|
◇ 株券電子化の余波、「和紙の里」ピンチ、福井・越前市今立地区 従業員半分リストラ、出荷額は昨年度の3分の1に 1300年以上の歴史を持つ国内最大の和紙産地で「和紙の里」として知られる福井県越前市の今立地区が、2009年1月に全面実施される「株券電子化」の思わぬ余波で衰退の危機に直面している。株券用紙として使われる特産の高級和紙「局紙(きょくし)」の受注が激減したため。苦境に追い込まれた現地の業者から悲鳴が上がっています。 明治・大正期の雰囲気を残す古民家と木造の製紙工場が軒を連ねる今立(いまだて)。その一角、局紙生産業者「福井特殊紙」の工場には人の気配はほとんどなく、紙の裁断機がほこりをかぶっています。同社は株券電子化の影響で従業員を半分にリストラせざるを得なかった。酒井重孝会長は「局紙に代わる商品が見つからない」と唇をかむ。 ◇ 99%という圧倒的シェアが裏目に 福井県和紙工業協同組合によると、県産局紙の出荷額は2005年度まで4億円程度あったが、2006年度は約3億2000万円に。2007年度はさらにその3分の1の約1億円に落ち込む見通し。 今立は伝統的工芸品に指定された和紙のうち全国の約6割を生産するが、製造事業所数は1995年の83カ所から昨年は69カ所まで減少。協同組合の山田益弘理事長は「局紙業者の売り上げ減は取引のあるほかの業者にも大きく影響する」と話す。 局紙は、明治時代に大蔵省印刷局で使ったお札印刷用の紙がルーツ。名前も「印刷局」の「局」から付いた。上質なつやと耐久性の良さから、株券用紙としても普及、現在出回る株券の99%が今立の局紙という。知られざる特産品だが今回はそれが裏目に出た。 株券の電子化は2004年に関連法が成立。印刷コストの削減や偽造防止などが目的。証券保管振替機構によると、上場企業の発行済み株式のうち9月末時点で8割が電子化を終えた。 ◇ 生き残りを模索するも… 一方、今立では株券の偽造防止としても使われる伝統の「透かし」技術を活用した新たな和紙商品の開発など、生き残りを図る動きも出てきた。 小畑製作所は、「寿」の文字の透かしを入れた和紙のグリーティングカードを製作。リボンをすき込んだはがきも作り、若い女性らに売り込む考え。だが、小畑明弘社長は「なかなか納得できる品質にならない」と苦労を語る。 山田兄弟製紙も、大阪の淀川河川敷に茂るヨシを原料にした紙で作った便箋や名刺を開発。「今まで焼却していたヨシの有効活用」と、環境重視の商品としてアピールするが、都会や海外でも使ってもらえる商品を開発できるかどうか、伝統的な産地の体質を変えないと厳しい。
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用



