GO!GO!Bびんご〜今朝のひとこと&徒然エッセイ

経済・政治・社会・建築の気になる話題を独自の視点からチェックします。

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千葉県の姉歯建築設計事務所が耐震設計の構造計算を偽造した事件は、大きな社会問題となっていますよね。東京、千葉、神奈川のマンション20棟とホテル1棟の計21棟が偽造され、中には建築基準の3割からの強度しかなく、震度5強の地震で倒壊する可能性も指摘されています。今回の場合、構造計算を実施した設計事務所(偽造元)が一番悪いのは事実ですが、そこに発注した親元の設計事務所(または建築会社内部の設計)や検査機関が見逃したのも同罪だと思います。検査機関は適切に業務を行ったと言いますが、業務をどうしたかではなく、見逃したかどうかの結果が全てです。検査機関の仕事は、おかしいところがあるかどうかを調べる事ですからね。

さて、私は、建設会社を経営している者ですので、この機会に一般の方々と建築業界のギャップなど、いわゆるそこから生じる見えにくい問題点を指摘したいと思います。いろんな問題がありますが、マスコミでまだ余り指摘されていない点を2つほど指摘しておきたいと思います。
まず始めに、一級建築士および一級建築士事務所が、建築の事全てがわかる人だと思ってはいけないという事です。実は、ほとんどの一級建築士は、資格をとったあとに、設計の実務をしていません。もちろん、中には優秀な一級建築士さんもいらっしゃいますが、全般的には、他の士がつく職業にくらべると、仕事(設計)も勉強もしていません。一級建築士をとれば、設計の仕事があると思って、一級建築士の資格を取った人も、仕事のない人が実に多いのです。例えば福山市において、一級建築士が設計しなければならない大型建築物は、月に十件程度しかありません。一級建築士さんは、福山に何百人もいるのですから、一級建築士をとっても本格的な設計の仕事が回ってくるのは、ごくわずかなわけです。そこで、ほとんどの建築士は、設計といっても、店舗設計のようにデザインに近いものや、比較的多い住宅を設計するわけですが、これらは現在、CADというコンピューターを使えば、資格がなくても簡単にあっという間に設計ができてしまいます。少なくとも2級建築しで充分です。そんなわけですから、一級建築士を必要とする仕事自体が非常に少なくて、現実は一級建築士をもっていても、設計の仕事を全くせずに、建築の営業をやったり現場監督として現場仕事をしたりしている人が多いわけです。一級建築士をもっていてそれなりの設計実務を日々やっている人は、資格を持っている人の一割もいないと思います。資格を持っていても、経験をつんでその腕を磨かなければ、全く意味がないわけですから、そういった意味からすると、この資格自体が既に大きな改革を迫られているといっても過言ではないと思います。資格者の数が多すぎて、現状の全体のレベルが低いという事実を、もっと市民が知っておく必要があります。もっとも、優れた一級建築士の先生や事務所もありますから、あくまで全般的な特徴でのお話ですが。弁護士にも、会社法務関係の得意なところ、民法関係が得意なところ、刑事事件がとくいなところがあり、医者さんでも内科、外科、産婦人科など色々ありますよね。一級建築士さんにおいても、デザインなどの意匠を主にするところや、構造計算などを同業者の下請けをするところなど、専門はいろいろとわかれていますから、一級建築士だから建築に関しては、何でも大丈夫とか信用できるとかはありえません。
もう一つの問題は、誰が構造チェックを依頼するか、ということが根本的に間違っているということです。本来は、購入者が検査機関を選んでお金を払うべきですが、分譲マンションの場合には、、建設会社やディベロッパーがお金を払って検査機関に仕事をさせるということ、そういうシステム自体がおかしいという事です。建築中に購入者が決まっていない場合には、役所などの第三者がチェックしなければ、検査自体手抜きになることは明らかです。
ディベロッパーはすざまじい競争をやっているのですから、中には限度を超えた設計や構造計算、そして、検査においても早くてチェックのあまい検査機関にお願いするようになる恐れがあることは、容易に予測できたはずです。私は、「官から民へ」の改革をすすめることには大賛成ですが、国や地方の行政がすべきこととして、「国民の生命と財産を守るのが国家」であるのならば、この構造計算と建築確認・現場検査などは、国民の財産を守る事といった意味合いから、以前のように行政が行った方が筋ではないのかなあと思います。


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