|
◇ 映画「アバウト・シュミット」2002年 アメリカ 125分 人生の孤独を感じた偏屈な男を描くヒューマン・ドラマ 監督・脚本:アレクサンダー・ペイン/脚本:ジム・テイラー 原作:ルイス・ベグリー/音楽:ロルフ・ケント 出演:ジャック・ニコルソン、キャシー・ベイツ、ホープ・デイヴィス ダーモット・マローニー、ハワード・ヘッセマン、レン・キャリオー アメリカ中西部ネブラフスカ州オマハ。この日、勤め先の保険会社・ウッドメンで定年退職の日を迎える66歳のウォーレン・シュミット(部長代理)。彼はこれまで妻・ヘレンと、今は離れて暮らす娘・ジーニーと共に、平凡だが特に不満のない人生を送ってきた。だが、次の日から彼は全く新たな人生を歩むことになる。朝、目覚めてみると、シュミットは会社中心の生活リズムが染みついていたせいで、手持ち無沙汰の苦痛を味わう日々を迎える。 何となく歩いていると、知らぬ間に元のオフィスにたどり着いてしまう。少し前まで自分の部署だった部屋をノックする。そこには自分の後継者が忙しそうに働いている。さりげなく、何か業務上の事で分からないことはないかと問いかけるが、完全に無視され冷淡に扱われてしまう。オフィスは自分を全く必要としていなかった。シュミットが引継ぎのために用意した書類の山は、開封もされずに、廃棄処分を待っていた。 妻のヘレンは、そんな夫の淋しさを察して大型のキャンピングカーを買ってシュミットを驚かす。「これで、新しい人生の思い出を作るのよ」、作り笑いをしながら辟易するシュミット。特に不足があるわけではないが、これまで仕事人間だったシュミットと妻との間には、確かに深い溝があるようだった。 そんなある日、ヘレンが急死する。葬儀の準備に追われるシュミットのもとへ、愛娘ジーニーが婚約者なる男・ランドールを伴い戻ってくるのだった。シュミットにとって、その婚約者はヒドイ男に思えた。シュミットは別れたほうがいいと助言するが、娘の反発を買うのみだった。逆に母への愛情のない仕打ちをなじられる始末。 妻の荷物整理をしていると、不倫の手紙を見つけてしまう。相手は自分の親友だった。憤然としてシュミットは妻の遺品などを廃棄し、相手の男を問答無用で殴るのだった。全てに嫌気のさしたシュミットは、キャンピングカーで旅に出る。運転しながらシュミットは、悪いのはむしろ自分だったことに気づいてゆく。(このあたり、ロードムービー風) そんな時、シュミットはテレビCMで、チャリティープログラム(チャイルドリーチ)の活動を知る。「月22ドル(1日わずか72セント)哀れみで命は救えません」、気まぐれで応募してみる。小切手と一緒に、なるべく個人的な内容の手紙を同封するように、と書かれていた。 シュミットは暇つぶしのように手紙を書いた。アフリカの少年へ、ンドゥグと言う名前の少年に、その時その時の自分の澱んだ気持ちを吐き出すように、手紙を書き続けた。それは決して少年のために書く手紙ではなく、自分の鬱憤を晴らすためだけのものだった。妻を亡くし、家の中が混乱を極めるやもめ男の、唯一の息抜きのようになった少年への手紙。 やがて、愛娘ジーニーがランドールと結婚する日が近づいた。ランドールの家に泊まったシュミットは、ランドールの店で販売しているウォーターベッドに寝かされ悪戦苦闘する。ひどい寝違いで翌朝は起き上がれぬ始末。意外にも無愛想だったランドールの母親がかいがいしく世話をしてくれた。だがシュミットは、結婚式の当日ある決意をもって臨んだ。土壇場でジーニーに、ランドールとの決別を迫る魂胆だった…、 ◇ シュミット「取るに足らない人生だった」、一隅にただ一輪咲きにけり …、そんな事は結局できず仕舞いで、ある意味感動的なスピーチに終わったシュミットは暗い思いに沈んでいた。自分の人生はつまらないものだった。私が死に、私を知る者も死んだら、私は存在しなかったも同じだ。誰が私に影響を受けただろうか。そんな人間なんて居るはずもない。 無力感に打ちひしがれてシュミットは、誰も居ない自分の広い家に戻った。一通の封書が届いていた。怪訝そうに開封するシュミット。手書きの丁寧な文字で書かれているその手紙は、シュミットが寄付を送り続けているカトリック女子修道会の修道女からのものだった。「私は、あなたが寄付をして下さっているカトリック女子修道会で働く者です。タンザニアの小さな村で奉仕しています。(中略)ンドゥグは6歳で、まだ読み書きは出来ません。でも彼はあなたの幸せを願っています。それで、絵を描いてもらいました。お送りいたしますので、どうかお受け取り下さい。シスター・ナディーヌ」。 シュミットが折りたたまれた絵を開いて見ると、それはとても稚拙な絵であった。殆ど線のみで描かれたその絵には、大人と子どもが描かれていた。おそらく、大人はシュミットで、子どもはンドゥグなのだろう。何の変哲もない稚拙な絵を見ていたシュミットは、いつしか大粒の涙を流していた。自分の人生に意味を見失っていたシュミットにとって、ンドゥグの絵は、この上なく嬉しいものだった。 絵の中で、シュミットとンドゥグは、しっかりと手を結んでいたのだった。 「アバウト・シュミット」予告編 「アバウト・シュミット」ラストシーン
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用




なんと表現すればいいのでしょう。稚拙だけど、見る者の心にグイグイと迫ってきます。ありがとう。
2007/10/11(木) 午前 4:05 [ kaz*_51** ]