DoobieのCINEバカ日誌

映画館に行こうと思いながら行けません。。。

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わたしを離さないで

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NEVER LET ME GO
2010年度作品
監督:マーク・ロマネク
原作:カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川書房刊)
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ、シャーロット・ランプリング

★★ネタばれ注意★★

クローン人間から提供された臓器を移植して治療する方法って、将来できるようになるのでしょうか。

〜あらすじ〜
イギリスの田園地帯、緑に囲まれたところにある寄宿舎ヘールシャムは、ある「秘密」を持つ子供たちが共に暮らし、共に学ぶ、そこは一切外界とは遮断されている施設だった。幼い頃から仲良しのキャシー、ルース、トミーの3人は、18歳でヘールシャムを離れ、農場のコテージで暮らし始めるが、ルースとトミーは愛をはぐくむようになり、その中で、キャシーは孤立していくようになる。。。

イギリス最高の文学賞・ブッカー賞受賞作家、カズオ・イシグロの同名小説(2005年出版)を映画化したもので、同じ運命にある3人の若い男女の恋と友情を描いた作品。クローン人間を、将来、臓器提供するためだけに育て、20歳過ぎくらいになって、提供が終われば、生きることを終了させるという倫理の問題を含んだ、SF的な要素を含んだドラマになっています。ただ、SFというには科学的なシーンは皆無で、あまりにも、詩情的、文学的な作品に仕上がっていますので、私は、SF作品とは呼びたくないです。

SFと呼びたくない理由は、もうひとつあって、設定が、近未来とかではなくて、1970年代から1990年代くらいになっていて、つまり、未来や現在というよりむしろ過去になっているということで、「もし、過去が、こうだったら。。」みたいな設定になっているあたりは、かなり興味深いです。

結局は、倫理の問題になってくると思うのですが、臓器提供するためだけに作られたクローン人間と言っても、姿形はもちろん、感情も通常の人間と同じものを持ち合わせているのであって、もちろん、恋愛もするでしょうから、その中で、20歳過ぎに提供が終わったからと言って死なせるのは、かなりの問題を含んだテーマに他なりません。娯楽作品としての映画のテーマをはるかに超えていると思います。

ただ、この作品は、そのクローン人間に対しての重い倫理性を問うよりも、その状況に置かれた3人の若い男女の、愛や友情を貫き通せない、やるせない気持ち、どうしようもない想いを率直に表現しているドラマのように思えます。

寄宿舎ヘールシャムでは、男女2人の恋愛関係を証明すれば、2人の「提供」を何年か後らせてもらえるとの噂を聞いて、トミーとキャシーが、昔の寄宿舎の校長の家に出かけるのですが、証明するためのものが、あくまで人間としての感情があるかどうかだけに使われると聞かされて愕然となるところは、ほんとうに悲痛な気分になります

いくら、2人が、ほんとうに恋愛関係にあって、それがいくら人間的であっても、「提供」は待ってくれない。20歳過ぎの恋愛は、はかなくも消えざるをえない。
悲しいと同時に重い作品でした。

キャリー・マリガンは、こどもの頃から好きだったトミーと親友のルースとの板ばさみになる難しい役をこなしていました。その自然体の存在感は、すばらしいです。今回初めて作品に触れましたが、これからも注目していきたいと思います。

キーラ・ナイトレイは、「つぐない」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「ある公爵夫人の生涯」などでヒロインを演じる派手な彼女を知っているので、今回は、少々役不足を感じます。

3人の若い男女の愛と友情を描いているといえば、さわやかですが、そこには自分たちだけではどうにもならない運命というものがあり、それまでは一生懸命、人間的に生き抜こうとする3人のその姿には目頭が熱くなる思いです。テーマは、無論クローン人間なのですが、それを超えた人間/青春ドラマとして、再見の価値はあると思います。

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これはSFとは呼びたくないというお気持ち分かります。私もソウ于風には観ませんでした。倫理にかかわる問題を含みつつも、そこを突っ込まずに、ありえないほどの儚さを漂わせた、人間ドラマに仕上げていたのが好みでした。私はキーラがあまり好みの俳優さんではなく、この作品では、良いと思ったので、本当に、人の感じ方は色々で面白いです〜。
TBこちらからもお願いします。

2012/4/3(火) 午後 6:23 オネム

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オネムさん>クローンという言葉が出てきたところで、SFには違いないのでしょうけど、
この作品に限っては、人間ドラマとして観たいですよね。
若い男女3人の淡い恋と友情を描いた作品ということで十分だと思います。
キーラは、この作品では良くないという意味ではなくて、
いままでの彼女が出演した作品または、彼女のスター性と比べたら、
役が地味で勿体無いという意味です。
よくこの役を引き受けたと思います。
TBありがとうございます。

2012/4/3(火) 午後 8:32 ■Doobie■

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SF的な設定なのに、時代が過去ってめずらしいですよね。
これはとても重く、また奥の深い作品だと思います。
どこに焦点をおいて観るかで感想も変わりそうですよね。
キーラのこういう役って珍しいですよね。私はたまにはこういうキーラも観れてよかったかもなんて思っちゃいましたが。。^^;
大変遅くなってすみません。TBさせてくださいね♪

2012/4/9(月) 午後 11:17 choro

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choroねえさん>SFは、大抵、未来の設定が相場なんですけどね。過去は、珍しいと思います
作者に、どういうこだわりなのか聞いてみたいくらいです。
本作のキーラは、私は、嫌いではありません。
いままで、しばらく大作ばかり続けて出演しているので、
今回は、どうしたのか不思議に思っているだけです。
TBありがとうございます。

2012/4/12(木) 午後 9:57 ■Doobie■

お久しぶりです。お久しぶりすぎてblogのコメント書き方忘れました〜!さてさて見ましたが。悲しすぎてやりきれないです。でも短い人生でも好きな人と思いが通じれば生まれた意味もあるのかなあ?あのデマがガッカリさせすぎました。期待させんなよ〜!てかんじで。

2012/4/13(金) 午後 6:46 indochine1946

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アンドシーヌさん>こちらこそ、ご無沙汰しております。
そのとおりかもしれませんね。好きな人と愛情をまっとうできれば、
短くても良い人生だったと言えると思います。
別れは悲しすぎるのでしょうけど。。
あのデマねー。がっかりさせますよねー。

2012/4/15(日) 午後 6:33 ■Doobie■

こんにちわ!

自分もコレ、SFとは違うような気がします。
設定的には【ガタカ】も同じような感じでしたが、

『こうとしか生きようのない人生』

って・・・切なすぎますね。。。


TBさせていただきました☆

2012/5/23(水) 午後 3:08 カミカミ大王

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カミカミ大王さん>こんにちは。
私は、「ガタカ」て観てないんですけど、似ているんですか。観てみたいです。
SFとは呼びたくない人間としてのドラマでした。
TBありがとうございました。

2012/5/23(水) 午後 8:42 ■Doobie■

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こんにちは。
映画や文学のブログを書いているふじまるです。
今回はシャーロット・ランプリングについて書きました。
よかったら覗いてください。

2012/6/24(日) 午後 6:51 [ ふじまる ]

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ふじまるさん>
こんばんは。また、おじゃまさせていただきます。
シャーロット・ランプリング。味のある女優ですよねえ。
ありがとうございます。

2012/7/8(日) 午後 9:38 ■Doobie■

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