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平成27年(行ケ)第10245号


平成27年(行ケ)第10245号 平成28年8月24日判決
(特許第4641313号)

発明特定事項の一部を削除して上位概念化する補正の是非が争われた。

審判では当該補正は新規事項でないとされたが、判決では新規事項となった。

明細書の記載ぶりからは、当該補正が新規事項であるとしか思えず、裁判所の判断が当然の
ように思えるのだが、庁での扱いはそうではないようで、、、

先行文献に基づいて、当該補正後の上位概念が当業者にとって自明であると頑張って主張すれば、
少なくとも特許庁段階では、このレベルの補正も認められうる時代になったということだろうか。


それはさておき、出願時には想定できない拡張補正がありうることは、常に念頭においておきたい。

事業上の要請から、出願後になって拡張補正をしたくなるケースはよくある。
また、一発特許査定が出た場合に、拡張クレームで分割したいケースも多い。

明細書の記載では、最上位請求項の要件の一部を削除するような拡張補正/分割や、
クレーム範囲を変更すシフト分割等を前提とすることが望まれる。

想定外の補正に備えるべく、特に【発明の開示】の記載は、
★最上位請求項が本願開示の発明において必須ではない
と解釈できるようにしておきたい。

例えば、解決手段の欄に最上位請求項を引き写す際の記載ぶりには、注意を払いたい。




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新特許異議申立

新特許異議申立に関して、特許庁から統計が出されました。


取消率(一部取消含む)は8%、
維持(訂正無)が58%、
維持(訂正有)が33%、
となっています。

先のパテント誌(2017.2)の記事と比べると、こちらの方がデータ件数が多く、信頼度が高いと思われます。

また、2回目以降の訂正請求において、先にした訂正請求はみなし取り下げになりますが(特許法第120条の5第7項)、それを知らずに、先の訂正請求後の明細書等に対して2回目以降の訂正請求がされるミスがそれなりにあるようです。

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新特許異議申立

「パテント」2017年2月号に、玉井尚之先生が
「新特許異議申立制度の状況と対応方法について」
と題して寄稿しておられる。

昨年8月末までになされた決定311件を調査したところ、なんと、
◆全項維持が87%
◆特許取消(全部又は一部)がわずか4%
であったとのこと。

このように維持率が高い要因として、玉井先生は、
◆新異議では、口頭審理がなくなり、完全書面審理となった。
◆新異議では、特許権者との面接は少なくとも一度認められるが、
異議人のほうは面接を通じて意見を述べる機会はない。
といった点を指摘しておられる。

これら新異議の制度により、審理結果について異議申立人の意見
を聞く必要が無いことが法律的に定められたことが、審判官の心理
に大きな影響を与えた、との分析である。

個人的には、かかる新異議の制度のみを要因として、上述の高い維持率
となったとは考えにくいと思量する。審判官は、マジメな方が多いと思うし。。
ここ数年のプロパテント傾向の判例に沿った判断を合議体がしていることも、
要因の一つではないかと、推測する。

しかし、上記統計は現実であるし、旧異議に比べると異議人側が不利である
ことも事実。異議を申したてる側としては、それなりの覚悟で臨む必要あり。

被異議の側としては、面接も活用し、意見書、訂正で、徹底抗戦すべしである。





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松下正先生が毎年実施しておられる標記研修を受講。
60件の判例をご紹介頂いた。

全体として、プロパテント傾向(=進歩性ハードル適正)が安定的に定着してきたとの印象。

平成24(行ケ)10373(H25.9.30知財高裁)
平成27(行ケ)10014(H28.3.25知財高裁)
が印象に残る。

一見似たような引例が挙げられたときこそ、技術の本質に立ち入って相違点を浮き彫りにする。上記判決で、その重要性を再確認。、

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近年の傾向

 最近の傾向として、以下の3点が挙げられる。
 
(1)進歩性判断については、かつての厳しい運用が、裁判所側から是正されてきている。つまり現状は、裁判所のほうが進歩性判断がやや甘い傾向にある。
 
(2)記載不備に関しては、いわゆる偏光フィルム事件大合議判決以降、特に36条6項1号(サポート要件)の判断が厳しくなり、不当な記載不備拒絶が見られる。この異常に厳しい記載不備審査について、裁判所サイドからの是正傾向が見られる。
 
上記(1)に関する審決取消判決の例。
 
・審決取消訴訟判決:平成19年(行ケ)10258号
『本発明と引用文献とを対比すると、技術分野は同じくするものの、その技術的課題等は
異なるものであるから、そのような引用文献発明に接した当業者が、本発明と引用文献と
の相違点の構成を容易に想起することができたと認めることはできない』
 
・審決取消訴訟判決:平成20年(行ケ)10305号
『課題が異なる引用文献に周知技術を適用することによって、「本願発明の構成に達する
ことが容易であった」という立証命題を論理的に証明できたと判断することはできない』
 
・審決取消判決:平成20年(行ケ)10096(回路用接続部材事件)
「容易想到性の判断の過程においては、事後分析的かつ非論理的思考は排除されなければならない」
「発明が容易想到であると判断するためには、先行技術の内容の検討に当たっても、当該発明の特徴点に到達できる試みをしたであろうという推測が成り立つのみでは十分でなく、当該発明の特徴点に到達するためにしたはずであるという示唆等が存在することが必要であるというべきであるのは当然である。」
(審決取消判決:平成20年(行ケ)10261(キシリトール調合物事件)においても同趣旨)
 
・審決取消判決:平成19年(行ケ)10065
「そのように引用例2の目的を滅殺する方向での組み合わせを当業者が行うことは通常は考えられない。したがって、引用発明1のリム122に代えて引用例2のフック部34を採用することを当業者が容易に想到し得たとは認められない。」
 
上記(2)に関する審決取消判決の例。
 
・平成19年(行ケ)第10147号審決取消請求事件(平成20年3月27日判決言渡)
 『加えて,本件明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明のワイヤの径サイズ(「0.06〜0.32mmφ」)については,通常使用されるワイヤサイズに基づいて規定し,層除去の範囲(ワイヤ表面から「15μm」の深さまで)については,実使用による使用済みワイヤの片側最大磨耗が15μmであることを確認したことに基づいて規定し,内部応力の範囲(「0±40kg/mm 」)は,実使用による使用後のワイヤに小波の発生がなく,フリーサークル径の減径が大きくなかったことを確認したことに基づいて規定したことが記載されていること(上記イ(ア)e)に照らすならば,本件特許発明の内部応力の範囲(「0±40kg/mm 」)は,その上限値又は下限値に格別の臨界的意義があるわけではなく,ワイヤの表面層の内部応力の絶対値が小さい数値を規定したものと理解される。』
 
・平成21年(行ケ)第10004号審決取消請求事件(平成21年9月3日判決言渡)
 『これに対し,本件明細書には,上記課題を解決するための手段として,ベールの頂面における内接矩形内に位置する部分の少なくとも90%が,平坦な板から約40 mm 以下離間する程度に,ベールの頂面及び底面が平面であるようにすること,フィルタートウのパッケージ包装材を気密にシールするとともに,少なくともベールが梱包された後に外圧に対して少なくとも0.01barの負圧がベールにかかっている状態にすること,負圧の制御方法の記載があることが認められるのであって,本件発明1につき,当業者において,本件明細書の記載により,その課題との関係での数値限定を付した技術的意義を理解できるものと解され,そうすると,数値限定を付した場合の効果(実施例)と,このような数値限定を満足しない場合の効果(比較例)との十分な記載がないから,本件発明1の技術的意義が十分に記載されているとはいえないとの理由のみで,本件発明1及びこれを引用する本件発明2ないし26が特許法36条4項1号の規定に適合しないとした本件審決の判断も首肯し得ないものといわなければならない。』

 かかる状況を踏まえると、拒絶理由通知に対して、妥協的補正は避けることが重要である。即ち、裁判所判断を念頭に置いて、粘るべきところは粘るべきである。審判、審決取消訴訟、分割出願等を十分に活用したい。
 

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