|
私の家に
裏も表も真っ黒な ながーいシッポもまっくろで、目もくろかった。 名前はくろ 夏に母の実家に帰るとき、父が玄関扉の横のすりガラスの下にくろが出入りする穴をあけた。 くろはある日突然いなくなった。 帰ってこなかった。 お兄ちゃんとくろを探した。 一人でくろを探した。 見つからなかった。 どのくらいたったのかなあ。 ある日くろが家にいた。 くろはまあるくなって眠ってた。 くろより小さい気がした。 くろは深い眠りについていた。 そのころ、父の仕事を手伝っていて家に下宿していた人が田んぼの畔道の奥で眠っていたくろを見つけてくれた。 くろはお庭の桃の木の横に眠ってる。 真新しい自転車の横で年長さんの私に抱かれて頬ずりされてるくろの写真がたった一枚だけ残ってる。 生き物は写真に撮ると長生きしないと言っていた両親の言葉でくろを写真に撮ることはなかったはずなのに、たった一枚だけ残ってる。 わたしはくろを抱き締めて頬ずりしている自分の顔が一番好き。 なぜかオペラ歌手さんちの ねぇくろ 私のこと好きだった? 私はね、くろのこと大好きだったよ。 小さくなってしまったくろをみて泣いた。 「泣くもんじゃない。 くろ、ごめんね 泣いてあげられなくて。 悲しんであげられなくて くろ、悲しかったよ。寂しかったよ。 くろがいなくなって。 |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用




