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今年はなにやら例年になく忙しく、おまけにPCが壊れたりして、ブログを書く時間もなかなか作れない。とはいえ、長期間なにも書かないでいると、あいつの文学熱も冷めたか、と誤解を受けかねない。実際のところ、文学への関心はぜんぜん冷めることなく持続していて、ただ時間がないばっかりに、去年のように一日一冊とか読むのはとても無理な状態。 忙しくなった一番の理由は、映画ライターの仕事が増えてきたこと。(あと酒も)。小説より映画に接することの方が多くなったけど、どっちも好きだし、小説と映画を区別しようという意識はなるべく持ちたくない。 ところで最近観た「MI3」のトム・クルーズも、それこそ非常に忙しい男だった。48時間以内にミッションを成し遂げないと愛妻を殺されるって設定なので、そりゃもう忙しいのなんの。アクション満載で東奔西走するトムの姿には爽快さがある。本当の自由は拘束された状態にこそあると言うけど、まさにそういう自由さを感じさせる。すべきことの優先順位すらつけられない忙しさの中で、意識は自らを離れて目の前のものにだけ集中する。スポーツ感覚と同じ研ぎ澄まされたピュアな「明晰」さ。ある枠組みの中で何が選択可能かという点に物語の伏線を張るのが常套的なサスペンスのセオリーだけど、MI3は全く逆。限られた時間の中で何をすべきか? なんて悩まない。無茶なことでも思いついたら即座に実行する。なぜかって、時間がないから。という具合の逆転ぶり。潜在的な可能性「if」が物語の力点になる代わり、自動的な反射運動が物語を駆動させる。この映画は、映写機のリールがフィルムを巻き取るように最初から最後まで自動的に進む。登場人物も観客も誰も悩むことなく、運動感覚の中に溶け合う。スポーツにおける瞬間的な選択は、内発的なものでなくて、状況から導かれる肉体的・反射的な選択であり、トム・クルーズがやってるのはまさにそれなのだ。映画の登場人物という観点から離れてトム・クルーズを見ても、そもそも俳優という職業の性質がそうだし、ジャッキー・チェンばりにすべてのスタントをこなす姿勢もスポーツ的。「カクテル」でグラスやボトルを巧みにジャグリングし、「ハスラー2」でプロばりのキュー捌きを披露し、「7月4日に生まれて」でタフな車イスの操縦をやり、「宇宙戦争」ではとにかく走りまくる。肉体鍛錬を経ることで自意識の外に踏み出し、与えられた役割をプレイする。トム・クルーズにスポーツをやらせたら一流選手になると思う。
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アクション映画の神髄ですね。トムクルーズの映画を見てみようかな。
2006/9/2(土) 午後 0:23 [ - ]
MI3は安心してお勧めできる映画のひとつです。ぜひ観てみてください。
2006/9/3(日) 午後 1:52 [ sun*o3*59 ]