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オリンパスの件

オリンパスの代表取締役であったウッドフォード氏が、代表取締役として得られるはずであった報酬10年分をオリンパスに請求したイギリスでの事案について、和解になりそうだ、というニュースが先日ありました。
 
日本だと、この請求が認められるかなー、と少し考えてみました。
株主と取締役は委任関係にあるので、その報酬は当該委任契約に基づき決まります。
ウッドフォード氏は2011年6月に代表取締役になったようですので、そこから2年(オリンパスの定款上それより短い期間であればその期間になります)取締役としての収入が得られるわけですが、2年後にまた取締役になるとは限りません。
株主がウッドフォード氏の再任を拒否する可能性もあります。
また、取締役会が別の理由で、今度は適切にウッドフォード氏の代表取締役としての地位を解任することもあります。
そうすると、10年分の報酬をよこせ、というのは、仮に代表取締役の解任が不当だったとしても、確実に得られた報酬とは言い難いことから、認められない金額だろう、という予想です。
 
ただ、場所がイギリスなので、この点どう捉えるのかは分かりません。
しかし、イギリスでは訴訟前に和解交渉をする必要があり、それで駄目で初めて訴訟に移行すると記憶しております。
その場合、日本の法人内の問題で、日本での出来事を対象としているので、はたしてイギリスの裁判所に管轄があるのか、ということになります。
その点、ちょっと興味深いです。

最高裁 違憲状態判決

画期的な判決(正確には判決理由)が出たといえるんじゃないでしょうか。
最高裁が、2009年8月の衆院選選挙における、投票価値の平等について、最大2.3倍あったことは違憲状態である、との判断を示しました(ただし、選挙が無効とはしませんでしたので、上告人敗訴ということになります)。
 
これまで、3倍ぐらいまでは合憲としてきた最高裁も、昨今の流れを受けて、2.3倍でも無効であると判断したことは、今後の選挙の有り方を大きく変えていくことになると思います。
 
 
2009年8月の衆院選を巡り、議員1人当たりの有権者数の格差(1票の格差)が最大2・30倍となった小選挙区の区割りは、投票価値の平等を保障した憲法に反するとして、各地の有権者が各選挙管理委員会に選挙無効(やり直し)を求めた訴訟の上告審判決が23日、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)であった。

 大法廷は、各都道府県に1議席を配分した上で残りを人口比で割り振る「1人別枠方式」と、同方式で生じた格差について「違憲状態」と判断し、同方式を廃止するよう求めた。選挙無効の請求は退けた。
 
本日Y!ニュースに以下の記事がありました。
 
楽天ファウルボール訴訟 負傷男性の請求棄却 仙台地裁判決
 
(記事の概要)
 Kスタ宮城の内野席で楽天の試合を観戦中、ファウルボールでけがをしたのは球場の安全対策に不備があったためだとして、楽天野球団と球場を所有する宮城県に約4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は24日、請求を棄却した。
 裁判長は「球場の安全対策は当然だが、観客にも注意が求められる。近年は内野席をせり出させた球場が好評で、臨場感はプロ野球観戦に欠かせない要素。過剰な安全施設はプロ野球の魅力を減らす」と判断の前提を示した。 その上で「内野フェンスはプロ野球開催球場の平均的な高さで、ファウルボールへの注意喚起も行われている。安全対策は十分だった」と判断。「プロ野球観戦では臨場感を確保する必要がある。フェンスを高くするなどの措置は、臨場感を損なうことになりかねない」と述べた。
 判決によると、原告は、Kスタ宮城の三塁側内野席で試合を観戦。2回裏の東北楽天の攻撃中にファウルボールが右目を直撃し、搬送先の病院で眼球破裂と診断された。
 
運が悪かった、としかいいようがありません。
野球観戦である以上、基本的には、ファールボール等が飛んでくる危険な場所であることは十分予測していたはずです。従って、かかる危険からは、自分で守るのが原則なんだと僕は思っています。
なお、球場側による安全網の設置はあくまで興行をうまくいかせるためのサービスであり、義務ではないと思いますので、この点は上記裁判例とは考えが異なります。
しかし、仮にこれが義務だとしても、上記裁判例が認定した事実からすれば、通常球場が備えるべき安全基準は満たしていたようですので、これによって怪我をしたとしても、その責任は後は観客自身が負うべきでしょう。
 
僕は、仮にネットが張ってなくても、それを覚悟で観戦することを決めたのは観客自身なんですから、かかる安全網の不存在に基づき生じた損害について、球場も球団も責任を負う必要は無いと考えています。
見せる側に安全配慮義務があるというのは、見る側の自己の安全を確保する行為を怠慢したことから生じた損害の負担を他人に特に理由もなく転嫁しているようにしか見えません(子供など、配慮ができない者を対象にしている興行の場合は別ですが)。
それを見ると決定したのは自分なんですから、その対象から通常生じる出来事によって自分の身に生じた損害については、基本的には自分が負担すべきです。
武富士の元会長から贈与を受けた長男に対する課税処分について、平成23年2月18日、最高裁第二小法廷が判決を下しました(判決文はもう、裁判所のウェブサイトから見ることができます。早い)。
 
最高裁の判決を読む限りでは、本課税処分の争点は唯一つ、長男が贈与を受けた時の住所はどこだったのか、ということに尽きると思います。
 
この点、原審である高裁は、長男は、その当時、生活の大半を香港で過ごされていたようですが、課税回避目的であることを挙げたうえで、生活していた時間がはるかに少ない日本に住所があると判断しました(なお、地裁は住所は、香港であると認定しています)。
 
これに対して、最高裁は、課税回避という目的があったとしても、住所をどこにしていたのかという実体を左右するものではなく、実際に長男がどこを生活の本拠地として生活していたのかを客観的な状況から判断すべきであり、長男の生活の本拠地は仕事もしており、期間も長い香港にあると認定しました。
 
これだけ読むと、常識な結論かと思います。
高裁の判断は、最高裁の判決を読む限り、あまり賛成できないですね。
この判決の結果、長男には、約2000億円の還付がなされるそうです。しかもそのうち利子が400億円ぐらいだそうです。
ある税理士さんのブログによると、この400億円は所得税の対象となるそうであり、結局200億円ぐらいは税金として納めなければならないそうです。
そうすると実体としては長男の手元には200億円多く残るということになります。
 
これほど多大な利子を税金から払うはめになったのは、明らかに国税庁の不適当な課税処分のせいです。
課税したのは、杉並税務署長だそうですから、ぜひこの人は、身銭をなげうって、この無駄に支払うはめになった利息分の穴埋めをしてほしいと心の底から思っています。
 
なお、武富士に過払い分をした人たちの弁護団は、この2000億円を債務者に返還させるため、この長男に対して、損害賠償請求を検討しているようです。
感情論としては、分かるのですが、法理論からすると、なかなか難しいのでは、と思われます。
まず、不法行為に基づく損害賠償請求を考えた場合、長男の違法な行為とは何なのかを決めなければなりません。
これが僕にはぱっと思いつかず、不法行為は難しいように思っています。
 
次に、長男は、取締役だったので、会社法429条に基づく損害賠償請求が考えられます。
この場合、どの行為に、どのような悪意または重過失があったのか、またその行為によってどのような損害が生じたのかを立証しなければなりません。
これもまた、どの行為を対象とするのか、設定が難しく、この線もかなり難しいような気がします。
 
私には思いもつかない法理論をきっと弁護団は組み立ててくるでしょう。
それを記載した訴状(もしくは準備書面)をぜひ読んでみたいです。
 
 
Y!ニュースで以下の記事を読みました。

死刑判決、全員一致条件…廃止議連が改正案骨子

読売新聞 2月15日(火)14時41分配信
 超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」(会長・亀井静香国民新党代表)がまとめた、裁判所法、裁判員法、刑法などの改正案の骨子が15日、明らかになった。

・・(中略)・・

 骨子は、第1審の裁判員裁判では裁判官3人と裁判員6人の全員が一致した場合のみ、死刑判決を下せると規定。控訴審と上告審でも、裁判官の全員一致が必要とした。

 裁判員制度では、多数決(裁判官1人以上の同意が条件)により、死刑が評決できるが、昨年秋から死刑判決が相次ぎ、裁判員への精神的な負担が重すぎるとの指摘が出ていた。骨子は、全員一致に限定することで、裁判員の精神的負担を軽減する狙いもある。
 
=以上=
 
刑事訴訟手続における当事者は裁判官でも裁判員でもなく、検察官と被告人です。
今の刑事訴訟法では、両者がどのようにお互いの主張立証を十分行い、その上で裁判官に証拠に基づき判断することを求めています。
しかし、ここに裁判員が加わることで、裁判員の負担を減らすために、どうすればよいのか、という視点で、刑事訴訟手続の改正話が進んでいるようです。
そもそも上記の話は、制度が確定する前からの議論になっていたようであり、この時点であーだこーだいうものではないでしょう。
現実をみて、初めて悲惨さが分かったというようでは、いかに政治家や担当行政官が、想像力に欠けているのかを如実に示しています。
 
私は、裁判員制度には反対の立場であり、もし導入するとしても、少なくとも被告人に、職業裁判官による裁判を選ぶか、あるいは裁判員が加わる裁判を選ぶかの、選択権があって然るべきであると考えています。
被告人の立場からの制度の充実ではなく、判断者にすぎない裁判員の立場で、刑事訴訟手続を変更していくことは、本当に正しいのか、少なくとも弁護人を務める弁護士は本当に考えなければならないと思います。
 

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