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「あの当時の新聞に、イランで切れていた区間がつながり、北京からパリまで、線路
が繋がった、という記事があった」
「北京発、パリ着。何か夢がある」
「実際には、そんな列車は走っていない。イラン・イラク周辺の戦争で運行できない」
「早く、平和になり、北京〜パリ間の列車が運行さればいいのに」
「あー、北京を出てウルムチ、テヘラン、イスタンブール、パリに着く」
「鉄道ファンなら、トライする人もいるよね」
「いるいる。僕でも行きたいさぁ」
「貴方も、なんだかんだと言って、いろんな国の列車に乗ったわね」
「一部分だけだがシベリア鉄道、そしてモスクワ〜ウィン〜ロンドン、ヨーロッパ一周に
インド鉄道。おもしろかったなぁ」
「で、白馬寺と少林寺は、どうだった?」
「少林寺は、拳法で有名」
「知っている」
「今でも、拳法の修業をやっている。観光客も多い。で、模範練習も見せてくれる」
「小さな子が、拳法の型をやっている姿は、かわいい」
「凛々しくてね」
「白馬寺は、インドの僧が仏教の経典を、初めて中国に持ってきた寺」
「白馬に乗ってやって来た。そこから、白馬寺と呼ばれている」
「そう、空海が留学したときにも、白馬寺を訪問している」
「多くの日本人僧が訪れた由緒あるお寺ね。白馬寺でもらった『馬の彫刻』をお墓に、
置いているね」
「お墓ね。もう8年前になるが、母親のお墓を、親父と2人で造った」
「市役所が造成した墓地に、永代使用料を払い、与えられた墓地に自由にお墓を建てて
いい、という条件だったわね」
「そう。自由だが、さて、どんなお墓を建てようかと思い、いろいろ本を読んだら、
制限の多いこと。びっくりしたよ」
「なんで、お墓は自由でしょ」
「それがね、墓に関する本を書くという人は、その業界に生きるひとたちなんだ」
「そうか、業界のために書く。自分達の利益に反するようなこと、自由なことは
書かない」
「そう、本を読んでいて、イヤになり、途中で読むのをやめた」
「で、どうしたんだっけ」
「空想さ、古墳時代まで気持ちを遡った」
「近くに美旗古墳もあるし、空想もし易い」
「古代のお墓は、個性がある。天皇家とか領主だけが、お墓を建てていた」
「庶民は、土葬でお墓は造らなかった」
「もっとあとの時代だね。庶民がお墓を建てるようになったのは。最近は、何百万円
という費用をかけて、りっぱな石で、お墓を建てる」
「墓石屋さんの、思いどおりにね」
「で、親父と相談して、例えば、墓石が一枚の石でないと、継ぎ目の石を使うと
継ぎ目から運が逃げていく、という忠告を無視することにした」
「一枚石って、値段が高い」
「そう。今は、中国から輸入している」
「貴方、お墓の設計図を書き、資材を探し、お母さんのお墓を造った」
「手作りのお墓だ」
「そこに、白馬寺の馬の彫刻を置いたのね」
「馬の彫刻は11年前に、貰ったもの、案外、丈夫だ」
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