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森友疑惑問題を知ることで、安倍政権を終わらせることが大切なのだ!
「森友報道は『忖度』で始まった」。
これが本書第一章に付けられたタイトルだ。
学園の小学校建設用地として売却された国有地の価額が開示されないのは不当だとして、大阪府豊中市の市議が訴訟提起の会見を開いた日一NHKの取材担当だった著者、相澤冬樹氏は一本の原稿を書いた。
総理夫人、安倍昭恵氏の名誉校長就任と価額不開示には関係があるのではないかとい う当然の疑問が強調されていたが、デスクはこれを書き換え、わざわざ視聴者に分かりにくい表現に変え、全国ニュースにするのも控えられた。 いずれも「忖度」の結果だった。 朝日新聞が朝刊で大きく伝え、日本中に衝撃を与えた二〇一七年二月九日の前日のことだ。
相澤氏は、どのメディアよりも早くこの問題を報じたが、学園と総理夫人の関係を重視していたがゆえに最初から「忖度」にまみれ、また、次第に強まる「圧力」のなかで取材現場に向かわなければならなかった。
著者は、NHK大阪報道部の司法担当として事件取材に突き進むうち、おそらくはNHK上層部に「危険人物」と見なされたのだろう。 記者職を外され、退職を余儀なくされる。
安倍政権から直接の「圧力」が加えられた明白な証拠はないかもしれない。
しかし本書を一読すれば、禍々(まがまが)しい動きが見えてくる。
本書は、NHKを退職して大阪日日新聞に移った著者が、森友事件取材に取り組んだ経過を振り返り、貴重な資料を公開しつつ書き下ろしたもの。 全編に、著者の「記者職」に対する誇りと愛情が盗れ、森友事件取材の「血風録」のごとき趣がある。
取材中の記者同士のやりとり、どのようにスクープが取られたのか、さらに具体的な取材ノウハウまで公開されているのが清々しい。
これを行うのは、退職後といえども簡単ではない。
森友学園事件の取材は「私の人生を変えた」と言う著者は、今も取材を続けている。 事件はまだ終わっていないことを、私たちも忘れるわけにはいかない。 評 内田誠(ジャーナリスト)
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