『ホームタウン』・小路 幸也著(幻冬舎)本当は誰だって
誰かに優しくしたいと思っている
札幌の百貨店で働く行島征人へ妹の木実から近く結婚するという手紙が届いた。両親が互いに殺し合った過去を持つ征人と木実は、家族を持つことを恐れていたにもかかわらず。結婚を素直に喜ぶ征人。だが結婚直前、妹と婚約者が失踪する。征人は二人を捜すため決して戻らなかった故郷に向かう…。家族の絆を鮮烈に描く傑作青春ロードノベル。 安定の優しさ。
胸がいっぱいになるー、のでありまする。
家族とか、
そういうテーマでお書きになりますと
この作家さんは絶妙なポイントでワタシのツボをついてくれるので
せつなくなったり、わくわくしたり
すごーく忙しない心持で読む羽目になるww
兄妹って
この作家さんの設定で多いような気がしますが、気のせい?
ふふ
お互いを想う雰囲気がとても素敵だった
しかし!
家族と言えば忘れてはならないのが
下宿先のおばあちゃんとお孫さん
彼がどんな人かもきっとわかっていて、暮らしている
その優しさが心にしみるのです
年の功・・・
だけではない何かを、きっとお持ちでいらっしゃる!
忘れてはならない愛すべき登場人物さまさまも
小路作品の醍醐味ではないでしょーか★
ハラハラの展開も最後は優しい幕引きにほろりとする
この作家さんは、ここが好きだ。 *
|
全体表示
[ リスト | 詳細 ]
『十字架』・重松清著いじめを止めなかった。ただ見ているだけだった。それは、「罪」なのですか――? 「あの人」も苦悩している
本当はどうすれば良かったのか
あの時怒鳴って泣いて哀しみを露わにすれば良かったのか
その場面に出くわした私は、何となく気づいた
悲しければ大人だって、子どもを責めたって許されるのではないのかな
その事がどんな結果になったって悲しいものは悲しいのだと
伝えても良いのではないのかなと、そう感じました。
この類の物語にいつも出てくる言葉
「こんな事で死ぬとは思わなかった」
そうしてそれはきっと
現実の場面においても非常によく使われている言葉なのだろうなぁと思う。
誰もが知っていた
だから日常の風景になっていた
彼がされる事も、自分たちが見過ごす事すらも
当たり前の景色になっていた
自分の記憶にある、景色が物語の中に在って
その事に、正直息が詰まるのです
ただ違う事は私が見過ごしていた彼らは死ななかった、生き続けた。
でも本当は、私の景色に居た彼らだってそうしたい、そうしようと思う事があったのかもしれない。
あの頃から今までにニュースを見る度に、想いは過ぎっていたのです。
どうしてこの二人だったのかは、明かされないままに、この物語は閉じてしまいます
これだからかなぁ
こう思うからかなぁ
繰り返し描かれる思い出の数々の中にその理由を探そうとするのですが
明確な答えは探せぬままになってしまいました
其処のところは読みしろ、と言いますか
読む人によって考えても良い事なのかなって都合よく解釈し
時折思い出しては
あの遺言を書いた少年の、その時の心情に想いを重ねてみたりもします。
あの人と僕の間にも
確たる答えは見いだせていないような
結局本当に歩み寄り出来たのかなってそうでもないような
でも本当の人の営みってこういうものなんだろうなぁとですね
記される言葉の一言一句が、じっとりと脳裏に貼り付くのです
丹念に描かれる一人一人の感情が
言葉として目で読んだ後に、ゆっくりゆっくりと、感情の襞に隙間なく浸透してゆくのです。
だからずっと考えている
でもやっぱり分からないでいる
それは私があの少年の立場にならないと
永遠に分からないものなのかもしれない、と、最近そう思い始めてきました
なので感想を書くと言う行為に、至る訳なのです。
悲しみは、消えないよ。
最近耳にした。大好きな人がそう言った。
だから、きっとそうなんだろうし、本当は私も、その事には気付いている。
悲しみは消えない。思い出していないだけで無くなりはしない。
だからふとしたきっかけで簡単に思い出せる。簡単に悲しみの淵へ戻される。
だけど生きている
だから、生きているのだろうか。
無くならない悲しみを抱えるからこそ、見つかられる答えもあるのでしょう。
眼前の十字架、それから、あの人と僕はどうなってゆくのか
その先を想像する、今の私なのでありまする。
しんどいかも。でもできれば読んで見ても良いかもです。
自分のした事と、された事がたくさん詰まっている。
言いたかった事も、言われた事も。今なら読める事が、たくさんでした。 |
『和菓子のアン』 坂木 司/光文社デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。 あれ以来、和菓子屋さんのケースが身近に思えるのです。
この国の四季、歳時にまつわるあれこれにほんの少し触れられる。
ほんのりじんわり人の想いにも触れつつ、お勉強。
とても優しくて、そうして切なくて
温かくて、厳しくもあった。
情景の豊かな、甘いお話。
私が通り過ぎる、その時に感じている以上に、百貨店と言う場所には沢山の想いが持ち寄られるのだなぁ。
いちいち関わっていては切りが無いのでしょうが、その想いに丁寧に接することで得られるものがある。
いい子だなぁ。幸せになると良いなぁ、皆も。
現れるキャラクター全てが愛すべき者って、久しぶりに会ったかもぅ。
皆が頑張る姿が、気持ちよく想い描く事の出来る物語でした。素敵。 *
|
『花咲小路四丁目の聖人』小路 幸也著/ポプラ社その昔、イギリス中の美術品や金品を上流階級から盗み、現場には“saint”と刺繍された手袋を片方残すのみで決して捕まらなかった世紀の大泥棒。そんな「泥棒紳士」が実は日本に帰化して、ここ花咲小路商店街に隠居中なのです―ダンディなご隠居が、手腕を活かして商店街の事件を解決。じんわり心温まるエンターテインメント。 大好きだー!
なんでこの作家さんはこんなに夢があるんだー!
ただただもう、楽しかったのです
でもって、美味しそうでしたね、メニューの色々が。
こんな人が居て、こんな事が起こったら楽しいだろうなぁと思った
有りそうだよねとか、本気で考えた。
続編もあるんですよね。買わなきゃ!
でも
大してどうという感想を述べるには至らない、と言いますか
娯楽要素満載で、楽しいんですけどね、良いんですけどね
読み返すかって言うと、それはどうだろう。
ラストで何とかなりそうだった二人は
続編で何とかなっているのかな。るる。 *
|
『わたしがいなかった街で』柴崎 友香著/新潮社2010年の世田谷から、1992年のユーゴスラヴィアで、そして1945年8月14日の大阪で―。1945年に広島にいた祖父。大阪で生まれ育ち、2010年の東京で一人で暮らす36歳のわたし。無職生活を続ける友人の中井、行方不明の「クズイ」…。戦争や震災など過去の記憶と、65年前に書かれた作家の日記が交錯し、現実の時間が動き始める。読むものを深い思索へ誘う傑作小説 心の再生、まで辿り着いたかどうか。どうなんだろう。
ただ凄く、本当にすごく何かが伝わる物語です。
でもって、今現在も、じわじわ何かが広がってるんですよね、私の心のなかに、進行形で。
延々と観続ける映像
あの感覚、他のものには変わるけれども私にも在る、そう思いました。
自分ではない、どこかの誰かの景色に逃げ込む、と言いますか覗くというのか
あの気持ち、なんだか分かる気がした。
哀しみとか寂しさとか
抱えて続く毎日とか
何事も起こらないけれども人の営みは物語ではないのかな
なんだか今はあの物語を読んでそんな事を考えている。
あのね、読んで見て欲しい
貸してあげたい、かも。
読んで、思って欲しい。自分に芽生える感情を、想い続けて欲しい。 *
|




