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介護は4Kの仕事

1.Kusai臭い 2.Kitanai汚い 3.Kibishii厳しい 4.Kowai怖い

1.Kusai臭い

 フレッシュなおしっこやウンチのにおいはむしろ良い匂い。しかし、古くなった小便のにおい、古くなった垢、汗、排出物のにおいは堪らない臭さだ。研修を受けている時に、ある介護施設の病棟に行き、玄関を入ったとたん、我慢できずに息を止めてすぐに表に出て来てしまうほど酷い臭いのところで、教師曰く、このような時はビックスのベイポラブ(VapoRub)を鼻に塗っておけば我慢できる、ということだった。ここで働いている人達は本当にすごい。こんなことは経験してみなければ到底解ることでは無い。残念ながら患者本人は、臭いに日々不感症になっていくのである。そして臭いはどんどん蓄積され、複雑な、云うにいわれぬ悪臭と化す。さらに体調がくずれると、どんなに清潔にしても体からなんともいえぬ嫌な臭いが湧き出す。そんな状況の中で何時間も笑顔でお世話をして過ごせますか。

 職業病なのだろうか、アラモアナ公園をジョギングしていると、ホームレスの人達がトイレにしている場所が分ってしまう。パーキング場の階段の臭いがたまらない。日本で電車に乗ると、時々シルバーシートに敏感に反応してしまう。たぶんおしっこを漏らしたのだろうと、すぐに分ってしまうのだ。

2.Kitanai 汚い

 おしっこやウンチなど洗えばすぐに落ちるけど、怖いのは眼に見えない黴菌、細菌、病原菌。汚染された血液。病院で働く人達は、シビアに手袋を二枚重ねたり、エプロン、ガウン、マスク等様々な物を使って予防しているけど、家庭での介護では手袋、手洗いくらいのことしか出来ない。手洗いの後はペーパータオルで拭いて捨てるのが良いけど、現実には自分のタオルを持ち歩き、何度も繰り返し使うことになる。学校の研修で教えられたようにはならない。

 糖尿病の患者さんの血糖値を量るのに本当は手袋をしなければいけない。けれど、実際に器具を取り扱うのに手袋ではやりにくい。本当に少量の血液でも、えたいの知れない血液は怖い。
最近ものもらい(眼病)に罹った。子供の頃に罹ったことはあるけど、何十年も罹ってはいない。患者さんのシャワーのお手伝いやスポンジバスの時は、汗だくになる。眼鏡は自分の汗で曇ってしまう。汗を拭う暇がないから目にも入ってしまう。そんなことが原因かと思われる。

 以前内科医のところで仕事をしていた時に、B型肝炎の予防注射をすることになって抗体検査をすると、3人のうち2人には既に抗体が出来ていた。これには検査を受けた本人達がびっくりしてしまった。一番仕事の時間が短かった私だけが抗体が出来ていなかったのだった。医師曰く、おそらく患者さんから感染し、快復した結果だということであった。

3.Kibishii厳しい

 老人には大抵収入は殆ど無く、蓄えを切り崩して介護費用にあてるから、経済的に当然シビアになる。家族の都合アポイントメントの都合で、スケジュールの変更キャンセルが突然に起こる。払う側にとっては大金。けれど私達の時給は10ドル前後。緊急の場合はオーバータイムもたまにあるけど、通常は無い。むしろ減らされる方が多い。朝7時からの仕事、午後からの仕事、夜通しの仕事、2時間、3時間、6時間、10時間、12時間、切り刻まれた不規則なスケジュールをこなす。こんなにも不安定な仕事なのが介護の現実。

 虐待が問題になっているが、介護の仕事を選んだ人が、あるいは家族の介護をしようとする人が、初めから虐待をしようとする人は居ないと思う。一生懸命がんばればがんばるほど、深みにはまり込んで、逃げ場の無いやり切れなさが、少しづつ人を毒していく。

4.Kowai怖い

 病気の人をお世話するのは怖い。この仕事を始める前には、必ず心臓蘇生術(CPR)の講習を受けなければならない。介護に行くと先ずファイルを見て患者の病歴、薬、介護の内容、緊急時に蘇生術をするか否かを確認する。毎年CPR講習を受けても、実際したことが無い。本番で果たして役に立つのか不安だ。もしも自分の担当している時に容態が急変したらと思うだけでぞっとする。歳をとると大体の人は皮膚が脆く敗れやすくなる。ちょっとぶつけただけで皮下出血を起こす。そしてちょっとぶつけたりするだけで皮膚が破れ出血する。



 介護は大変な仕事だが、誰もがしなくてはいけないこと。歳をとらない人はいない。病気にかからない人もいない。親のいない人も居ない。自分だけが介護される側になろうなんて虫の良い話は無い。

 患者さんのプライバシーは絶対守らなくてはいけない。家族が介護をしている場合も同じだと思う。老いること、病気になること、体が不自由になることは決して恥ではないが、それについてくるものはとても重く簡単に人に話せるものではない。介護の現場で綺麗な話し、楽しい話など殆どない。むしろ悲惨で、悲しくて、切なくて、寂しくて、やりきれない思いを、吐き出すことが出来ないまま、自分の無力と戦う。それを他の人に話して心を軽くすることが出来ず、さらに自分に重くのしかかってくる。介護を知らない人に話したところで、見当違いの答えが返ってきて云わなければよかったと後悔してしまうことも多々ある。だから同じ仕事をする仲間同士、あるいは患者さんの家族とのコミュニケーションが心の救いとなる。言葉は殆ど要らない。そうだね。どうしようもないね。そんな風に辛さを共感してくれるだけでいい。

 一生懸命家族の介護をしている人たちがたくさんいる。けれど、口は出しても手は出さない、見ているだけで自分からは手を出そうとしない家族もたくさんいる。夫婦間、親子間でコミュニケーションが取れなくなっている。立場を代えて考えてみて欲しい。

 見るとやるとでは大違い。わからない、できないは理由にならない。初めから上手に出来る人は居ない。試行錯誤を重ねてその人に一番適したやり方を探していくのが介護だ。
たとえ1時間でも2時間でも実際に介護に参加してくれることが大切なこと。自分の大切な家族のために、そして自分の番が来たときのために。

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コメント失礼します(* >ω<)
ふむふむ!と私にもあるある!と感じてしまうブログでした☆
最近は、私はバイナリーとか食とか最近の出来事について書いてます♪
お互いに共感する部分があるかも知れないので是非、遊びに来て下さい(*´艸`*)

2015/3/25(水) 午前 1:48 [ ゆうママ ]

今、ハワイに来ています。私は小規模多機能施設で、あるいはグループホームで通算4年の介護をしています。
ハワイの介護はどんな風なのか、知りたいなと思い、ここに、きました。
チャンスがあるといいです。

2016/5/22(日) 午前 3:47 [ なべこ ]


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