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平成18年12月1日(金) 29日深夜、実相寺昭雄が死んだ。「ウルトラマン」で知られるが、 「無常」「曼陀羅」が強く印象に残る。映画に世間の実相を学んだ時期でもあった。 今日からは【 師走 】でおわす。 「しわす」とはどこから出てきた言葉なのだろうか。忙しくて先生 or 坊さんも走る季節と いうのは俗説。「しわす」は「せわし」の訛ったものだという説もあるが、12月は昔からそれ ほど忙しかったのだろうかと疑問にも思う。 12月がこんなに忙しく感じられるようになったのは、たぶん商人が1年の締めを12月中に、 してしまおうと駆け回ったことに由来するもので、江戸時代以降のことに思われます。落語に 掛取りを追い返す名人の咄もでてきます。 「しはす」という言葉は「万葉集」の東歌(あずまうた、東国で作られた民謡風短歌)にも、 出ているそうで、商売と無関係な社会にも使われていた事が解ります。昔の農村社会で12月は 確かに新年を迎える準備という大事な仕事はあったでしょうが、季節は冬ですから忙しいと、 言うよりも、骨休めの季節であったように思います。 「年果つ(としはつ)」の転訛したものという説もあるそうです。味も素っ気もない説ですが 意外と事実に近いのかもしれません。「仕(事し)果(は)つ」つまり、全ての仕事を成し遂げ、 締めくくりをつける月という説もあります。 広辞苑を見ると師走という言葉のついたものがいくつかありました。 しわす‐あぶら【師走油】 師走に油をこぼすこと。火にたたられるとして、こぼした人に水をあびせる習俗があった。 しわす‐ぎつね【師走狐】 師走に鳴く狐。その声は冴えて聞えるという。 狂歌、末広がり「 ― のごとく、こんこんと言ふほどはつてござる」 しわす‐びくに【師走比丘尼】 おちぶれて姿のみすぼらしい比丘尼。(今日では性差別になりますね。) しわす‐ぼうず【師走坊主】 (盂蘭盆とは異なり、歳末には布施もないところから) おちぶれ、やつれている坊主。 また、みすぼらしい者をたとえていう語。(今日では職業差別になりますね。) 浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「掴めば跡に ― 師走浪人」 しわす‐ろうにん【師走浪人】 落ちぶれて姿のやつれている浪人。(師走=貧乏たらしい?) しわす‐まつり【師走祭】 「川浸(かわびたり)の朔日(ついたち)」に同じ。 【川浸りの朔日】旧暦12月1日水神を祭る行事。川水に尻を浸し、潔斎する。 乙子(おとご)の祝い。川入り。川渡り。 何に此(なんにこの)師走の市にゆくからす 芭蕉 女を見連れの男を見て師走 虚子 師走何ぢや我酒飲まむ君琴弾け 露伴 それぞれの「師走」 病院へゆく素手さげて十二月 石原舟月(娑婆に無縁の病人暮らし) 妻として師走を知りしあはれさよ 杉山岳陽(新妻を思いやる) 床屋出てさてこれからの師走かな 辻貨物船(本名:辻征夫) あかんべのように師走のファクシミリ 小沢信男(作家) |

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