「ZAITEN - 財界展望」 (2010年6月号) より一部抜粋
渋谷・宮下公園を「CSR」で
゛取得゛したナイキの「商魂」
ジャーナリスト 小川裕夫
東京・渋谷の一等地にある区立宮下公園が「ナイキパーク」として生まれ変わる。
命名権を取得したナイキは、整備費用も負担。
あくまで「CSR」とのスタンスだが、ナイキの「商魂」が見え隠れする。
「なぜ肝心のナイキ側から誰ひとりとして説明会に出席しないのか!」
3月24日に渋谷区の勤労福祉会館の一室で開催された宮下公園整備工事説明。
工事に反対する市民団体の怒号が飛び交った。
淡々と工事スケジュールを説明する渋谷区公園課の担当者の東急建設。
しかし、その場にナイキジャパンの社員は、誰ひとりとして姿を見せないまま説明会は終了した。
渋谷駅から徒歩数分の好立地の場所にある宮下公園。
最近、ホームレスが住みつき、近隣商店街や憩いの場として利用する人たちから苦情が出ている。
渋谷区にとって、渋谷駅に近い宮下公園周辺は一大商業地域。
そんなエリアがホームレスの定住地となれば、渋谷のイメージ損失になり、経済的にも痛手を被る。
そう憂慮していたところに、願ってもいない提案がナイキ・ジャパンからもたらされた。
「宮下公園の命名権(ネーミングライツ)を譲ってもらえないだろうか?」
宮下公園のネーミングライツ料は年間1700万円。
この金額には前述した宮下公園の保守・管理費用、道路標識・駅前の地図の変更費用、さらには宮下公園の管理事務所に配置する人件費まで含まれている。
周辺のビル、ワンフロアの賃貸料と比べると格安と言わざるを得ない。
宮下公園の整備計画を見ると、改修工事で新たにスケート場やクライミングウォールなどを新設し、現在は1面のフットサル場を2面に増設すると記されている。
ナイキというスポーツグッズメーカーの要求が丸飲みされている。
このスケート場やクライミングウォール新設などの整備費用は約4億円と関係者の間では囁かれていて、整備費もナイキ負担。
ネーミングライツの契約は10年だからネーミングライツの契約料と合算するとナイキの負担は実質年間5700万円。
それほど格安ではない。
| ネーミングライツとは、地方自治体などが所有する公共施設の“名称”を民間企業に“貸与する”ことでスポンサー収入を得ようという施設運用である。 |
| あくまで命名権であって、公園の整備計画をすることではない。『ホームレスの排除、CSRの一環』というのを建前に、公共施設を私物化するのは問題であろう。 |
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「世界ブランド企業黒書 - 人と地球を食い物にする多国籍企業」 より一部抜粋
グローバル・ブランド企業の非情を斬る!
途上国の搾取的労働とブランド企業のつながりを、赤裸々に暴露。
軍事政権への援助、児童労働、劣悪な労働条件などを行うブランド企業を、実名を上げて告発する。
ナイキが毎年支出する宣伝費は、ほぼ10億USドルに達する。
しかし、ナイキの経営者フィル・ナイト(Phil Knigft)が久しい以前から有り余るドルを持った億万長者であるのに対して、ナイキの商品を製造する中国の工場「ウェルコ(Wellco)」で働くお針子の時給は約17セントにすぎない。
やはりナイキ向け商品の下請工場であるメキシコの「クットン(Kukdong)」では2001年1月に、同工場の労働条件に反対するデモを行った従業員が処罰され、違法な大量解雇が行われた。
2001年2月になると、ナイキは再び新聞の見出しになった。
9ヵ所のインドネシアの工場で調査が行われ、その報告書の中でこれらの工場が、女性労働者に対するセクハラと肉体的虐待を理由に非難を受けたのである。
2003年3月、人権団体の国際作業チームがまとめた「われわれは機械ではない(We are not machines)」という報告書が公表されたが、この報告書では、インドネシアのお針子たちに日当としてたった2ユーロしかい支払っていないとして、ナイキとアディダスが批判されている。
生産条件に関する嘘を流布したナイキは、アメリカの消費者運動家であるマーク・カスキー(Marc Kasky)によって訴えられた。
ナイキの弁護士はその嘘を認めたが、すべての者には自由な意見を述べる権利があると主張した。
ブッシュ政権がナイキ側に味方したにもかかわらず、アメリカ合衆国の最高裁判所は2003年6月、ナイキの「嘘の権利」を退けた。
| ブランド品を身に着けることでしかステータスを上げられない人々は、このような問題を考慮しているのだろうか。 |
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【当ブログでは、下記の件に対して渡邉美樹氏の弁明と謝罪を求めています】
・渡邉美樹(ワタミ会長)は、「週刊朝日」で“郁文館”での「不倫」スキャンダルを報じられました。
・ワタミグループが展開する居酒屋チェーン「坐・和民」は、2ヶ月連続で「食中毒」を犯しました。
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