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東京新聞は理不尽な政治手法には
徹底して言論で追及する。
当然です!
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二〇一六年八月三日、首相官邸。赤いじゅうたん
が敷かれた階段に勢ぞろいした新閣僚の中に、特
区制度を所管する地方創生担当相だった石破茂
(六一)の姿はなかった。

首相安倍晋三(六三)の内閣改造に文部科学省の
担当者は身構えた。
「いよいよ獣医学部開設の動きが本格化するかも
しれない」
学校法人「加計学園」の計画に基づき、愛媛県と今治市が国家戦略特区で獣医学部を開設しようと国に申請してから一年余り。
文科省は学部開設に慎重な姿勢を崩していなかった。

「残念だが仕方ない」。

日本獣医師会顧問の北村直人(七一)は、石被が閣外に出たことに複雑な思いを抱い
ていた。
「獣医師は足りている」と学部新設に否定的だった獣医師会にとって、石破はよき理解者だった。

県と市が一五年六月に特区を申請した直後、獣医学部新設に必要な四つの条件を設けたのが石破だった。

いわゆる「石破四条件」は、学部新設の際、既存の獣医学部では対応が困難なことや獣医師の新たな需要があることなど、その必要性の証明を求めるものだった。

獣医師会の理事会では、北村が「石破大臣と折衝をし、一つの大きな壁を作っていただいている」と発言している。

安倍はライバルの石被を別の閣僚ポストで引き留めようとしたが、石被はボスト安倍をにらんで閣外を選んだ。

後任には安倍に近い衆院議員の山本幸三(六九)が就いた。
北村は「四条件がある限り、大臣が代わったぐらいで簡単に学部新設が認められるわけがないと思っていた」と振り返る。

内閣改造から一週間後、山梨県内の別荘に滞在していた安倍は、加計学園理事長の加計孝太郎(六七)らと夕食を共にし、翌朝はゴルフに興じた。

加計はその後、大臣就任祝いとして山本と文科相の林芳正(五七)農林水産相の斎藤健(五九)を相次ぎ訪問する。

三人とも学部開設に関係する所管庁のトップだった。
時を同じくして官邸サイドは規制突破へ向け、文科省への圧力を強めていく。
(敬称略、肩書は当時)

27面に続く・・・
27面
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首相安倍晋三(六三)のブレーンの一人、内閣官房参与の木曽功(六六)が、文部科学省事務次官室に、同省事務方トップの前川喜平(六三)を訪ねてきた。

二〇一六年八月下旬のことだった。

木曽は同省で局長級の国際統括宮を務めたOBで、前川の先輩に当たる。
この年の四月、加計学園傘下の千葉科学大の学長に就任、学園理事にもなっていた。

たわいない話の後、木曽が最後に切り出した。
「獣医学部新設の手続きを早く進めてもらいたい」。

さらに「国家戦略特区の諮問会議で決定したことに、文科省は従えばいい」と畳み掛
けた。

木曽は働き掛けを否定するが、前川は学園からの要請と受け止めた。
獣医師会が後ろ盾としていた地方創生担当相の石破茂(六一)が閣外に去った内閣改造から三週間。
木曽の来訪は、始まりにすぎなかった。

その翌月九日、安倍が議長を務める特区諮問会議が官邸で開かれた。
同会議は特区選定の最高機関。
民聞委員の八田達夫(七五)は「獣医学部の新設は極めて重要だが、岩盤が立ちはだ
かっている。強力に解決を推進したい」と意気込んだ。

その二時間前、前川は首相補佐官和泉洋人(六五)から官邸に呼び出された。
和泉は国土交通省の元技官。

地方創生や国土強靭化を担当する首相の側近だ。
官邸で重要政策を企画立案する首相補佐官は、首相の威光を背景に各省の事務次官をしのぐ力を持つようになっていた。

前川が四階の補佐官の執務室に入るなり、和泉は前置きもなく早口でまくしたてた。

「総理は自分の口から言えないから私が代わって言う。獣医学部新設について文科省の対応を早く進めろ」。

時間にして五分足らず。
「総理は言えない」という和泉の言葉に、前川は圧力とともに政権の後ろめたさをかぎ取った。

問題発覚後、和泉は国会で「次官として、しっかりフォローしてほしいと申し上げた」と述べだが、「総理は言えないから」というくだりは否定した。

本紙は改めて和泉に質問状を送ったが、解党はない。

和泉は民主党政権時から官邸に入り、三年余り構造改革特区に携わった。
前川は和泉を「特区制度のエキスパート」と評し、「国家戦略特区で獣医学部を開設
しようという知恵を付けられる人は彼しかいない。学部開設のキーパーソンだ」と指摘する。

前川は一カ月後、再び和泉に呼び出され、進捗状況の説明を求められた。

「とにかく早く開学したいという焦りを感じた」
学園を誘致する愛媛県今治市はこのとき、獣医学部の開学時期を一八年四月と見据えていた。

開学の準備期間を逆算すれば、年度内の一七年三月未までに文科省に設置認可を申請しなければ間に合わない。

タイムリミットが半年後に迫っていた。

北里大以来、半世紀ぶりの獣医学部開学に向け、文科省にさらなる圧力がのしかかった。

(敬称略、肩書は当時。この連載は、中沢誠、池田悌一、池内琢、井上靖史、中野祐紀、伊藤隆平、小坂亮太が担当します)

以上、次回に続く

転載元転載元: country-gentleman

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