんじゃないか。
鶏と卵でどっちが先なのかわからないけれど、あの写真はボノの心を、ボノが考えていることを言い当てた(とボノが思った)んじゃないか。

ワタシには「空と海のあわい」という、なんとも観念的な、まるで空と海の間に形のない何かがあるような思い込みがあったけれど、実際には空と海は密着している。
「水平線の向こう」という言い方があって、それはワタシのお気に入りでもあったんだけど、実際には線が存在しないのだから「向こう」もへったくれもない。
その先に何があるのか見えなくても、その何かは今自分がいる場所から切り離されるべきものではなくて、確かに繋がっている同じ世界に属するもの。

その点で、海と空は同じ性質のものだということもできる(これはNLOTHアルバムのジャケ写とそこに載せられたイコールからの連想)。
遠く離れた場所を繋ぐものという共通性は実感できる。
夜空の星や月を見上げて「これはボノのところまで行く」と思ってみたり、海を眺めて「この水はアイルランドまでつながっている」と思う。

海の水は蒸発して大気となり、ワタシたちを包む。上昇して雲になり、雨や雪となってワタシたちに降り注ぐ。地にしみ込み、水脈を辿って海へ還る。
空と海は同じものでできていて、それは少なからず大地をも構成している。
それからワタシたち自身も。ワタシたちは海と空と大地を循環する水の通り道の一つだ。

水が存在できる場所が、ワタシたちの命のありか。
だから宇宙で死んじゃうんだし、他の星でも生きられない。
だから月から戻っておいで。

ちょっと行き過ぎちゃったかな。

Magnificent を訳してみた

美しいもの
素晴らしいもの

ぼくが生まれたのは、きみと一緒にいるため。
この宇宙で、この時代に。
そのあとはもうずっと、ぼくには何もわからない。
ただ韻を破るだけ。
この愚かな振る舞いで、心は痣だらけのままにできる。

愛だけ。愛だけがこんな傷跡をつけられる。
そして愛だけが、傷を癒すことができる。

ぼくが生まれたのは、きみに向かって歌うため。
きみを抱き上げる以外、選択肢はない。
きみが望むならどんな曲だって歌うよ。
きみにぼくの声を返す。
この世に生まれた瞬間の産声からずっと、
ぼくの声は喜びに満ちたノイズだ……

愛だけ。愛だけがこんな傷跡をつけられる。
そして愛だけが、傷を癒すことができる。

ぼくらは死ぬまでずっと、賛美し続けるに違いない。

愛だけ。愛だけがこんな傷跡をつけられる。
そして愛だけが、僕たちの心を繋ぎ合わせることができる。

ぼくらは死ぬまでずっと、賛美し続けるに違いない。

美しいもの
素晴らしいもの
「1」と違う部分を太字にしてみました。




海みたいな女の子を知っている。
毎日ぼくのために姿を変える彼女を見つめる。

静まり返っているかと思えば、またすぐに大きくうねる。
彼女の貝殻に耳を当ててみるといい。宇宙が聴こえる。

水平線には境界がない。
空と海を隔てるものなどない。

心に穴の空いた女の子を知っている。
無限を出発点にするのは最高だと、彼女は言っていた。
何てことだ。きみにはぼくらの愛の行く末がわかるんだね。

自分でぼくに売りつけた心にぼくを向けさせておこうなんて
遅すぎるよ、愛しいきみ
ぼくは海になりたいんだ。知ってるだろう。
きみの愛を救うんだ。

水平線には境界がない。
空と海を隔てるものはない。

ぼくの頭の中にある歌はもうぼくのものじゃない。
ぼくはきみのポーズ・ボタンを押す。
きみの愛を巻き戻して、再生しようとするんだ……

毎晩同じ夢を見るんだ。
ぼくは何かを企てている。たくらんでいる。

ぼくは交通警官で、マレ通りにいる。
ぼくはサイレンをやかましく鳴らす。追い払いたいのはこのぼく自身。

水平線には境界がない。
空と海を隔てるものなどないんだ。
今回は訳詞を読む前に、全曲私訳を試みようと思います。
全然詩的じゃない、そのうえやっぱりなんちゃって訳なので、とことん自分のための行為です。
幸いまだ手元に訳詞はありません。
同時に残念ながらオフィシャルの歌詞もないので、ファンサイトから拾ってます。
オフィシャルを入手したら手直しします。




海みたいな女の子を知っている。
毎日ぼくのために姿を変える彼女を見つめる。

静まり返っているかと思えば、またすぐに大きくうねる。
彼女の貝殻に耳を当ててみるといい。宇宙が聴こえる。

水平線には境界がない。
空と海を隔てるものなどない。

心に穴の空いた女の子を知っている。
無限を出発点にするのは最高だと、彼女は言っていた。

「時間なんて関係ない。まっすぐじゃないから」と言っていた。
ぼくの耳に舌を押しあてて。

水平線には境界がない。
空と海を隔てるものなどない。


きみの頭の中で生まれた曲が、今この胸の中にある。
きみがぼくのポーズ・ボタンを押す。
ぼくは巻き戻して、もう一度再生しようとする。

毎晩同じ夢を見るんだ。
ぼくは何かを企てている。たくらんでいる。

ぼくは交通警官で、マレ通りにいる。
サイレンがやかましく鳴っている。ぼくを追い払おうとして。

水平線には境界がない。
空と海を隔てるものなどないんだ。
彼ら自身の作曲方法に身をまかせ、U2は綱渡りのように興奮する、そしてこれでもかというくらい直接的なロック・ソングを作り出した。
アルバムの中ほどで押し寄せる軍隊のような曲群が現れ、ほとばしるような衝撃と畏れで慣れ親しんだ領域に回帰するのは、ほとんど救済のようなものだ。
それが安全地帯のU2だ。爆発/破砕のポップ・ロックといった本質を確固たるものにする。
彼らはラジオ・プログラマーが多すぎるメロディと過剰に詩的なアイデアにも関わらず彼らの足元にひれ伏すとわかっている。
発売中のシングル"Get On Your Boots"が格好の例だ。2つの音でしたたかに殴りつけるパンクロックのエネルギー。低く響くヘビィメタルのギターリフ。開放的で幻覚のようなコーラス。遊び心に満ちたスローガンめいた歌詞。ボノはコミカルな「sexy boots」という台詞で美しい女性のより退屈な楽しみに敬意を払うため、ソープボックスから降りてくる。
オアシスのようなステロイド的な合唱ポップ"I'll Go Crazy If I Don't Go Crazy Tonight"。"Stand Up Comedy"のポップ・ツェッペリン風グルーヴとシャッフル・ビート。この2曲はアルバムの中で最も直接的であり、共鳴の少ない曲だ。
彼らはより厳しい新しい音の地形への冒険から少なからず逃れている。

作詞家としてのボノの最悪の反射行動はスローガン的であることだが、その理由の幾分かは彼がそれを得意とする点にある。
3曲が言及されているが、彼は主題的アイデアを組み立てるのに端的にキャッチフレーズを積み重ねる。しばしばそこには彼自身のイメージを含めている。
たとえば"Stand Up Comedy"では「ロックスターに立ち向かえ/ナポレオンはハイヒールを履いている/ジョセフィーヌ、でかいアイデアを持った小男には注意しろ」と、大げさなブーツを履いた小柄なロックスターが警告されている。
楽しいものではあるけれど、心のこもった歌というよりはTシャツに書かれたスローガンのシリーズのように聴こえすぎる。
ボノの言い回しは、風変わりで中毒性のあるタイトルトラックのように、何よりエモーショナルな曲で切り詰められている時に、より大きな効果を生む。神秘的な愛、信心深いが正体を知り得ない誰か、彼に向かって「無限はスタートを切るにはこの上ない場所だ」と告げる誰かの中に、ボノはぼんやりと自らを見失う。

"Breathe"で、U2はU2アンセムを徹底的に打ち砕くような球筋に、エモーショナルで哲学的な心臓部を見いだした(イーノはどうやらこの曲を今までレコーディングした中でも「もっともU2らしい曲」だと断言しているが)。
この点においては全く驚くべき曲である"Magnificent"も匹敵する。こちらではU2/イーノ/ラノワ楽団は魔術を駆使していて、"New Year's Day"のようにポップ・ドライブをはためかせるラヴ・ソングとしてU2の最高水準に達している曲だと即座に認識できる。
これらの曲はU2ファンを喜びで満たすだろう。しかしアルバムには、リスナーの居住まいを正させ、改めて音を聴かせるような力を封じ込めた、より個人的な、オフビートの冒険的な曲もある。
音色のタペストリーのような表現は忙しなく、エッジのSFギターとイーノのシンセの噛み合わせが、耳と心を絶え間なく引きつける錯綜と細やかな音景をもたらす。
しかしU2/イーノ/ラノワの曲は中心を占め、繰り返し繰り返し聴くことで彼ら自身を明らかにしていく。
確かにU2のように(他の多くのバンドがそうであるように)聴こえるのに、その想像力豊かな瞬間はまるで新人の作品のように新鮮で野心的だ。33年間もやっているベテランには聴こえない。

もし欠点があるとすればそれは、U2が元々持っているすべての人々のためのすべてのものであろうとする傾向にあるだろう。何もかもを差し出すようなアルバムであっても、すべての道を行くことは到底できない。
彼らはいまだに毎回場外ホームランを望んでおり、だからこそ本能的に素朴なロック・ヒットで安全な賭けをして、言葉にできない何かに到達しようという欲望とのバランスを取る。
この点において、『Unforgettable Fire』や『Joshua Tree』の持つ無垢性や独自性、あるいは『Achtung Baby』にあった大胆な再接合のもたらす非常に強い感情はこのアルバムにはない。
私にとってこのアルバムは、おそらく『Zooropa』がそうであったように、典型的なU2の音響構成で打ち立てられており、ポップのトップクラスを占めるものだと思う。
しかしバンドのあり方としては、彼ら自身の神話の勢力圏内で、リスナーの頭の中で反響し、アイデアとエモーションを満たすような音楽を作ったのだろう。踊りたくなるほどのグルーブ。合唱したくなるほどのメロディ。慈しむほどに魂がこもり、奮い立つほどに哲学的。そして今日のグレイテスト・ヒッツになりうるに充分な、たくさんのキラー・トラック。
少なくともこれは彼らの最高傑作として語られるアルバムである。他のどの長命バンドが、こんな自慢をできるだろうか?

とはいえ以上のところは単に私の意見である。
ボノが何を考えているかということをお話ししよう。彼が私にメールを送ってくれたので。
彼は(明らかに"Breathe"について言っている)「代々続く訪問販売員の家系」の出身で、できることなら家々のドアを巡ってアルバムを売っていただろうと言う。
「生命力、喜び、新機軸、感情的な誠実さ、デジタルではなくアナログ、専門家によるものではなくホームメイドのもの、ユニークな音景」が彼の売り文句だ(句読点と綴りは私によるものだが)。
「ぼくは毎朝自分を締め上げるんだ。夕方にはもう試さないけど。ソウルミュージックは熱狂するためのもので、ロックは落ち着くためのものだ。このアルバムはいつだってぼくらが作りたいと思ってたやつだよ。へまをしたかもしれないけど……」

しばらくの間、私は疑問を抱かずにいよう。

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