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毎日暑いですね
熱中症や脱水症状には気を付けましょう。
最近少し広範囲に 『毘沙門亀甲文様』 を描く機会があったので、以前教室の見本用として作った図案を
つなげて連続文様にしていったのですが…
う〜ん… 何だかズレてる?
教室の見本として作った図案は普通紙に自分で等間隔に線を引き、それを基準にして描いたものなので
正確に描けているかかと言われるとかなり厳しい
ちなみの教室用の図案で作った毘沙門亀甲文様のコースターが下の写真です。
このコースターは以前にもこのブログでご紹介した事がありますね。
以前の毘沙門亀甲文様記事 … http://blogs.yahoo.co.jp/suzukityoukoku916/19112691.html
始めは少しのズレでも図案が大きくなればどんどんズレてしまい、それだけ歪みも大きくなっていきます。 このぐらいのサイズなら気になりませんが、もっと大きな図案にするならより正確なものが必要ですね。
そこで方眼紙を使って出来る限り正確な亀甲文様の図案を描いてみる事にしました。
描いてみると分かるのですが、正六角形を描くのって意外と難しいですよねぇ
一つ目を描くのに少し悩んでしまいました。
数個描けばパターンが掴めるので、その後はひたすら線を引いていきます。 正六角形が方眼紙いっぱいに描けたら、線の周りに3ミリの間隔を開けてさらに線を引きます。
全ての線が引き終わったらシャーペンで下書きしたものの上からペンでなぞり、紙全体に消しゴムをかけて
シャーペンの線を消せば完成
パッと見ると 『これ亀甲文様の図案?』 という感じですが、これを基にして線を選んでトレースしていけば
『亀甲文様』 『子持ち亀甲文様』 『毘沙門亀甲文様』 の三種類の図案が制作可能です。 いやぁ〜 それにしてもここまで描くのに凄く時間がかかりました
今時こんなものはパソコンソフトを駆使すれば、あっという間に出来ちゃうんでしょうけどねぇ。
アナログ人間には小難しくて…
まぁ 手描きが一番
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文様
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古来 『雪月花』 という言葉があるように、日本において雪は 『春の桜』 『秋の月』 と並び称される冬の景物
として愛されてきました。
和歌の世界では融けゆく姿に風情を感じ古くから詠まれてきましたが、文様として用いられるようになったのは
室町時代以降の事だそうです。
雪が豊作の前兆として信じられていた事もあり、吉兆をあらわす文様として広まったようですね。
桃山時代には草木に積もる雪の情景をあらわした雪持文と呼ばれる 『雪持柳』 『雪持笹』 『雪持笠』
そして江戸時代には雪を六弁の丸い花のようにあらわす 『雪輪』 が多く見られるようになりました。
江戸時代後期になると雪の結晶が観察されるようになり、様々な結晶文様が流行します。
『雪花図説』 という文様集が刊行されるほど多くの種類が考案されたそうです。
参考書籍 『日本の伝統文様』
以前はケヤキ板に雪輪を線彫りしたものをよく作っていましたが、今回は雪輪の特徴的なカタチをそのまま
彫り出したコースターを制作してみました。
使用したのはクスの柾目板で、昨年子供の体験教室用に用意したものです。
ケヤキでは堅過ぎるだろうとの判断でクスにしたのですが、少し前にブログでも書きましたがクスの柾目板は
木目が頻繁に入れ替わり、初心者にはとても彫りづらい…
結局ほとんど使用しないままになっていたのですが、雪輪を制作するならなるべく木地の色が白に近いものが
使いたかったので丁度良かったです。
ほとんど板の縁を削るだけなので木目の向きはあまり関係ないですしね
まずはクスの板の両面に400番の紙ヤスリをかけ、800番の耐水紙ヤスリで水研ぎします。
その後図案を板に写して大まかに糸鋸で切り抜き、縁を綺麗に削ってカタチを整え面取りをします。
その時にコースターが取りやすいように裏側を多めに面取りし、逆に表側は薄く面取りをしました。
薄く面取りをするのは文様のシャープさを保つ為と、表側を大きく面取りするとそれが目立ってしまうからです。
実は以前同じものをケヤキで作った事があって、表側を大きく面取りをしたらそれが気に入らなくて…
一番先にヤスリをかけるのも同じ理由で、縁が丸まってしまうのを避ける為ですね。
最後に白のカラーオイルで塗装をして完成
汚れ防止を考えるなら表面を完全にコーティングしてしまった方がいいのですが、質感が変わってしまうので
今回はとりあえずカラーオイルで済ませました。
この雪輪という文様は好きな文様のひとつなので、作っている時はとても楽しいですね〜
ただ実際に彫ってみるとシンプルなカタチに関わらず、かなりの手間が必要なものだと分かりました。
早くたくさん作れれば、それだけ安くする事ができるのですが…
なかなか上手くいきませんねぇ
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久しぶりの文様話し
『檜垣(ひがき)・網代(あじろ)』 と言えば結構目にする定番の文様かもしれません。
檜などを薄く削り出した木板を互い違いに組み上げたものは、昔は垣根や天井・羽目板・衝立てなどに
よく使われていましたね。
この幾何学的な文様を檜垣または網代と言い、染織の地紋などによく用いられています。
少し前、工房の陳列棚に置いてあった木彫教室の見本用コースターを見ていたお客さんから
檜垣をケヤキ板に彫ってほしいとの注文を受けました。
そこで今回は檜垣の制作過程をご紹介いたします。
普段コースター用に使っているケヤキ板(10cm×10cm×0.6mm)に図案を写し、まずは線に沿って
平ノミで刻みを入れていきます。
刻みが終わったら、まずは板が重なり合って潜り込む部分を簡単に削り取ります。
この段階ではまだ大雑把で構いません。
今回は全体的に彫り下げる量が少なく、曲面の一番出てる部分は表面をノミでなでる程度。
修正があまりきかないので、削り取る部分を間違えないよう気を付けましょう
板の潜る部分の刻みが終わったら、板の一枚一枚表面を削り滑らかな曲面にしていきます。
檜垣は薄板が互い違いに組み合っているという部分が重要なポイント
バラバラではなく薄く細長い板が重なり合っているというイメージをしっかり持って彫り進めます。
隣り合う板の境にも一仕事。
そのままでも文様としては成立していますが、境目がハッキリせず曖昧ですね。
矢印部分にもう一度平ノミで刻みを入れ、ほんの僅か端を削り取ってカタチを整えます。
カタチがしっかりと出てきました
後は同じように全ての淵をキレイに整えていき、表面の曲面もさらに滑らかになるよう削り出していきます。
キレイな艶が出るよう、木目の向きに気を付けましょう。
色々な角度から光などを当てたりして、彫り残しや傷が無いかをチェックします。
最後にケヤキ板の面取りをして完成です
檜垣は文様としてはシンプルで簡単なものですが、彫刻にとなると立体化する分少々厄介でしょうか。
彫り自体やってる事は単純ですが、重なり合う薄板のカタチが崩れないよう気を使います
文様を彫る時のポイントは 『シンプル・はっきり・キレイ』 ですかね〜。
キレイというのは傷やゴミを残さないという事です。
もうひとつ注文を受けていた 『毘沙門亀甲』 と一緒に
一応コースターとして使えるように作ってはありますが、依頼主さんは飾って楽しみたいとのコトでした。
普段のコースター制作では、予算の問題でここまでの彫り込みは出来ません。
職人による地紋彫り作品として見るか、それとも木彫コースターとして見るか…
見方によってその価値の感じ方も大きく変わっていきますね。
純粋に作品としてお買い求めいただき、感謝しています。
ご注文、ありがとうございました
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以前にも少しご紹介した麻の葉文様。
昨年の秩父夜祭に合わせて麻の葉のコースターを制作したのですが、せっかくなので大まかな
制作工程をご紹介したいと思い写真を撮りました。
作業自体は単純なので、見れば誰でも彫り方を理解出来ると思います。
ちなみに今回の彫り方がベストというワケではありませんので、『こんな彫り方もあるんだなぁ』 と
思って見ていただいた方がいいかもしれません。
まずは図案をケヤキ板に写し、刻みを入れていきます。
麻の葉の帯を一本通した図案にしました。
使用するノミは写真に写っている一本だけ。
線が集まっている麻の葉の中心に向かって浅くなるよう、斜めにノミの刃を打ち込みます。
少し深めに彫り込むので、しっかりと刻みを入れました。
刻み終了
今回は制作するコースターは4枚。 残りの板にも図案を写して刻みを入れます。
麻の葉文様は菱形の集合体だと意識した方が彫りやすいかもしれませんね。
まずは同じ向きの菱形をまとめて一気に彫り込んでいきます。
これは職人的な考え方ですが、なるべく時間を短縮するために同じ作業は一度に済ませるようにします。
板の向きを変えたりノミを持ち変えたりする時間も勿体無いってコトですね
普通はそこまで考えなくても、ドコからどう進めてもいいと思います。
でも文様ひとつづつ仕上げるよりも、こっちの方が作業はラクかな〜。
同じように残りの菱形を彫っていきます。
菱形同士が接する部分は隣の菱形に傷を付けないように注意し、彫りの深さを合わせていきます。
麻の葉を彫る時のポイントは
① 菱形ひとつひとつの形・深さをそろえ、削った面をなるべく平らに仕上げる。
② 菱形同士が接するラインは真っ直ぐ正確に。
③ 余計な傷やゴミを残さない。
この三つぐらいでしょうか。
菱形が接するラインの刻みはハッキリ入れない方が見栄えが良いかもしれませんね。
彫刻作業終了です
普段の木札やコースター制作では彫刻後に紙ヤスリで表面を磨いていくのですが、
今回は淵や裏の処理&ヤスリがけなどを先に済ませてあります。
理由はピシッと鋭角に出してある菱形の山部分が、ヤスリをかけると全部丸まっちゃうんですよね
以前それで失敗しました〜
文様の種類によって作業の手順や内容を柔軟に変えていかないといけませんね。
麻の葉文様コースター、完成です
そのままオイル塗装ではシンプル過ぎるし、仕上げをどうするかで悩みました… が 最終的に文様部分に着色し、カラーオイルで仕上げました。
このレベルで一枚数百円程度に出来ればいいんでしょうけど…
スプーンやコースター等の小物でも、ウチで作ると結構な金額になってしまいます。
こういう物は本職の方々に任せた方がいいのかもしれませんね〜。
麻の葉文様、面白いので道具のある方はぜひチャレンジしてみてください
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亀甲文様とは、正六角形を縦横に余白無く連続して繋ぎ合わせたもの。
もとは西アジアに起こり、中国や朝鮮から日本に伝わったそうです。
日本では亀の甲羅に似ているのでこの名前がつけられ、亀と同様に長寿を表す吉祥文様となりました。
英語では蜂の巣に似ているとして 『ビーハイヴ・パターン』 と呼ばれています。
平安時代から有職文様として使われており、変化形も多く見られます。
正六角形の中に小さな正六角形を重ね、入れ子状に配する子持ち亀甲。
亀甲文様を部分的に使い破れ文様にした破れ亀甲。
正六角形の中に花菱を配せば花菱亀甲、寿の文字を配せば寿亀甲…。
そんな数多い亀甲文様の中から、今回は二種類の文様を彫刻してました。
右側が 『毘沙門亀甲』 左側が 『組亀甲』
教室の見本用に彫ったものです。
普通の亀甲文様では簡単すぎるので、少し複雑なものを選びました。
毘沙門亀甲は三つの亀甲を組み合わせ、隣接する辺を消して輪郭線だけで構成した文様。
名前の通り、毘沙門天の甲冑の文様によく使われていますね。
並べ方のパターンは何種類かあります。
組亀甲は毘沙門亀甲の変化形。
ぱっと見は別物ですが、毘沙門亀甲を網目を出すように組んである文様です。
図案も毘沙門亀甲を基に描いているのですが、意外と複雑で描きながら頭が痛くなっちゃいました〜
秩父神社の手水舎で、組亀甲の文様彫刻を見る事ができます。
毘沙門亀甲は本殿の奥にある額殿の額などに彫刻してあります。
神社仏閣ではこの二つの文様以外にも、さまざまな文様彫刻を見る事ができます。
普段はまったく目立たない脇役ですが、よく見れば興味深く手の届く場所にある事も多い…。
ふとした時にでも見て触って、形の面白さや指の感触を味わってみてください。
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