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. ――薔薇よりも醜く、人間より下卑た君へ。永遠の絶望を贈るよ。 [[attached(1)]] ただ何となく生きていた方が、まだ幸せだったのかもしれない。 意味を理解することなく、理由を思考することなく生きていたなら、まだ幸せだったのかもしれない。 今更そんなことを思っても後の祭りなのには気づいていた。後悔に意味はないと知っていた。 後ろを向いた瞬間、前に進む道を見失うのだと知っていた。それでも私たちは、私は、そんな闇の中で白い腕にすがり付いてしまったのだ――悪魔の腕に、すがり付いてしまったのだ。 「……ヴィン、ス」 口の中でそう呟いた夢を見て、私は目を覚ます。 まだ隣りではエコーが寝息を立てて眠っている。ここで物音を立てて起こしちゃまずい。私はともかく、エコーはお気に入りだ。深夜まで起きて仕事を手伝わされているだろうし。 私は額に張り付いた髪の毛を払い、深く息を吐き出した。 ――どうしてあのとき、奴の手を取ったのか。疑問で疑問で仕方ない。 今の私は、過去の私に言うんだ。 「ばか! 何で手なんか取ったんだ!」 でも、過去の私は首を傾げるだけなんだ。 ただ無垢に。 ただただ無垢に。 「……今の私が必要としたからでしょ?」 過去の私は、そうして今の私を笑う。 ――けほ、と突然エコーが咳き込んだ。私は慌ててベッドから出て彼女に近づく。両頬が赤色に染まり、酷く苦しそうに左胸を抑えている。 私はエコーの頬に触れる。物凄く扱った。普段の彼女からは想像も出来ぬほど。 「な……ん、でっ……」 「それはね……毒の副作用だよ……?」 ノックもなく確認もなく部屋に入ってきたヴィンスが、くすくすくす、と笑いを漏らす。 何故? お前が散々こき使ったエコーが苦しんでいるのに。 何故? お前に身を粉にして捧げたエコーに毒を盛るとは。 どうしてお前は、人間をもぬいぐるみと同等の価値でしか見れない? 「ヴィン、ス――」 「言ったよね、言わなかったかな? まぁ、どっちでも良いや」 「……ッは」 何ガ。ドッチデモ良イト。言ッテ――イル? エコーが苦しそうに呼吸を乱している。エコーが苦しそうに肩を上下させている。エコーが苦しそうに苦しそうに苦しそうに。 吐血、した。赤色ではない、赤黒い血を吐いたのだ。 「げ、ほっ……げほげほッ、ぅぐ――」 「エコー!?」 白いシーツに赤い鮮血を散らせ、エコーが苦しげに咳き込む。 斑に染まっていくシーツ。死にそうなほど顔色の悪いはずのエコーの頬は赤く上気し、苦しげに両目に埋まった黒い石ころを潤ませていた。 とまらない。とまりそうもない、エコーの吐血。 それを私は蒼白して見つめ、犯人であり加害者であり主人であるはずのヴィンスは笑っていた。不気味に口元を吊り上げて。 くすくすくす、と笑っていたヴィンスは声を上げて笑い出した。 「……っにが、おかし……」 「おかしいに決まってるじゃんか、紅。わからないの……?」 「エコーが苦しんでるのに……」 「間違って盛っちゃったものは仕方ないじゃない」 「!?」 慌てて視線をヴィンスからエコーへ。そこで絶句する。もはや呼吸すらせず微動すらせず、エコーは苦しげに眉を寄せ、瞳から一筋の涙を零して眠っていた。たぶん目を覚まさない。だって、エコーから生気が感じられないから。 私は小さく震えて、すぐさま衣服の下に隠してある短剣を抜いて鞘を放り投げる。 「あぁああッ! エコーに……エコーに何てこと!」 「……うるさいなぁ」 ぐい、と顎を掴まれる。 オッドアイ。目の前には彼のオッドアイ。 口付けを通して何かを流し込まれる。拒めない何かが流れ込み、ごくんと喉を通過した。それと同時に――身体が、跳ねる。 焼けるような痛みが走って、私は地面に崩れた。無様に倒れこみ、短剣から手を離して左胸を押さえて空を蹴る。 何だ。何だ何だ何だ何だ何だ。呼吸が――? 「ッげほ……う、あ!?」 ヴィンスが冷たい瞳で見下ろしてくる。エコーは居ない。私とヴィンスしか居ない。 げほげほ。げほげほ。 咳が止まらない。血まで混じる。吐血する。まるでエコーと同じような、それ。ヴィンスが無音で笑っている。無表情で見てる。 見るな。お願いだから見るな、放っといて。私を見ないで。 「綺麗なくらい無様だよ。紅――」 ゆっくりと、私の夢見る世界が沈んでいく。 ゆったりと、私の夢見た世界が沈んでいく。 ――叶うなら、目の前の悪魔に極刑と地獄と死を。 ♪
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なんだこの文章…
レベル高い…
2009/10/24(土) 午後 9:43 [ コーヒーゼリー ]
ケン兄>だよねw
香奈はすっごい文才あるよ!!
2009/10/24(土) 午後 9:44 [ 黒糖 ]
愛する我が弟子、香奈よりいただきました!!!
もうね、ヴィンスに殺されるなら本望ですy(((
エコーちゃん紅も好きなので、共演できて嬉しいですw←
神小説をありがとうございます、香奈!!!!!!!
2009/10/24(土) 午後 9:45 [ 黒糖 ]
貰ってくれてありがとーっ!!
そして6000HITおめでとう、師匠★
Σヴィンスになら良いのか!!
神じゃないよっ!! 師匠の足元にすら及ばn(その通り
貰ってくれた優しき師匠様に傑作v
2009/10/24(土) 午後 10:22 [ 星屑アリア ]
香奈>いえ、描いてくれてありがとー!!!
うん、ありがとう、我が弟子よ☆(
うん、ヴィンスにならいいっすy←
いや神だよ!!!残念ながら私は短足なので、
かなり及んでいると思われるw
傑作ありがとー!!!
2009/10/24(土) 午後 10:24 [ 黒糖 ]