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//The Joshua Tree
//Release Date: March 1987
U2に出会ったのは1987年。貧乏な高校生だった。とはいえ初めて聴いたのがどこでだったが、どんな媒体だったかを覚えてはいない。
ただ、衝撃的だった。エッジによれば「奇妙な」「当時の音楽シーンとはかけ離れた」"With Or Without you"。ボノのボーカルはエモーションに溢れているけれど、メロディは単調な、不思議な曲。異国的というよりは、どこから届けられたのかわからない音楽。当時聴いていた他の洋楽とは明らかに違っていた。
ワタシがはまったのは何よりもボノの声だ。深く甘い低音もいいけれど、それよりは高い声。もともとスティングやブライアン・アダムスといった少しハスキーな声が好きだったのだけれど(高音でいえばデビット・ボウイとか)、それと比べてもダントツに好みの声だった。
たぶんに曲の雰囲気のせいもあろうが、当時のワタシはボノの声を「曇りガラスのような声」と言っていたのを覚えている。全てが露わになるわけではない。けれど確かに存在している。もっとも、今聴くと、この曲のボノはそんな謙虚な歌い方はしていないけれど。
当時LPレコードを買うような金はなかったので、ワタシは貸しレコード屋に行き、『Joshua Tree』を借りてきて自分と友達の分のテープをつくった。いいかげん聴くこともないと思うけれど、そのテープはまだ手元にある。お気に入りのインデックスカードにワープロの文字。ともかく、家でも学校でも、暇さえあれば聴いていた。
最もそのころのワタシは今よりもずっと音楽好きだったし、U2にこんなにのめり込んでもいなかったので、一時期を過ぎれば他のアーティストも聴いていたのだと思う。けれど、その後10年間以上も聴き続けたのは『Joshua Tree』だけだ。
たとえば、U2で一番好きな曲はと問われたとき、ワタシはとても悩むだろうと思う。だけど一番愛着のある歌はという問いだったら、答えは決まっている。この曲は、ワタシにとってはそういう大事な曲だ。
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