醒めない夢 〜レビューブログ〜

アメリカ在住主婦の好き勝手作品レビュー☆

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「闇の守り人」



著 者:上橋美穂子
発行所:階成社
発行日:1999年1月

守り人シリーズの第二弾!
今回はバルサの過去との対決物語ですw

《あらすじ》

チャグムの護衛を無事に終えた短槍使いの女用心棒バルサは、養父ジグロの供養のため自らの故郷のカンバル王国に向かう。
バルサが幼い頃、カンバル王の主治医であったバルサの父親カルナは王弟ログサムにおどされて王を毒殺させられた。王弟ログサムは口封じにカルナとバルサを殺そうとする。それを予期したカルナは、親友で天才短槍使いジグロにバルサをつれて逃げるように頼んだ。それ以後バルサはログサムが死ぬまでジグロと共に逃亡生活を余儀なくされた。運命に翻弄された怒りと悲しみはジグロの死後も、バルサの中にくすぶっていた。チャグムの護衛をした事でジグロの気持ちを理解し、自らの過去を清算しようと心をきめるバルサ。しかしカンバルに帰ってみると、ジグロは王即位の儀式に使う国宝の金の輪を盗んだ謀反人の汚名を着せられていた。何とかその誤解を解こうとするバルサだったが、カンバル王国はまだ混乱の中にいた。。。



*****************************


前回の「精霊の守り人」でもバルサの過去については触れていましたが、今回はその具体的な内容と逃亡生活を続けている間に母国で起こった事が明らかになっていきます。
それにしても、過酷な人生を送ってきたジグロとバルサ。
当人達だけでなく、周りの家族、親戚、氏族をもその迷惑を被ります。
そこまで追いつめなくてもいいんじゃないですか、上橋さ〜ん(笑)と思わず言いたくなるほど。
でもこれが現実なのでしょう。
人は一人で生きているわけではないのだから、事柄は水面に落ちる一粒の水滴が波紋を広げるようにはるか遠くの水面をも揺らしていきます。


今回の見どころは何と言っても、バルサとジグロ(すでに死亡しているが、闇の守り人として登場)の想いのたけをぶつけあう槍舞のシーンでしょう!!ずっとジグロに守られてきたとは言え、バルサもまた友を殺さなければならないジグロに申し訳ない思いをずっと抱いてきました。罪悪感と行き場のない怒りがずっと心の中で葛藤を続けていたバルサ。

== ____ジグロが自分を憎んでいる・・・・!
それは、思いがけぬ衝撃だった。____だが、心の底で、うすうす知っていたような気もした。__バルサさえいなければ・・・。ジグロは何度、その思いを押し殺しtきたことだろう。足手まといの、幼い娘を守る必要さえなければ、ジグロは友を殺し続ける必要などなかったのだ(略)__ジグロが、槍に腕をかすられて、たじろぐのが見えた。(あんた、知らないとでも思っていたのか?友を殺す度に、わたしは、あんたが、わたしを恨んでいるのを感じていた__感じていたんだ。)バルサの叫びは、じっと槍舞いを見つめている八人のヒョウルたちへもむけられた。(あなたたちの死は、ひどい痛みだった。__たまらない、痛みだったんだ!けっしてつぐなうことのゆるされない__だからこそ、けっして消えない痛みだったんだ。) ==


槍を繰り出しながら、お互いの気持ちをぶつけ合うシーンは胸をかきむしられるようでした。
哀しみを抱きながらも、最後まで育ててくれたジグロに感謝するバルサ。ジグロもまた、彼女と一緒に暮らした日々を後悔してはいなかったのでしょう。
人には、過去と向き合い、けじめをつけて次の一歩を踏み出す事が必要な時がありますね。
その時訪れた故国で、当のジグロが待っていてくれたのは、偶然というか必然のような気がしてしまいます。


今回の舞台、カンバル王国は新ヨゴ皇国の北、青霧山脈を越えた先にあります。土地が痩せており、芋と山羊の乳くらいしか自給できるものがない貧しい国です。。唯一の財源はルイシャと呼ばれる宝石で、これを元手に隣国から穀物を輸入しています。この宝石は、およそ二十年ごとに王と〈王の槍〉とその従者が山の底の闇へ下って、《山の王》からいただく事になっています。しかし貧しい国を豊かにするために、山の王を倒して、ルイシャを自由に手に入れ、それこそ英雄への道だとジグロの弟、ユグロは考えました。しかし山の王を倒すことは、すなわちカンバル王国が倒れることなのです。山の王の実際はナユグ(精霊の世界)の巨大蛇??で、20年ごとに脱皮を繰り返します。その抜け出た殻がルイシャだったというわけです。

「闇の守り人」では、痩せた土地を治めることの難しさを考えさせられました。大した産業がない、というのは貨幣社会で困る問題であって、国民が食べていくだけの自給力があれば、国は何とかやっていけます。より豊かになることは難しいでしょうけど。しかし天候に恵まれない・土地が痩せている、というのは大問題ですね。国民にとってみればその年の天候が生きるか死ぬかに直結するのですから。
旦那と、もしこのような国を治める王様になったらどうすか?という話をしましたw
あーでもないこーでもないと言いながら。
水が豊富なら、薬を作る国にする!とか。
山脈に囲まれた国なら秘密漏えいしにくいだろう、学園研究都市にしよう!とか(笑)
何だか小学生の社会科の授業のようでした(苦笑)


次回はスーパーおばばのトロガイ師のお話ですw

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