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確定申告も終わり、いよいよ年度末を向かえましたが、国税庁の調査によると、日本では年間所得が5000万円以上の高額所得者ですら寄付をしているのは、約10%だという事です。アメリカでは、個人納税者全体のの3割以上が寄付をしているようですが、アメリカ並みに寄付が増えれば、寄付を受ける民間の公益サービスが強くなるわけですね。何故こんな話をするかというと、先週、「寄付金への優遇拡充」という見出しでの日経新聞のトップニュースがありました。記事では、「政府は、公益法人制度改革の一環として、財団・社団法人などを対象に、寄付金を優遇する対象法人を増やして、高齢者福祉や国際交流など公益性の高いサービスの担い手として育成を促すことをはじめる。」というのです。財団法人や社団法人は、今、官僚の天下り先になっているとして、非難をあびていますよね。世間では、荒っぽい議論で、全部財団法人や社団法人を廃止してしまえば・・・という話もあるわけですが、これらの公益法人が今でも公益サービスの一部を担っている事は確かな事です。政府はその選別に入ったというわけです。
例えば、社団法人 福山青年会議所などは、天下りもいませんし、本当の民間組織でボランティアとして、まちづくりを担って活動している団体です。福山のばら祭なんかは、この福山青年会議所メンバーがボランティアとして働いているからこそできているわけで、それによって充実した内容のまつりを、本来かかる費用を大幅に節約できているわけですね。
公益法人は、学校法人・宗教法人を含めて、現在、日本に25,000を超える団体があるそうです。その中で、例えば、日本ユニセフ協会などは、寄付金控除を受けられる団体として活動しているという事はご存知の方も多いと思います。うちの父も、時々ユニセフに寄付をしたりしてますが、確定申告で控除を受けています。
少子高齢化のもとで負担が重くなる年金、医療や介護制度を、どう整備するか。教育や育児、郵便を始めとしたサービスを、どこまで政府が担うべきか。政府は打ち出の小槌のように、お金を無尽蔵に使えるわけでもありませんし、また、どこまでも増税をすればいいというものでもありません。財政赤字が拡大したから、公共的な仕事を減らせばいい、というのは構造改革の本質では無いわけです。
どうやって、社会の公共的な仕事を運営していくかが、今、問われています。
日本では、とかく「公共的」なものは、政府の仕事だと決め付けがちでした。しかし、今漸く、日本でも、理解が深まりはじめたことが、2つあります。一つは、公共的な仕事もその多くは、民間団体や企業もしくは、NPOに委ねた方が上手くいく場合が多いということ。つまり、民間団体では、安くて高品質のサービスを提供できるばかりか、地方ごとに異なったニーズや時代の変化にも柔軟に対応しやすいわけです。
もう一つは、本当に必要な公共サービスは何かということについては、国民が主体的に考え、選ぶことが大切だ、ということです。国としてやるべきこと、地方でやるべきこと、そして民間に任せるべきことを、私たち自身が考え、選択する中で、社会への参加意識も高まってきます。民間でできることを民間がやることで本来の民間活力が引き出されます。これが官から民へ、中央から地方へ、という構造改革の本質だと思います。寄付金の問題は、個人個人がこの公益的な仕事を、分野別で選んでサポートするという民間で公益事業・公益団体を支えるという仕組みの根底の問題です。
今後、観光や福祉・環境などもどんどんNPOなどの民間が中心となり、行政サービス以上のことができるようになると思われます。そして、寄付金控除が認められる団体もどんどんNPOなどに広がっていき、民間の公益団体がしっかりしてくると思われます。寄付金がどんどん増えて、その分税金が減ってくれば、行政も小さくなって行かざるをえません。行政の仕事として、何が最小限必要なのかという議論を市議会を中心に色んな場所で、今後しっかりしなければならなくなると思います。これからの地方行政のあり方は、これから市民全体で自ら新しい枠をつくりながら再構築されていくんだということですよね。市民が行政サービスよりNPOや民間を選ぶ時代がすぐそこまで、見えるところまできているということを、「寄付金と公益サービス」における変化から今日は考えてみました。
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