はい、コラボ作。
真っ白に燃え尽きそうだった・・・・。
もう全部のキャラの口調が分からなくなるという大惨事に!!!!
指摘があったら二名様、お願いします。
落ちる
落ちる落ちる
堕ちる堕ちる
堕ちる
それは何か
落ちるものは地面に叩きつけられて
形を砕かれて破壊される
そして、それはもう元には戻らない
戻らないのだ
――ガッシャンンンンンンンンンンンンンンンン
扉が開かれたと思ったが同時に部屋に侵入した者は室内にて茶を飲んでいた男の前にあったテーブルを蹴り飛ばした。
その上に乗っている食器や花瓶諸共に。
蹴られたテーブルは後方の壁へと勢い良く叩きつけられ派手に音を立て落ちた。
割れた食器諸共にだ。
だが、
目の前でテーブルを蹴られようともそれによって微風が前髪を靡かせようとも男は手に持っていた紅茶を口にする。
微動だにせず、逆にその男の膝に座らされている少年はその侵入者の行動に驚き、男の服を強く掴んでいた。
驚愕と小さな恐怖をその瞳に見せながらも、男を様子を伺うように後ろを向き顔を伺う。
だが、それにも微動だにしない。
ただ、紅茶を飲み終えたそのカップを置く場所がなくなったことを感じ、己の膝に座っている少年に渡す。
困惑しながらも少年は両手でカップを受け取る。
そこでようやく、男は口にする。
「やぁ、女王何か用かい?」
突然の侵入にもまして、テーブルを蹴ったことすら眼中にないように。
まるで何事もなかったように
言葉を吐いたのだ。
「・・・・・ふざけんな!!」
男の行動に言葉にキレた侵入者であるハリィは男の膝に座っていた少年のことすら頭にない程に怒っていた。
言葉と共に男の胸倉を掴み強制的に立たせたことによって少年は膝から転げ落ちる。
「ハリィ様!」
ハリィによって開かれたままの扉から彼女を止めるために来たのか、バルキリーと風蓮が現れる。
そして、その後ろからアルガーが現れたことによって少年はカップを持ったまま一目散にアルガーの元へと向かう。
「止めろハリィ」
止める言葉を言いつつも、彼女の下へとはいかない。いや、いけないのだ。
それ程までに止めることから拒絶する程の覇気が彼女から伝わって、彼らは口にするだけであり先に動くことが出来なくなっていた。
「何が”ふざけるな”なんだい?」
「てめえ………その手どうした?」
怒る眼の先には、男の左手が映っていた。包帯に巻かれた痛ましい左手が・・・。
ハリィの視線の先を追い、男も己の左手を見る。
「あぁ・・・これか」
己とハリィの顔の間に左手を持ってきて、ひらひら、と動かしてみる。
「それが?」
どうした?というように、男は問う。何も問題がないように・・・。
その言葉に更にハリィの怒りは増える。それが眼に見えて分かった男は苦笑する。
それにもまた感に障った。
「”それが?”てめえ、分かってやったのか?・・・・分かってやったんだよなァ?おい、ランシーンッ!!!!」
叫びのように言うハリィに胸倉を掴まれようともランシーンは変わらない。
ただ同じ室内にいる他の者や少年だけが肩を震わすのである。
自分に言われていないのにも関わらず、少年はカップを強く握る。
「何をしたのですか?」
当事者ではない、ハリィを止めるために来たバルキリーがついに言う。
ハリィが何を怒っているのか、ランシーンは何をはぐらかしているのかが分からないために。
それは本音が出たのだった。
「大したことはないんだよ、バルキリー」
「何が大したことないだ!てめえ!!何からアレを作り出したァ!!」
「何?何?どういうことですか?ノイトラがどうしたと・・・?」
「アルガー・・・てめえは知ってるよなァ?てめぇの口から言え」
「・・・・・・・」
「アルガー!!!!」
「・・・・・・・ランシーンは自分の左手の血肉からノイトラを創造した」
「・・・・嘘、ですよね?」
「ウソであった方がマシすぎる程の事実で、現実に起こしやがったんだ。ご感想は?どうだよ?なァ??」
「禁忌は犯してこその美学」
「あ゛ァ?」
「別にいいじゃないか君に被害はないだろう?」
――バキッッッッッッ
「ハリィ!」
「ハリィ様!!」
怒りが極度に膨れ上がったのか、抑えきれなくなったのかハリィは拳でランシーンを殴った。
ランシーンはその威力によって吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。
ずるずると腰を落としたランシーンにアルガーが少年、ノイトラ共々駆け寄る。
吹っ飛ばす程の威力に口から血を流し、ランシーンはそれを手の甲で拭いつつ、ハリィへと目線を向ける。
だが、その瞳に怒りは微塵もない。
ただ薄ら寒い程の微笑みを浮かべるだけ。
「止めろ、ハリィ。もう何を言っても遅い」
「風蓮…じゃてめぇは許すのか?こんなバカげた禁忌はありはしないだろがァ!!自分の身体犠牲にして、創造しようなんざ―――」
急に途切れた言葉と驚愕に色を染める瞳。
「あぁ、そういうことかよ」
怒りに染まっていた瞳は突如として変わりその色を失くす。
その勢いすら無くなり、沈静した空気が彼女を覆う。
「あ゛ー、もういい。分かった」
そう言いながら、ハリィはノイトラへと向かう。
突然のことに誰もが動かず、ランシーンも見ているだけだった。
ノイトラは己に向かってくるハリィに恐怖しながらも動くことが出来ず、カップをただひびが入るほど強く強く握るだけ。
「わりぃな」
ぽんぽん、とノイトラの頭を撫でた後、ハリィは何も言わずに部屋から退室した。
「あの、本当にどういうことなんですか?ランシーン様」
再度、ハリィがいなくなった後バルキリーは問うた。
何も分かっていないし納得もしていない。このままで終わられるのは敵わないからだった。
バルキリーはハリィが己自身の内だけで完結してしまい、結末もその意味すら分からないまま何も知らないままでいることだけは絶対にしたくはなかったのだ。
そして、ランシーンの口から真相が語られる。
「知ってるかい?神はアダムの肋骨からイヴを作った。ならば、アダムは?もしかしたら作り方は同じであり、神は己が肋骨からアダムを作ったかもしれない」
「・・・・・・・」
「ランシーン様?」
アルガーは沈黙を、バルキリーは困惑しながら、彼の言葉を耳を傾ける。
「肋骨…骨から人間を作ったならば、虚は――――」
「虚は同族を作るために、愛しい者と似る者を作るために骨とは逆の血肉からその魂を作れるかもしれない」
「虚は人間から見れば、悪霊であり霊だ。身体がない。身体の資本の骨はなくてもいい。故に―――」
「ランシーンはノイトラを作った」
【強欲を形に、犠牲を左手に、愛を絶望に】
「そんなに”蘭丸”が恋しいってかァ?自分の身を代価にする程に愛してるのかよ」
「さぁな、ただお前が導き出した答えとランシーンがバルキリーに説明していた答えは合っていた」
天蓋の上、青空を下にハリィと風蓮はいた。
ハリィが出て行った後に語られた答えを聞いた、風蓮はその直後ハリィを追った。
風蓮もまたハリィが導き出した答えを理解していた。
いや、ハリィよりも先に風蓮は気づいていたのかも知れない。
「大丈夫か?」
ハリィが退室した後に、追った風蓮も答えを聞いたバルキリーもそしてアルガーもいなくなった室内にてノイトラの声が響いた。
傍らに持っていたカップを置き、床に座り未だに座り続けているランシーンの頬をそっと触った。
自身ではそっと触ったのだろが、不器用なノイトラでは殴られた頬に痛みが走ったがランシーンはそれを顔には出さなかった。
「大丈夫だよ」
撫でるように触るノイトラの手を骨しかない手で覆う。
その骨の冷たさをノイトラは感じても、
そのランシーンの顔は無表情であり、先程の微笑みはなかった。
目の前にいる大切な者を作るためならば、自己犠牲などどうとでもよかったのだ。
ハリィに殴られるのは予想外だったが、最後には彼女は気づいたのだから・・・それでよかった。
「大丈夫だよ・・・・・・」
まだ背を追い越されてはいない、小さな少年に己の弟を抱きしめる。
顔を見られたくないから。どんな顔をすればいいのか分からなくなっていた。
消失したはずの感情がまだあったことに。
「大丈夫、まだ誰も気づいてはいない―――――君の本当の意味を」
――カシャン
ひび割れたカップが音を立てて崩れた。
元には戻れない。
戻れないものがある。