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図書館でこの本を手に取ったのは、まったくの偶然でした。
もちろん、結果的に題名にひきつけられて書架から引き抜いたのではありますが、
元々は、著者の名前を以前読んだことのあった別の作家さんと一瞬勘違いしたからです。
まぁいいや、せっかくだから読んでみようと思って借りてみました。
物語は日中戦争の時代に、「長い川」を南京から川上へ川上へと退避していく中国人少年と、
同時代に北海道から北京へ移り住んだ日本人少女の生きざまを描いています。
登場人物の一人が、字は違うものの、私と同じ名前だったので、おやっと思いました。
終戦、内戦、文革、そして現代の生活へと物語は続いていくのですが、
読んでいる間に、中国という国を的確に表現しすぎて、
「ふーむ」とため息が出てしまうような文章があちこちに書かれていることに気づきました。
この作家さんのほぼ自伝と言っていい本だと思うのですが、
数年しか中国生活を経験していない私でも、記憶と体験にぴたっとはまる文章が書かれているのです。
たとえば、少年の父であるチェンドゥ(林真徳)が武漢から長沙への汽車の切符を求め、
駅前をさまよい歩く場面で、こんな記述があります。
「・・・この国ではどんな状況にあろうと、必要なものはどこかから現われる。
南市を脱出して、あちこちの町や村を遍歴したチェンドゥがたどりついた結論である。・・・」。
始めのうちにこの文章でハマってしまい、後は一息に読み続けました。
何回、「ふふふ」「ほぉー」「せやなー」「あるわー」をつぶやいたか…。
そういう意味では読後感がきわめて気持ちいい、本だったと思います。
中国生活の経験がある方には、この気持ちよさが分かっていただけると思います。
また、中国理解の一つの手助けになる本でもあるような気がします。
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『長江』加藤幸子著
新潮社(2001年)
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探してみます。がんばります!
2009/1/5(月) 午前 8:49
Ohkkyさん新年おめでとうございます。
私も、本棚の記事がこれっきりにならないよう頑張ります(笑)。
2009/1/5(月) 午後 8:29 [ sui*o*in*china ]