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今年の春。
お嬢は17歳の生涯を閉じました。
その時、医師は
「心音が聞こえません」
と繰り返し私に伝えていたと思う。
フワフワで柔らかい まだ温もりが残る
お嬢のお腹や顔を 何度も何度も何度も触っては
息をしているか確かめる私に医師は繰り返し伝えたと思う。
でもその言葉が私の耳には届かず
まだ呼吸をしているはず、まだ生きてるはず
と確かめずにはいられなかった。
そしてやっと医師の言葉の意味が分かった時
ワーっと涙が溢れて止まらなかった。
診察室でも待合室でも帰り道でも涙は止まらなかった。
どうやって帰宅したのか覚えてないほど
大人になってからこんなに泣いたことないほど
とにかく涙が止まらなかった。
今まで部屋の一番、暖かい場所が
お嬢の特等席だったのに
今は一番、寒い部屋で保冷剤に包んで
寝かせることに罪悪感を感じた。
頭を撫でると今にも「にゃー」と鳴き出しそうで
やっぱり死んだことが信じられず保冷剤を
取り替えるたび、涙が止まらなかった。
数日後
まだ春というには寒い日が続く中、
お嬢の火葬の日は綺麗な青空で暖かかった。
送りだす時はお嬢が不安にならないよう
笑顔で送りだしたかった。
「何も心配なことはないんだよ
向こうにはたくさん友達がいるからね
必ず迎えに行くからね
それまで待ってるんだよ」
いつも着ていたセーターとタオルケットでお嬢を包み
最後に顔を撫でると、お嬢はステンレスの板に乗ったまま
火葬場の奥へと姿を消していった。
数時間後、お嬢は小さな紙袋に入って帰ってきた。
手渡された紙袋は軽くて、また涙が出そうになった。
17年間ありがとうね。
お嬢と一緒に生きてきて本当に楽しかった。
今までも これからもお嬢と一緒。
今年は初めてのお盆だけどお嬢が迷わず
家に帰って来られますように。
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2012年08月15日
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