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ズダーン!・・ATマグナムが炸裂し うす緑色の巨人は ぎこちなく 動きを止めた
轟音とともに 崩れ堕ちる鉄の塊・・・B−ATM−05フロッガー・・(ギルガメス軍では「ファッティー」と呼んでいる)
は バララント軍の主力ATである
その中から血まみれの男が ふらふらと這い出し・・己の血に足元をとられ その血の中で のたうちまわり
ぜいぜいと荒い息をはいていたが それも長くは続かず ついにはこと切れてしまった・・・
手には彼が本来居るべき場所・・
彼の帰りを待ちわびているだろう家族の写真が入ったペンダントを握りしめ・・
キリコは思った
本当に死ぬべきは この男だったのか・・それとも・・・
汚れた戦場を赤く塗りつぶす 酸の雨に打たれ 頬を流れ伝うのが 己の血なのか
背徳の赤い雨なのか・・それとも・・・ キリコの足元で 今は屍となっている 男の血なのか・・・
それすらもキリコには わからなかった
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いったいどれくらいの時間をキリコは歩いただろうか・・・
RSの基地は・・・ここからだと明け方には着くだろう・・・
いっそ着かなくても良いとすら思えた・・このまま永遠に歩き続けても ・・・かまわない・・・
あの男には 「帰るべき場所」 があった・・俺には・・・? そうだ・・俺には 帰る場所も 待ってる家族も・・・
そんな思いが胸をよぎった時 ふと前方に明かりが見えた
あれは・・・??基地まではまだあるはずだ・・・ それにあの人影は・・見覚えがある
「おっ!やっとご到着だぜっ!!」 「遅い!遅いぜっ!キリコっ!!」
「ヒューやったな賭けは俺の勝ちだっ!」 「ちっ!しゃーねーな」
「??お前達いったい・・」
「いや なに・・お前が帰ってくるかどうか賭けをしたんだよ まぁ暇だったしよ・・」
「そしたら誰も帰って来ない方に賭けようとしない」 「こんなんじゃ賭けにならないから帰ってくる時間で賭けようって事になってよ」
「ほれ見ろ!やっぱ夜更けすぎてるじゃねえか グレゴルーなんざ夕刻には帰ってくるなんてバカな事ほざくから・・ひひっご愁傷様」
「ばっかやろう!キリコはお前らと違って若いから もっと早く着くと思っての事だ!」
「へいへ〜い そうでしたね ま・なんとでも言ってくれ 俺は今と〜っても幸せ気分 今夜は曹長のおごりで酒池肉林だからな」 「ヒュー曹長太っ腹!」 「ちっ!くそったれ!まぁしゃーないわな・・」
あっけにとられているキリコに バイマンが背中をバンっと叩き 「キリコお前もダシに使われたんだ!曹長にご馳走おごってもらいなっ」 「おっいいな!今夜は飲もうぜっキリコっ!!」
・・・ああ・・・そうか・・・
キリコはふっと笑い 「そうだな・・・なら分厚いステーキを」
「おっ!お前言うようになったなっ!以前なら「いや・・コーヒーとサンドイッチでいい・・」なんて可愛い事いってたのによ・・な?サンドイッチでいいだろ?」
「いや・・ステーキだ・・」 「ちえ!先輩の教育がいいから後輩がこんな立派になっちまったぜっ!」
ゲラゲラと笑う 彼らの下卑た笑い (時にはこの笑いが彼をイラつかせたものだが・・)が
今のキリコには心地良かった・・・
「よーし!野郎共!!今夜は朝までどんちゃん騒ぎだっ!!んで・基地に帰ってからは楽しい楽しい独房入りとシャレこもうぜ!!」 「おうっ!!」
降り続いていた雨も止み あれほど寒かった夜風が 今は心地良く感じる
「・・・俺にもあったんだな・・・・・」
「?ん?お前今何かいったか?」 「・・・いや・・・なにも・・・」
・・・・そうだったな・・ ・・・・俺の帰る場所は・・・
冷たい雨もとうに止み 夜空には 星ぼしが ほのかな光を瞬かせ 男達を優しく包んでいた
END
赤肩シリーズ 今回はこれで終わりです ご意見ご感想お待ちしてます
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2012年12月04日
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