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水曜日や木曜日は裁判所のあちこちで口頭弁論や弁論準備手続きが行われています。
裁判所に行けばすぐ分かりますが、民事訴訟における口頭弁論とは名ばかりで、実際は準備書面をあらかじめ裁判所および相手方に送付しておき、口頭弁論ではその書面を陳述すると言って終わってしまいます。
司法試験の勉強をしていると、口頭弁論の意義とは、公開の裁判で、当事者双方関与のもと、判決をする裁判官が、口頭での弁論に参加することで、しっかりした議論ができその結果が判決に反映されるのだと教わります。
そして、口頭弁論が事実上書面化されていることに危惧する教科書、予備校本があります。
しかし、証人尋問をするならともかく、単純に弁護士がその場で同じ内容を陳述するならば、準備書面によって提出した方が、裁判所としては時間も労力もかなり節約され、数多くの事件を処理することができ、さらにその書面をしっかり読み込める時間も確保できるという大きなメリットがあります。
当事者にしてみれば口頭弁論が5分とか10分とかで終わってしまうことに不満を持つかもしれませんが、裁判所や相手方は、一生懸命書類を読んで争点を明確にし事件が適切に進めるよう努力しています。
陰の努力は表にでてこないという場面をまざまざと感じるところです。
一方弁論準備は場合によって1時間ぐらいかけて裁判官が当事者を入れ替わりに説得・説明し、和解を示唆したり、争点を確認してそこへの主張立証を示唆したりと、重要な役割を果たしています。
争点整理手続きとして、準備的口頭弁論、弁論準備手続き、書面による準備手続きがありますが、今のところ、弁論準備手続き以外の手続きに入ったことはありません。
口頭弁論だと公開原則があるので相手方を交互に説得・説明するのに差支えがあるのでしょうし、書面による準備では機動性に欠けることから(例えばその日中に和解にまで持ち込むことができない)利用する場面は限られてくるようです。
今日は指導裁判官から、受諾和解で決着がつきそうな事件について、その和解条項を考えてみろと指示を受けました。
考えること約1時間半、たった4条の条項ですが、誰を当事者とすべきか(和解の場合、訴訟当事者以外の人も和解に参加して貰うときもあります)、どのような権利義務を入れておくべきか、確認条項に留めておくべきなのか給付条項にすべきなのかなどなど、考えなければならないことには事欠きません。
初起案となる和解条項案を裁判官に提出すると、裁判官からはこれはどうなっているのか、どうしてこちらの考え方にしないのか、この条項は他の条項と矛盾しないのかなどなど色々突っ込みをうけ、それに対して僕はこう考えます、こういう組み立てになっているので矛盾しませんなど、自分の思考過程、条項の組み方を説明し、またそれに対して裁判官の突込みが入ります。
こういうのを経験すると、実務っておもしろいと感じます。
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