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弁護士と公認会計士は、共に非常に難しい国家資格を取った専門家ですが、公認会計士の仕事と問題点について、今日は、少しお話をしたいと思います。
アメリカでは、公認会計士をCPA(Certificated Public Accountant)と言って、弁護士以上に大変公正な高い地位とされています。ちなみに、アカデミー賞の選定の立会いや受賞の保管は、公正かつ厳格な秘守が必要とされるので必ず公認会計士CPAが行うということです。
先日(2002.5)、経営再建中の大手運送会社「フットワークエクスプレス」の粉飾決算疑惑で、監査を担当した監査法人の公認会計士3人が、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で捜査を受けました。これはどういうことかというと、会社がでたらめにつくった都合のいい会計書類に、「適切な会計処理」に基づいた「適正な決算」であるとお墨付きをして、投資家や融資先の銀行などを信用させるような、いいかげんな監査をしたということです。
上場会社は、広範囲の複雑な事業の報告を、会社の経理をもとに、有価証券報告書を作成して、投資家や関係者に報告するわけですが、会社の恣意によって、会計報告が変わると
その企業の評価ができず、投資や融資などの意思決定ができません。そのため、その会社がつくった会計報告(貸借対照表や損益計算書など)が適正かどうかを監査するのが、公認会計士で、非常に厳格な役割だといえます。スポーツでいえば、レフリーや審判のような役割ですから、企業会計ルールを守る番人だといえます。
実は、アメリカでも、エンロンというエネルギー関係の巨大企業が、昨年暮れに不透明な簿外取引の発覚をきっかけに経営破たんしましたが、その後の社内調査によれば、組織的な会計操作が行われていたことが明らかになり、このときも、アンダーセンという有名監査法人が、きちんとした外部監査をしてなかったということで、大問題になりました.。
日本でも、このエンロンの倒産で、エンロンの社債を組み込んだ投資信託が元本われをするなどして、被害が世界中に広がりました。公認会計士の外部監査がいい加減だと、多くの投資家に被害がおよぶわけですから、公認会計士の責任は重大です。企業情報の信用性の根幹である公認会計士は、自由主義経済の要といえるわけです。
最近、大阪地検特捜部の部長の暴力団との関係疑惑などがあったり、外務省でも鈴木宗雄関係の疑惑があったりして、いろいろな分野でのプロのモラルの低下が指摘されています。公認会計士という仕事も、実は、監査する会社から外部監査の仕事を頂いていると言う弱い立場ですから、不正に巻き込まれやすい状況にあるわけです。
本当に外部監査を厳格にする為には、従来の外部監査システムを根本から変えて、企業が監査法人を雇うのではなく、各証券取引所が、投資家に代わって監査法人および公認会計士を、上場会社に派遣して監査を行わせるようなシステムにすべきではないかと思います。
公認会計士が、単に監査をして「適正意見書」を作るだけではなく、投資家の代理で企業会計をチェックするというもっと広範囲で責任ある仕事を行うことによって、公認会計士の存在意義がより明確になるのではないでしょうか。
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