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すみだ山の会のブログ
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「世界に発信する墨田山の会」 谷川岳にて想う事       E藤()


  3月2日()7時、3台の自動車が土合口駅のベースプラザに集結し、8時頃いよいよ西黒尾根を谷川岳頂上トマの耳に向かって雪山登山を開始した。

初日は1200mの辺りでベースキャンプを張り、T島・M本・E藤が留守番、他がトマの耳を目指す予定だ。天気は朝のうち曇りがち。  ニブ色の雪面は汗にまみれたサングラスを外しても大丈夫だ。登り始めの雪は水気を含んでザリザリする。間もなく締って白砂糖になる。初心者E藤はトップのH子さんの足跡を懸命に捉え遅れまいと必死だ。けれども左親指の踏み込みが緩く、ともすればずるっとすべる。体を支えてくれても効果はない。やはり踏み込みだ!なんだこれ、岩トレと同じじゃんか!左親指で踏み込み、体重を親指の上に懸けてピッケルを右上の雪面に打ち込み、今度は右親指に…、ただ左手に掴むべき岩が無いのでバランスが悪い(2日目はH子さんがご自分のストックの一本を左手に持たせてくださる。これで怖いものなし)。前に前にと歩を進めなさい。へっぴり腰になってはいけません。姿勢を正しく。傾斜地では高い方にピッケルを持ち替え体重も高い方に懸ける。よく見ていて下さり、適切な指導が飛ぶ。そしてご自分は怪我で膝が治りきらないにもかかわらず、足跡を深く掘って歩いて下さり私の登りを容易にしてくださる。登りやすい。

天気も次第に良くなり右手マチケ沢を挟んで東尾根と西方にその岩礁が凹凸のある墨色の厳しい景色を造っている。遥か北方には白毛門・笠ヶ岳、後方の遥かに鈍く白い峰々。南は天神尾根とリフトを持つスキー場だ。

11時半、1300m辺りがテン場と定まり、傾斜を均し、雪塊を切り出して風よけの塀で囲み、大小のテント2張りしトイレと階段を作り休息と団欒が始まった。

会の運営などで話が弾んだころ、突然、会長が「世界に発信する墨田山の会」という言葉を発した。みんなポカンとし、やがて赤い顔の会長を見て酒に酔った!と思った。その言葉についてそれ以上の議論は進まなかった。

そして何と!「明日は全員で頂上を目指すぞ」という。えっ?聞き違い?ホントにホントにいいんですか?


翌朝3時に起床し、夕べのしゃぶしゃぶ鍋の残りのうどんで朝食に、ややゆっくりしすぎて   4時過ぎに出発。やがてライトも不要になり締った雪にピッケルがしっかり刺さり体を支えてくれる。ピッケルは普通は柄の方を突き立てるが、足場が高い時、雪が固い時、垂直面を下るときは矛先の部分を雪面に突き立てる。うんうんだんだん使い分けが出来るようなる。ピッケルって気持ちいい。やがて稜線が極端に狭くなりラクダのこぶ、ラクダの背をこえてザンゲ岩へと昇り詰める。夏道だったら岩場で苦労するのだろうけれど一面の雪なのでそれは少ない。ただ両サイドの雪庇が怖いだけだ。ただH子さんが作ってくれた足場にアイゼンの歯をしっかり打ち込んで歩くだけ。両サイドや岩場の遠景には目をやれない。そして高気圧が張り出していい天気が続くとの予想に反して、あたりは真っ白くなりはじめ風も出てくる。風に舞った雪が体に打ち付けてくる。そうそう私の水と最小限の非常食は会長が持ってくれていて私は生まれて初めてのノーザック登山。寒くなったらどーしよう?不安の中、カバーオールのフードとエリを立てる。前へ前へ。やがて「肩の小屋はそこだ」と白靄を指さす会長。


そして黒い頂上の道標が。嬉しさがこみあげてきて全員に感謝の握手と抱擁。道標を囲んだ写真をとる顔は涙で歪む。だって極寒の西黒尾根から谷川岳頂上に来れたんだよ。夢じゃないか?喜寿を越えて78になろうとしている墨田山の会新人の私が。
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天気も悪いのですぐ下る。あたりは白靄。そのなかを僅か雪の傾斜が赤みがかった銀灰色だったり銀青色だったりが透けてみえるだけ。幸い風は弱まった。
私はと言えば笑ってください。ちょっと古いが栃木の反省猿と同じくスリングをハラに回され、その端を会長に持たれた有様なのです(滑落防止のため)。しばらくそうして下りましたが、滑ることもなかったのでスリングは免除され、今度は人の足跡ではなく、未踏の雪を踏んで歩くこと、岩場でのクライムダウンをロープなしでピッケルの矛先とアイゼンの爪先を雪壁に打ち込んで(足先は会長が予め作ってくださっている)降下する方法などを習いました。
12時半にはテン場に着きテントをたたんでザックを背負い、1000辺りからはお尻で滑ることも教えていただき楽しんで3時半ごろ土合駅のベースプラザに着きました。


ところで、「世界に発信する墨田山の会」って何でしょう?あまり大きすぎて議論にはなりませんでしたが、どうも気になり、雪の中を必死に歩きながら考えました。世界の山を歩くことか?会長や先輩方はそうされていたかもしれないが、そして出来れば研鑽によってそうすべきかもしれないが、今の当会の実情にはない。むしろ言葉どうりに素直に読めば、何を世界に発信するのか?が重要ではないか?又今の世の中すべてがグローバルになっているのだから「世界」とは自分を含めて「すべての人々」と言い換えてもよいのではないか?そうだとすると墨田の会は人々に何を発信するのか?じぶんは抽象的に言えば「愛」だと思います。
自然を愛する心・仲間を思いやる心・先輩を尊敬する心、後輩を育てる心・自分をも愛し勇気と勤勉を育てる心・広く身障者をいたわる心エトセトラ、etc.これらはコスモですからその発信は世界に、世界中の人々に通用するのです。

今文章を中断して上野文化会館で聴いてきたベルリン放送交響楽団の発信した歓喜のシンバルと同じです。特に自然を愛する心は必然的に武甲山の姿を悼み、南ア、沖縄等の自然破壊を停止ないし極少にし、そのなかでも保護できる部位を拡大する声をも発信できるかもしれないと思うのです。皆様どう思われますか?と同時に「世界に発信する墨田山の会」という会長にあらためて驚きを禁じ得ないのです。 さすがー8000級を登った人は言うことが違うなー


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