今日の出来事ロジー

7月19日は、 河合隼雄 の命日です。

[ オリヲン座 ]

[ リスト ]

 ◇ 『おくりびと』 (2008年)

 東京でオーケストラのチェロ奏者をしていたが、楽団の解散で演奏家への道をあきらめて故郷の山形に戻ってきた大悟(本木雅弘)。職探しのために開いた求人広告で「年齢問わず、高給保証!実質労働時間わずか。旅のお手伝い」という願ってもない好条件の職を見つける。早速面接に向かうと、なぜか棺桶が置いてある古びた事務所だった。ほどなく現れた社長の佐々木(山崎努)は、履歴書に目を通すこともなく大悟の顔を見るなり、一発で採用を決める。

イメージ 1

 大悟が惹かれたコピーの「旅のお手伝い」というのは印刷所の誤植で「安らかな旅立ちのお手伝い」が仕事内容だ、と説明する佐々木。それは遺体を棺に納める仕事だった。社名のNKエージェントのNKとは、「納棺」だった。思いもよらない仕事に慌てふためく大悟だったが、強引な佐々木に言われるがまま引き受けてしまい、妻の美香(広末涼子)には冠婚葬祭関係の仕事に就いたとだけ答えて、納棺師の見習いとして働き出す。

イメージ 2
 映画は、こんな場面から始まる…。 社長の佐々木に信頼された大悟が、初めて「納棺」を任される。遺体は、まるで生きているようだった。「おそらく、練炭自殺だろう」、佐々木がつぶやく。「こんな美人なのに…」、大悟は気が滅入る思いだった。

イメージ 3
 納棺の作業をする内に「異変」が起きた。あわてる大悟。佐々木に耳打ちする。「あれが、あるんです」「あれって、何だ?」「だから、あれですよっ」。

 美人だと思ったらニューハーフだった青年、幼い娘を残して亡くなった母親、ルーズソックスを履いてみるのが憧れだったオバアチャン、沢山のキスマークで送り出される大往生のおじいちゃん…、さまざまな境遇の死や別れと向き合ううちに、はじめは戸惑っていた大悟も、いつしか納棺師の仕事に真剣に取り組むようになってゆく。

 そんな矢先、冠婚葬祭関係=結婚式場で働いていると勘違いしていた美香に、本当のことがばれてしまう。美香は激しく「触らないで、汚らわしい!」と言い捨て、実家に帰ってしまう。それでも大悟は、真摯な態度で仕事に向かった。彼女が戻ってくるのを信じて … 。

イメージ 4
 ※ 納棺師の仕事は、葬儀社から依頼される。昔は遺族がしていたものを、時代とともに業者がするようになってゆく。葬儀社が自前で納棺するところもある。「納棺」の大部分は、「湯灌」と言われるもので、遺体の清拭、死に化粧が施される。 納棺師の場合、湯灌を含めた一切合財を行なう。事件、事故で損傷した遺体と向き合うこともある。心身ともに、かなり過酷な業務と言える。 だが、それに見合った評価どころか、蔑みの眼で見られることも少なくない。映画での大悟も、親友から侮蔑の言葉を受けている。 やがて、その親友も大悟に感謝するのだが…。

 死体を死穢として忌み嫌うのは、衛生知識の乏しい古来からの伝習で、感染症で亡くなった場合、死者が生きている者を招きよせると考えた。あるいは生きものとしての、DNAのしからしむるところか。 看護師による簡易清拭を「エンジェル・サービス」と言うとか。

イメージ 5
 死後数週間の遺体に立ち会った大悟が帰宅するバスの中で、女学生らが囁く。「あの人、なんだか臭い」。あわてて下車した大悟は、子ども時分に通った銭湯へ向かう。「まだ、あったんだ…」。「鶴乃湯」を守っているのは、大悟の同級生・山下の母親(吉行和子)だった。必死に洗いまくる大悟。なんども何度も洗い続ける。


 納棺師として充足感と誇りを感じはじめていた大悟のもとに、30年間行方知らずだった父親の訃報が舞い込む。自分と母親を捨てた男など、今さら関わりたくないと拒絶する大悟。 すると突然、事務の百合子(余貴美子)が、「お願いだから行ってあげて」と叫ぶ。彼女も子どもを捨てた母親だった。

 2008年9月13日(土)より全国ロードショー

 ※ 2008年9月17日(水)12:55〜15:15
 TOHOシネマズモレラ岐阜 screen12(定員280名)
 水曜日はレディースデーで女性は千円だった。私も千円だった。



 ◇ 第32回モントリオール世界映画祭グランプリ受賞

 『おくりびと』が、第32回モントリオール世界映画祭(2008年8月21日〜9月1日)で、グランプリ(「World Competition」部門"Grand prix des Americas")を受賞いたしました。北米において最も歴史がある映画祭の一つであり、国際映画製作者連盟(FIAPF)から認定を受けている映画祭の中で北米唯一のコンペ部門を有する映画祭であるモントリオール映画祭での栄誉です。

 モントリオール世界映画祭オフィシャルサイト
 http://www.ffm-montreal.org/


 ◇「おくりびと」 映画評

 「納棺師」という仕事を、この映画で初めて知った。遺体を清めて着物を着せ、死に化粧を施す。優雅で無駄のない、しかも厳かな動きで、亡くなった人への敬意を感じさせる。主演の本木雅弘自身が偶然この儀式を知って感銘を受け、プロデューサーに映画化を提案したのだという。

 楽団が解散し、チェロ演奏家の道をあきらめて帰郷した大悟(本木)。「高給保証」「旅のお手伝い」という求人広告にひかれて、NKエージェントという会社を訪ねると、社長(山崎努)は「この広告、誤植だな。旅のお手伝いではなくて、安らかな旅立ちのお手伝い」。仕事は納棺だった。

 人の死と向き合う難しい題材を扱いながら、コミカルな場面も。それは伊丹十三監督「お葬式」にも通じるところがある。ビデオ映像のモデルにさせられたり、腐乱死体に気持ち悪くなったり。仕事について妻(広末涼子)に正直に話せない大悟。本木がまじめに演じるほど、戸惑っておたおたする、その姿がおかしくてならない。対する山崎のとぼけた味わいも絶妙。

 脚本の小山薫堂、監督の滝田洋二郎は、偏見さえも逆手にとり、ユーモアをバランスよく織り込んで物語を展開する。笑っているうちに、やがて感動に包まれる。カナダ・モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞したのも納得。2時間10分。
(2008年9月12日 読売)


 ◇「おくりびと」海外からの高い評価(9月13日)

 チェロ奏者と納棺師、両方の職業を特訓したという本木さん。第35回モントリオール映画祭グランプリ受賞作「おくりびと」(滝田洋二郎監督)の初日舞台挨拶が13日、都内の映画館で行われ、主演の本木雅弘さんらが受賞の喜びを語った。「おくりびと」は、遺体を棺に納める納棺師という余り世間になじみのない職業をテーマにした映画。本木さんが演じるのは、リストラされたチェロ奏者で、故郷の山形に戻り、納棺師に転職した青年。広末涼子さんはその妻を演じている。

 上映後の舞台挨拶は初めてという広末さん。感動の余韻が残る客席を前に、目を潤ませた。人の死を題材にしながらも、笑いあり、涙ありの感動作となった。上映後、涙で目を赤くする観客もいる中、滝田監督は、「死をテーマにしているが、生きるための映画です。いつまでも「おくりびと」でいたい。いい作品をたくさん作り、みんなを元気にしたい」と挨拶。


 ◇ 「おくりびと」、中国のアカデミー賞で3冠(9月13日)

 9月12日、モントリオール、米国アカデミー賞に続き、中国のアカデミー賞とも言われている中国最大の映画祭、中国金鶏百花映画祭で、作品・監督・男優の3冠を獲得しました。

 「このように死を扱った映画は今まで中国になかった。初めてみたけどとても感動した」など、絶賛の声があふれ出しています。いつ一般上映されるのか?などの問い合わせが事務局に殺到しているそうです。

 第17回中国金鶏百花映画祭

○国際映画部門・外国映画作品賞・・・おくりびと
 (観客賞最優秀作品賞)

○国際映画部門・外国映画監督賞・・・滝田洋二郎監督/おくりびと
 (観客賞最優秀監督賞)

○国際映画部門・外国映画男優賞・・・本木雅弘/おくりびと
 (観客賞最優秀主演男優賞)


 ◇ 『おくりびと』がアカデミー賞外国語映画賞を受賞(2009年2月23日)

 第81回アカデミー賞は22日(日本時間23日)、ロサンゼルスで授賞式が行われ、滝田洋二郎監督の『おくりびと』が外国語映画賞に輝いた。短編アニメーションでは加藤久仁生監督の『つみきのいえ』が受賞し、実写でもアニメでも日本映画の底力を見せつけた。

開く トラックバック(3)


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事