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昨年の冬
かかりつけの猫病院の待合室にいた時
「先生、やっぱり針を刺すのは怖くて出来ません」
訴えるような涙声がガラス戸越しに聞こえ
ふと診察室を見ると
華奢な老婦人が、棒切れのように細くなった
ガリガリの飼い猫を診察台に乗せて
自宅での皮下点滴が出来ないと医師に訴えていた。
「私が寝ている間に
死んじゃったらどうしようと思うと
夜も眠れないんです」
骨と皮だけになった猫は
ヨロヨロと立ち上がり時々、低い声で
「ンナァー」と鳴いた。
まるで
「ワタシの飼い主を泣カスナー」
と言ってるように。
猫の入ったキャリーバッグに毛布をかけ
大事そうに抱え、歩いて帰る老婦人の姿に
近い将来やってくる自分とお嬢の姿を重ね見て
勝手に感情移入・・・・
少しでも長く一緒に過ごせますように
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