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『グエムル〜漢江の怪物〜』は、『殺人の追憶』のポン・ジュノが撮ったモンスター・パニック映画。ちょうどこの前ソウルに行ってきてばかりで、市内の中央を流れる大河、漢江(ハンガン)を目の当たりにしてきただけに、なるほどと実感できる部分も多かった。漢江はソウルのセーヌ河なんぞとも言われるようだが、大都市を貫く大河を映画の舞台にできるのは特権的な幸せであり、東京人にとっては羨ましい限りだと思った。ジャンルは違えども、本場セーヌを舞台にした『白夜』とか『ポンヌフの恋人』もしかりである。東京の場合、河川があるにはあっても、残念ながら新宿なり銀座なりといった中央部を横切るとまではいかず、江戸の頃にはけっこう盛んだったらしい川岸の文化というものがない。多摩川といっても、せいぜい「タマちゃん」とかいう奇妙な生物が散発的に出没するだけで、とてもグエムルのような怪物を生み出すスケールはない。しかしポン・ジュノという監督、『殺人の追憶』のようなシリアスな映画を撮ったかと思えば、今回のようなコミカルなパニック映画も撮ってしまう器用な人で、ともかく場面の構成力と演出力に安定感がある。こういう韓国映画を観てしまうと、早く日本映画も盛り上がってほしいと切に思う。
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『パイレーツ〜』は、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイの3人を軸に展開する海賊アクション大作。この映画は前作も含め、ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウ船長の立ち位置が絶妙。ハリウッド映画の場合、役者の人気の高さがそのまま物語における役割のウェイトに反映する。本シリーズでも断然ジョニー・デップが主役を演じるのかと予想される。だが、メインストリームのドル箱映画より作家性の強い佳品を好んできたこれまでのジョニー・デップのフィルモグラフィがそうであるように、本シリーズの中でも、物語の中心から微妙に外れたところで、何とも味わい深い役柄を演じている。オーランドとキーラは、基本的に二人一組でロマンスを展開するわけだから、物語としてブレないわけだけど、なにやらデップはその脇でチョロマカしてる印象。でもそれがすごくいい。ところでキーラ・ナイトレイだが、ウィノナ・ライダーの正統派後継者(?)なんぞと言われるだけあって超絶美女だ。頭はよくないかもしれないが。すっかり気になってしまい、ゴシップ記事などネット検索してみたら、なんでもアカデミーにノミネートされてから急に傲慢な態度をとるようになった鼻持ちならぬ女優などと書かれており、現場スタッフからはキーラ・ナイトメア(悪夢)と恐れられているらしい。しかしそんなゴシップも、ハリウッドというショー・ビジネスの世界ではむしろ頼もしいぐらいであり、さっそく大女優の片鱗を覗かせているとも言えるだろう。そんなキーラのように、実力や人気度がそのまままかり通るハリウッドのシステムの中で、デップの立ち振る舞いは知的で反体制的であり、清々しい。
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