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今日の東京新聞
「時代を読む」
今、筆者の頭の中が万華鏡になっている。
脳内万華鏡の中でさまざまな言葉が渦を巻きながら行き交っている。
それらが
キラキラ造語のオンパレード
(私見)
「働き方改革」
「生産性革命」
「人づくり革命」
「IR整備法」
「サマータイム」
「ナイトタイムエコノミー」
「生涯現役」
「電子決済」
である。
言葉の渦巻きが着地した時、そこに我々の近未来に関する一つのイメージが湧き上がる。
実現してはいけない近未来だ。
この禁断の近未来社会において、我々は「働き方改革」体制の下に置かれる。 その実態は、人のこき使い方徹底増強プログラムだ。
合言葉は労働生産性の向上である。
既に働いている人々の生産性向上を目指すのが「生産性革命」。
これから働き手となる人々を洗脳して、高生産性人間に仕立て上げるための枠組みが、「人づくり革命」だ。
超効率的に働くことを強いられる我々に対して、恐怖の近未来ワールドは、配慮深く も、息抜きの場も用意してくれる。 そのために打ち出された施策の一つが、統合型リゾート「IR整備法」だ。
その中にはカジノが含まれる。
働き方を改革された我らは、ギヤンブルにいそしむことで疲れを癒やす。
しかも、「サマータイム」制が導入されれば、いつまで経っても明るい。 いつまで経っても遊べる。
この感じに、筆者は実感がある。
イギリスの夏は午後十時でもまるで明るい。
一向に宴会をおしまいにする気にはならない。
さらには「ナイトタイムエコノミー」の世界も用意されるのだという。 夜を面白くしようというので、不夜城スタイルのゲーム会場や美術館などが設けられるらしい。
かくしてサマータイムの夜長を我々は憂さ晴らしのお遊びや、教養を高め深めるための営みに費やす。
夜を徹してのギャンブル三昧もありだろう。
こういう生活が常態化すると、我々は着実に思考停止状態に陥っていくだろう。 ひたすら効率よく働き、ひたすらお国が用意してくれたエンタメの世界に浸る。
立ち止まって、これでいいのかと考える。
そのようなゆとりを吸い取られていく。
ふと気がつけば、お仕着せられた娯楽と与えられた教養の場を満喫し、楽しみにするようになっている。
精神は荒廃するが、何やら充実した日々を送っているような気分になってくる。
こうなってくれは、権力の思うつぼだ。 何も考えずに、ひたすら所与の枠組みの中で成果を上げ、リフレッシュする。
そんな働く機械たちが、強い国にふさわしい強くて大きな経済を築き上げていく。
この筋書きに乗せられてしまえば、我々の近未来は絶望工場だ。 おまけに、このシナリオにしたがって「生涯現役」を貫くことを求められるのだという。
死ぬまで生産性の向上を追求し、死ぬまで不夜城のエンタメ・ワールドに浸って魂をすり減らしていくことになるわけだ。
そして、生涯現役で活動する我らが使うおカネは、全て「電子決済」の中にのみ込ま れていく。 物理的な紙幣や硬貨はもう古い。
キャッシュもいまや電子化の時代だ。
この掛け声が、次第に声高になっている。
電子現金は、追跡が実に容易だ。
自分のカネなのに、それを電子的な監視の目から隠せない。
そんな状態で生涯、「生産性革命」を起こし続けることを強いられる。
この近未来の到来を阻止しなければならない。 自民党総裁選が近づく中で、これを思う。
(同志社大教授)
2018・9・16 ◆
誤魔化しの「造語」(例:アベノミクス)に騙されないように。
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